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1937年発表。
元弁護士のアメリカ人青年トム・ネルソン。彼は仕事でミスをした事を機に北京へ滞在していた。あらゆる国の裕福な者たちが集う北京では、戦争中にも関わらず毎晩のようにどこかでパーティが催されていた。
パーティで知り合ったイギリス人探検家のジェイムソン・ベスト少佐の邸で話をした直後にベスト少佐が殺害され、ネルソンまで命を狙われるようになってしまい…

何か、思ってたんと違うかった。もっと、こう…ミスター・モトが活躍するんかと思ってたら暗躍しとった。モトと出会った人たちの成長物語というか…
あと、丁寧過ぎる英語を話すモトの日本語訳が日本語覚えた異国の人みたいなのも盛り盛りの違和感。こうゆうのは原書で読まないとあかんやつや(永久によめないやつや)。
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[創作篇]
・桃色(ピンク)の胸衣(ブラウス)/ホテルとは名ばかりの不景気なアパートの一室でピストルを手にした男の死体が発見された。死体は身元不明で、部屋の借り主である山名は行方をくらましていた。山名が最有力容疑者とみなす若手刑事の白川であったが…
→1935~36年発表。白川は出世しなさそうだな…

・魔の狂笛(きょうてき)/伊豆へ旅行に行ったはずの男爵が自宅で殺害されていると匿名の密告文を受け取った警視庁の小泉係長。所轄の安藤警部へ連絡し様子を見に行かせると、手紙の通り男爵の死体が発見された。旅行に出かけると一カ月は戻らない男爵が何故一週間で帰って来たのか。犯行は空き巣狙いの泥棒の仕業か、それとも計画的な犯行だったのか。そして密告文を送った人物は何者なのか…
→1924年発表。佐川春風名義。警視庁の敏腕刑事小野田VS秘密探偵星野。
・死美人事件/タクシーに乗った男女。男は途中で降り、女を加賀町へ送ってくれと言い去っていった。目的地に到着するが、女は首を刺されて死んでいた…
→1925年発表。三木白水名義。被害者の意外な正体。
・室井君の腕時計→1934年発表。ヨーロッパから帰国した洋画家の室井がダイヤのはまった女性用の腕時計を持っているのは何故か…
・襟巻騒動→1936年発表。黒狐の襟巻をめぐるショートショート。
・父よ、憂ふる勿(なか)れ→1936年発表。貿易商の父親が息子を連れてアメリカへ向かう道中の話。世間知らずの息子に度胸を付けさせるため大金を渡し、同船していたイカサマ師に息子から金を巻き上げてくれと頼む父だったが…
・四つの眼→1936年発表。給料を盗まれた事に腹を立てた男が、偶然拾った義眼を使い、給料を失った晩に立ち寄った店へ復讐を企てる…
・隼太(はやた)の花瓶→1936年発表。竹本隼太作の花瓶を絶対手放したくないじじいVS貧乏だし私病気だし兎に角金になるなら売ってしまえばばあ。結局、ばあさんの命には代えられない立沼に花瓶を売る。しかし、立沼はその花瓶が偽物だと知る…価値観は人それぞれって話。
・噛みつくペット→1936年発表。猿に噛まれた人の話。船長、金は巻き上げられるし船員に騙されて社長の(頭わるそーな)娘に嫌われるわで貧乏くじ引かされてるけど、猿と一緒にいられるからハッピーエンド?しかし騙した船員と社長の娘、嫌なやつらだな。因みに、芥川龍之介の「猿」を読んでいるとより深読み出来るっぽい。
・救はれた男→1936年発表。沈没した船に乗っていて助かったブナカン氏。漂流しているところをボートに救助された老人が、ブナカン氏に「下男が必要ではないか」と尋ねた。以来、ブナカン氏とその老人――ベート老人は二十年主従関係を結んでいたが、ベート老人の意外な正体を知ってしまう…老人の死をきっかけに明かされた話。
・上海の掏摸→1936年発表。怪しい予言者を罵ったために不吉な予言を受けた串田船長。その場では一笑に付したが、予言は的中し…何だこの展開。こんな女と一緒にならん方がぜったい良いぞ。しかし掏摸良い人(矛盾)
・不思議な肖像画→1937年発表。少女雑誌に掲載された少女探偵もの。つーかしっかりしろ大人。
・天誅→1947年発表。ある邸で男が毒殺され、同じ部屋には銃殺された男の死体が…警察は、どちらかが相手を殺害し自殺したと考えたが、銃殺された男の服のポケットから「天誅」と書かれたハガキが見つかり…事件現場に同行した心理描写に重きを置く推理作家の空論が的を得てしまう話。なかなか観察力のある作家だ。
・運命の茶房→1947年発表。お茶好きの刑事が偶然見かけた挙動不審の青年。その後発覚した殺人事件に青年が関わっていると直感した刑事のトラベル・ミステリ。なんだけど真逆の未完…!割と切りが良いところで終わってるから「後は読者の想像に任せる☆」というオチかと思ったが、底本の掲載誌が落丁していたからだとか。誰か、完全版持ってる人ーーーー!!!
・深夜の冒険→1948年発表。歯医者へ行った弁護士が見かけた男は赤木というらしい。どこかで会った事のある顔だが思い出せない。赤木の妻が巻き込まれた事件を発端に、赤木銃撃事件が起きて…
・友情の凱歌→1950年発表。勉強もスポーツも優秀な昌吉が近頃学校に遅刻するようになった。心配した友人の正雄が訳を聞くと、母が病気の為、代わりに新聞配達をしているらしい。父を亡くした昌吉を思い手伝いを申し出る正雄。二人で新聞配達をするようになったある日、正雄は病院に泥棒が入った事に気付き…二人の少年の友情と探偵物語。
・胸像の秘密→1950年発表。正男と時男兄弟宛に、いとこの郁子から毎晩庭から変な音がするので調べて欲しいとの手紙が届いた。探偵ごっこが好きな兄弟は早速郁子の家を訪れた…

