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この人の作品も面白い!
ただ、酒井さんは短編を中心に書かれており、また、疎開先の岡山で病死されているので作品数が少なく、一冊の本にまとめられないという事で出版が見合わせられていたらしい。
しかし酒井さんのご遺族の協力もあり、創作探偵小説と評論・随筆、遺稿をまとめて出版する事が出来たのだそう。
良かった、出版されてよかった!!
戦前・戦後の文学を研究されている方々は、戦争の所為で作品が焼失したり、戦死して作品がわずかしかなかったりするけど、すんばらしい作家さんがいたのよって事を後世に伝える立派な仕事です。頭が下がります。
という事を念頭に入れながら作品を読んでいる訳で。
これからもこの論創ミステリ叢書シリーズを読み続けるぜ。

本文の感想。

短編ばかりなのでタイトル毎の感想は省略。
アルファベットの羅列があったので
「すわ、暗号か、スパイ小説か」
と思ったけどスパイはいなかった。ところで「すわ大惨事」とかの「すわ」って何だろう。
タイプされた文字のインク量から誰がタイプしたものかを探る探偵法や、かの有名な「Third Degree(第三の探偵法、相手を精神的に追い詰め自白させるとゆう尋問方法らしい)」の亜種(?)、第13探偵法なるもので秘密を暴く話とか、ポーの暗号についての研究を紹介しつつ暗号を解く話とか。
あとあれだ、骨相学からこの人は犯罪者型の人相してるから犯人。的なストーリィもあり、「クレッチマーの分類」のビデオを思い出しつつ読んでたら真逆のメタ展開でびびった。
飛行機を使ったものあり、江戸の香りが残る長唄ものあり、私はこうゆう作品好きです。
というか酒井さんは「沙里子」て名前が好きだったのかな、飛行機ネタに二度出てますが。単に元ネタと推敲後のネタなのかしらん。

はあ、新しい作家さん読むのも良いけど、やっぱ古い作家さん読む方が今は楽しいです。

さかい・かしち(1905-1946)
兵庫県神戸市生まれ。本名は嘉七郎。
パルモア英学院卒業後、神戸の貿易会社に勤務。
1934年「亜米利加発第一信」が『新青年』の懸賞に入選しデビュー。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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