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[創作篇]
・鉛の小函:消息不明だった白嶺(しらね)が丘美の元へふらりと訪れた。彼は分厚い原稿用紙と鉛の小函を丘美に渡すと再び姿を消してしまう。丘美は、彼が残した原稿――それは一遍の科学小説であった――を発表することにした。
→1953年発表。「二十世紀の怪談」では恐らく死んだと推測されていた人物が登場する、宇宙冒険小説…序盤にめちゃめちゃ怪しい奴が仲間の一人として紹介されとったんだけど、特になにもなかった。というか多国籍な登場人物のため誰が誰だか全然判らんかったのよ。
・翡翠荘綺談:丘美が交霊会で知り合った某氏が心霊を信ずるようになった事件の話。学生の頃懇意にしていた画家志望の友人から三年ぶりに手紙が届く。三年来交流がなかったにも関わらず、彼は某が胸を患った事を当て、更に自分が彼を病に至らしめたのだと言う。某は彼の元へ訪れるが、そこはかつて児童連続誘拐殺人事件の舞台になった場所の近くであった。
→1949年発表。ホラー。
・二十世紀の怪談:友人・宇川の住むアパートの近くの井戸に幽霊が現れるという。ついにその井戸で死者がでてしまうが、火の気がなかったにも関わらず被害者の服が突然燃え出したのだった。
→1950年発表。ホラーを科学的に解決する。
・勝部良平のメモ:教授が助手の研究を剽窃したり出来の良い助手を潰したりとか陰湿な法医学の世界に愛想をつかした勝部が己の研究の正しさを知らしめるために起こした、八年前の轢死事件の真相。
→1950年発表。死体の描写がえぐい。それ以上にホルマリン漬けにされてた献体の肺臓をなめる勝部がぐろい。
・三角粉:夜の海辺にうごめく白い人物を追いかけた神志山(こうしやま)と浅海。足跡をたよりに行きついたのは結核で死んだ娘の墓の前で、足跡もそこで消えていた。
→1951年発表。いや若い娘の死体になにしてんの変態かよ…看護師も何手を貸してんだ職業倫理はないのか。
・ヴァイラス:ある事件解明の協力者である博士の元を訪れた刑事。博士は何かを恐れるようにドアに鍵を閉め、ソファに座ろうとした途端なにかに押し倒されそのまま窒息死してしまった。被害者と共にいた刑事が疑われたが、彼は犯行を否認し神志山の元へ訪れたのだった。
→1951年発表。ホラーを科学的に解決する。
・佐門谷:佐門という馬喰が娘と共に転落した谷で起きる転落事故。村長に呼ばれた新興宗教普及会の神辺はその谷で怪異に見舞われる。
→1951年発表。いやいや殺人やりたい放題の谷とかヤベー部落じゃん…

[評論・随筆篇]
探偵小説の立場と討論・評論・所感/ディクソン・カーに対する不満/論文派の誕生/探偵小説の鑑賞方法について/私の好きな探偵小説/或る新人の弁/謎解き興味の解剖/授賞の感想/奨励賞受賞の感想/S・Fと宝石/作家の希望する評論のあり方/S・Fの二つの行き方/探小の読み方/批判の批判/「鉛の小函」の頃/アンケート


おかみ・じょうじろう(1918-2003)
大阪府生まれ。本名・兼弘正厚。
東京帝国大学工学部卒業。戦前は陸軍航空部隊に所属していたという。戦後は進駐軍勤務を経て自衛隊のテストパイロットとなった。
1949年『宝石』の100万円懸賞コンクールC級(短編)に投じた「翡翠荘事件」が3等入選、B級(中編)に投じた「勝部良平のメモ」が2等入選しデビュー。
東宝映画『地球防衛軍』『宇宙大戦争』『妖星ゴラス』『宇宙大怪獣ドゴラ』の原作者。
2003年没。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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