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お盆休み初日、専門友達と遊ぶ約束してて、集合時間前に図書館寄ってハードカヴァ2冊借りてきた。これがその1冊。

大阪圭吉は、愛知県新城市出身の作家。
「デパートの絞刑吏」でデビュー。鉄道ファンでもあり、作品には「とむらい機関車」「気狂い機関車」もある。
青空文庫(ネット上でいろんな作家さんの作品が無料で読めるサイト)に掲載されている作品が気に入ったので、借りてみたんだけど、この短編集には青山喬介は出ておらず、全編「国民防諜会」の会長である青年探偵・横川禎介が某国のスパイと戦う話である。
ものの見事に戦中の作品ばかりです。彼は当時若かったから軍国主義色の濃い作品を書いていた(書かざるを得なかった)のですね、横溝さんあたりは出兵しなくて良い年齢だったので推理小説書きたくてうずうずしていらした時期です。
※推理小説は「敵国うまれのものだからけしからん!」と、当時は禁止されていたのです。このへんの話はオタク旅の時に書いた気がする。

んで、「いつなんどき敵国の間諜が日本国に紛れ込み、情報(例えば東京の写真とか、どこに爆弾落とせば壊滅的なダメージを与えられるかが判るので)を得ようとしているか判らんから、国民ひとりひとりが慎重に行動せねばならない」とゆう事を頻りと警告している短編集なのである。
序盤の暗号ネタは、ややミステリ色があるけど、最後の話になるとミステリの雰囲気すらなくなります。発表順に掲載されているので、多分そうゆうのの取締りが厳しくなってきたんだろうな。
読んでて、だんだんつまらんく感じてしまったんだけど、解説読んだらちょっと考え方がかわりました、流されやすいです。

防諜小説しか収録されてなくてもの足りんかったけど、大阪圭吉はもっと評価されるべき!!木々高太郎の時もそう書いたけど!
そういや、大阪さんは甲賀三郎に推薦されてデビューし、徴兵される前に甲賀さんに長編小説を託して行ったそうだけど、甲賀さんは岡山で客死、原稿は今も行方不明なのだそうだ。
大阪さんも徴兵されて1年後、戦地で亡くなっている。
戦争がなければ大阪さんの青山シリーズや少女探偵クルミさんシリーズ(クルミさん可愛い)がもっと読めたのかなぁと思ってしまう。
よし、創元推理社の短編集買おう!!

おおさか・けいきち(1912-1945)
愛知県新城市生まれ。本名は鈴木福太郎。
甲賀三郎の推薦により、1932年『新青年』に「デパートの絞刑吏」を発表しデビュー。
日中戦争勃発後、ユーモア小説や時局に乗じた通俗スパイ小説などを執筆。
太平洋戦争激化に伴い、1943年に応召。満州からフィリピンへと転戦し、1945年ルソン島にて病死。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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