[評論・随筆篇]
追想断片:佐々木味津三追悼文/三つのスリル/「悔ひなし、寂しからず」:大学の師・馬場孤蝶追悼文/砂金のこぼれ出た頃/老編集者の思い出:『新青年』編集長時代の思い出話/探偵小説の虫
→「老編集者の思い出」は、好きな作家がもりもり登場していて満足満腹。
郷里の森下雨村 森下一仁→雨村の遠縁の作家・評論家のエッセイ。高知での雨村の姿。
都の大理寺丞(だいりじじょう:中央裁判所長官)に就いた狄判事。疫病が蔓延し、朝廷が避難した為、京師留守(けいしりゅうしゅ)を拝命して三週間。死者は増え続け食糧も不足し、いつ暴動が起きてもおかしくない中、都の三旧家の一つである梅亮(メイ リアン)が事故死した。都では三旧家が滅びると予言した不気味な流行り歌が広がる中、もう一人の旧家・易(イー)が惨殺された…

→1965年発表。新型コロナウイルス感染症が広がる時期に読んだので妙な親近感というか、今も昔も疫病は怖いなという気持ちで読んだ。当時の中国で本当に流行していたのは天然痘であるが、ヒューリックの読者であるヨーロッパ圏ではあまり認知度がなかったので、ペストの流行という事になっているらしい。
巻末には江戸川乱歩と中国研究家のお二人、そしてヒューリック本人との鼎談が掲載されていてお得感満載。
しかし私の推しはモウ出てこない哀しみ…
[創作篇]
・鉄の処女→1937年発表。元スペイン義勇軍にいた三人が乗る船に同乗を申し出た美女。女性を乗せるのは船乗のタブーだが、船長であるミキは好奇心の為に乗る事を許した。船長室へ戻ると、忍び込んでいた見知らぬ兄妹を発見する。兄の方は瀕死であった。薬を取りに出ていくと、美女と先程見付けた妹が二月の海に飛び込み騒ぎとなる。船室の兄は刺殺されていた…
・燃えろモロッコ→1938年発表。スペイン義勇軍で名を馳せた牧。今は解散させられたが密命を帯びてモロッコに戻ってきた。そこで土人の部族抗争に巻き込まれ…
・髑髏笛(どくろぶえ)→1939年発表。部落外の男とは結婚できないという掟により恋を諦めろと迫られる木下とミチリナ。しかし木下は攫われたミチリナを救う為、余所者は全て排除する掟の新月部落へ命懸けの冒険へ向かう…
・めくら蜘蛛→1940年発表。パリにいた頃に知り合った悪党ジャンに連れられ密林の洞窟へやってきたサトウ。しかし、その洞窟へ行った者は、ジャンの下男以外皆行方知れずとなっていた…
・女面蛇身魔(ラミア)→1940年発表。研究所を訪れた青年に兄殺しの濡れ衣を着せられた牧。言い争いの後、去って行った青年と連れの女性は危険な部落である深青(レルダ)蕃社の方へ向かったとの報告を受けた牧は、二人を助けに向かったが…
・呪教十字章→1940年発表。正宗の名刀を所有する山田は、コレクターのホワードに呼び出された。ホワードに騙された山田は、命を狙われる事になり…
・砂漠の旋風→1941年発表。ルル姫の弟を誘拐し、姫に結婚を迫った旋風(マジール)ササキに決闘を申し込んだアリフェヨだが、決闘の場に現れたのはササキを匿う部落の者達だった。敵に囲まれたアリフェヨが逃げ込んだのは男子禁制のルル姫の女部屋(ハレム)だった…
・五時間の生命(いのち)→1941年発表。女に騙され五時間後に死ぬという毒薬を飲まされた岩田。毒の丸薬九粒、解毒剤一粒を持って逃げた追う岩田の元へ、同僚のカマルが博士が秘密書類と共に誘拐されたと知らせに来た。カマルは、岩田が助けた夜盗のイムシの仕業ではないかと言う…
・蛇頸龍(プレジオサウラス)の寝床→1941年発表。世間で気違い博士と呼ばれるチャンド博士が発見した蛇神の卵を蛇谷に運ぶ二百人の印度人の中に紛れ込んだ英国秘密情報部のグラハム。彼の狙いは、お尋ね者の日本人・佐久良散太郎の逮捕であった。博士の配下となった佐久良が一足先に蛇谷に向かったという情報を得ていたグラハムは、暗黒街の顔役アリ・シンと屈強な男五十人と共に危険な地へ向かうのだった…
・屍室(ししつ)の怪盗→1941年発表。ベルリンのメリケ病理学研究所で働く今井。心中死した若いドイツ人青年の解剖を終え、情死の相手の顔を見ていると幽かに女の 欷(すすりなき)が聞こえた。解剖室での怪事に怯えた事を恥じた今井は、屍室で一夜を明かす事にした。そこへ何者かが忍び込んできて…
・悪霊(バディ)の眼→1942年発表。馬来(マレイ)の猛虎(ハリマウ)と呼ばれる戸倉が逃げ込んだのは梟団(ジャムボ)の首領ハジイ邸だった。英国官憲に拉致された馬来の王を奪還する為、二人は手を組んだが…
・啞の雄叫び→1942年発表。支那人の夫を裏切り秘密結社に情報を流しているビルマ人のバーマ。結社で啞の首領から監視を命ぜられた船に夫が秘密英国情報部員、米国秘密警察官と共に乗ると知り、不吉な予感に取り乱すバーマだった。しかし彼女の目の前で船は爆発し沈没していった…
・魔女の木像→1942年発表。グレース嬢の招待を受けスワン号の客となった九人の紳士。話題は何故か発狂と狂気についてで持ち切りだった。その理由を知らないポルトガル人貴族と印度の元王様に、研究資料に買い取った不吉な言い伝えのある魔女の木像の所為で彼らの友人二人が発狂し狂い死にしたためだとグレースは語った。好奇心からその木像を見たいという二人だったが、それを見た途端元王は狂笑し始め第三の犠牲者となってしまった…
・落陽の岩窟→1943年発表。カフェを切り盛りする青年ピオは、運悪くジプシーの掟に巻き込まれ頭目の姪との結婚を強要された。結婚する気のないピオは断ったが、逆恨みしたジプシー達に復讐される事になり…
・恐怖の水牢→1944年発表。親日家のトルコ人パシャから突然絶宣告を受けた山村。ドイツ人青年と立ち上げた会社も、相方のドイツ人青年が行方不明となって以来経営不振となっていた。彼を窮地に陥れたのは英国秘密情報部だと知り、山村は復讐を誓うが…



