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女性探偵「風間光枝」を主人公とした三人の作家による短編小説。
風間光枝は日本の探偵小説における「女性探偵」第一号といわれているんだって。

・離魂の妻(りこんのつま)/木々高太郎
・什器破壊業事件(ものをこわすのがしょうばいじけん)/海野十三
・危女保護同盟(きじょほごどうめい)/大下宇陀児
・赤はぎ指紋の秘密(あかはぎしもんのひみつ)/木々高太郎
・盗聴犬(とうちょうけん)/海野十三
・慎重令嬢(しんちょうれいじょう)/大下宇陀児
・金冠文字(きんかんもじ)/木々高太郎
・痣のある女(あざのあるおんな)/海野十三
・虹と薔薇(にじとばら)/大下宇陀児

こんなかんじ。
大下さんは初めて読みました。
木々>大下>海野 という感じでしょうか、面白かった順。
木々さんは甲賀さんと論争(※)しただけあって事件よりもロマンスに傾倒しているかなぁ。殺人事件を扱っているのは木々さんの「赤はぎ~」のみ。
大下さんは甲賀さんの推薦でデビューした割りに、ロマンス色が強いです。
海野さんはごぞんじ帆村探偵が出張ってます、鼻につく位出張ってます。
「女性探偵を主役に」した割に、大して探偵してません。特に海野さんのは。

風間光枝探偵以外には、海野さんの「風間三千子探偵シリーズ」と「蜂矢風子探偵シリーズ」が収録されています。
風間三千代はスパイ系とユーモア系(最後は敵国へスパイに行き戦死するような描写)、蜂矢風子は帆村探偵の替わりに関西弁の南洞先生が登場。
どちらも海野さんの女性観なのかなぁ、依頼人に同情しすぎて先入観に囚われ過ぎたまま事件を調査しているかんじがする。もっと他人を疑えよ探偵!

これらは書かれた時代背景も大いに関係しているけど、女性が男性より目立つのはけしからん、女は仕事なんぞせずさっさと結婚して日本国の為にこどもをもりもり産みなさいってゆう、戦中思想や性差別があるものだから、規制やなんかを鑑みるとこの位の事件しか扱えなかった、のかも知れない。
実際、当時のほんものの女性探偵も浮気調査とか身元調査とか、そうゆう他人の秘密を根掘り葉掘り聞き出す野次馬精神の旺盛な女性向けの仕事とみなされていたみたい。
マァ、実際に殺人事件とかの捜査するような探偵は現代社会にもいなかろうて。
昔の小説は当時の情勢とか思想とか垣間見れて面白いけど、やっぱり女性軽視した空気感のある作品は良い気分じゃないね。

※推理小説において重要とする点を、木々は文学的、甲賀はトリックにおくべきだとして主張しあったという有名な話。
私はトリック重視派だけど、『皇帝のかぎ煙草入れ』みたいなおちも好きだよ。
というか甲賀さんの短編ちょっとよんだけど、別段良いトリック書いてるとはおm(略)
ミステリがごろごろしている今の観点で見れば、というだけで、当時読んでいたらすげーと思っていたかも知らんです。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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