・青龍白虎の争闘→1933年発表。桜田名義の「わが武勇伝」というテーマで書かれた実話。伝統的に犬猿の仲な柔道部と野球部。その両主将同士が一騎打ちの喧嘩をしていると子供の泣き声が聞こえてきて…
・哀恋佃桜話 佃島心中→1933年発表。浮世夢平名義。「心中風土記」がテーマの実話。
・幇間(たいこ)の退京→1935年発表。浮世夢介名義。一応カタルシスあるんだけどあんまり…何かしんどい…
・夏宵痴人夢→1935年発表。芸者を嫁に貰えと叔母から強要される文学青年の話。


さくらだ・とくろう(1895-1980)
愛知県生まれ。本名・福井穣(ゆたか)。別名・浮世夢平、浮世夢介。
第一高等学校卒業。東京帝国大学中退。
1933年、『サンデー毎日』に「青龍白虎の争闘」が入選、35年『大衆文芸』に「幇間の退京」が入選して創作のデビュー作となる。37年『モダン日本』に「鉄の処女」が入選し、以降は国際冒険小説を発表していく。
『新青年』編集長だった水谷隼に新人発掘され39年「髑髏笛」が『新青年』に掲載される。以降43年の「落陽の岩窟」まで同誌に短編を発表。43年に生地の塩津村に疎開、44年の「恐怖の水牢」を最後に筆を断つ。
塩津村議会議長、宝飯(ほい)郡町村議会議長、名古屋家庭裁判所調停委員を歴任し、塩津村最後の村長を務めた。1980年死去。
『赤い拇指紋』事件でソーンダイクと再会したジャーヴィスだったが、相変わらず代診医として生活していた。ある夜、就業間際に代診の依頼が入った。医者嫌いで病院へ行く事を拒否する友人を診て欲しいという。ジャーヴィスは窓が鎧戸になった馬車で三十分程の距離にある建物に連れてこられた。蝋燭一本の照明で診察したところ、患者の症状はモルヒネ中毒者のそれと一致しており、患者の友人ヴァイスに告げると睡眠病の可能性はないのかと反論される。ヴァイスの態度や住処を特定されたくないような秘密めいた数々に疑念を抱いたジャーヴィスは、ソーンダイクに相談する事を思い立ち、翌日、早速彼に会いに出掛けたのだった…

→1912年発表。ジャーヴィスは前回で苦い経験しているのにまだ詰めが甘いというか…ソーンダイクにあわせて事件に関しては無口にならねばいかんと思うよ。あと、自分がミステリの登場人物だって自覚するとより良い(メタ)。
それにしても、被害者がめっちゃ良い人そうだからこんな殺されかたホント非道いと思うしやるせない。
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