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[創作篇]
〈はと(蒙に鳥)ノ探偵譚〉
はとのという17歳の少年探偵(のち青年探偵)シリーズ。当時巡査だった伴岡氏から聞いた、という形式で発表された(が、シリーズ後半は出てこなくなってる)
・箪笥の中の囚人(めしうど):突然操作課長を隠退した伴岡氏に聞いた、香西家の箪笥から縛られた男が出てきた事件。
→33年発表。はとのが解決した最初の事件。はとの中三。

・花爆弾:非常防空大演習中に花火師の家で花火が上がり家事になる。導火線が見付かった事から、家主が火災保険目当てに放火したと疑われるが…
→33年発表。同級生・吉村登場。柔道二段。いいキャラしてる。

・空中踊子:広告気球が死体をぶら下げて浮いているのが発見される。前夜、被害者と一緒に居るところを目撃された吉村が容疑者として捕まってしまい…
→34年発表。はとの吉村、名古屋で高校生してる!何で名古屋なんだろ…

・寝顔:兄の教会に寄宿する私の元にはとのが訪れる。教会の門前に置かれた「ねがい箱」に投函された匿名の少女からの手紙にはとのは興味を持ち…
→35年発表。高校を卒業し東京へ戻ったはとのが、手紙だけを手掛かりに少女の身に起きた事やら居場所やらを突き止めてゆくよ。眼もいいし嗅覚も優れているはとの…吉村も伴岡巡査も居ないのが残念><

・双眼鏡(めがね)で聴く
→36年発表。ネタバレが過ぎるタイトル。軍部で起きたスパイ事件。はとのシリーズラスト。最後に吉村か伴岡どちらか出て欲しかったよね。



・第二十九番目の父:大臣官邸や伯爵家等の名士や高官の屋敷の玄関先で「父に会わせてください」と怒鳴る男の記事が出ていたが、この男は私の友人だった。偶然再会した彼は新聞に書かれていたような精神異常者ではなかった…
→32年発表。名士から強請り取った金で暮す計介が自殺した事で、恐喝されていた名士たちによる口封じかと思いきや。

・鮫人(こうじん)の掟:海底を調査していた潜水士が幽霊を見たと言い出す。一笑に付した署員だったが、一緒に潜っていた潜水士が血を流して死んでいた事で騒ぎとなる。検死した竹田医師は殺人と判定したが信じてもらえず、客の堤に相談する…
→32年発表。堤といえば、「探偵開業」にも出てたけど、これは別の人っぽい。寧ろ引越してった方の堤さんかもしれん。知らんけど。

・鍋:たった一枚の五十銭銀貨によって不幸になったという青年の話…
→33年発表。まさに闇鍋…

・樽開かず――謎物語を好みたまふひとびとへ――:樽の家に住む老哲学者が大公に呼ばれて城へ行ったきり戻ってこない。唯一の弟子・ポトムススは賄賂を使って衛兵や見張りの話を聞くと、師は牢に入れられてしまったらしい。植物が育つ土が無く、かつ部外者が絶対に入れない場所に薔薇の花があった謎を解けなかったからだというが、老師に解けぬ謎はないと疑わないポトムススは、何故老師が嘘をついたのかを推理する…
→34年発表。ギリシャ時代が舞台の歴史ミステリ。これ面白い。しかしポトムススは人が良いね…甘いっつうか…悪の大公が口封じしない訳ないじゃん…

・叮寧左門:自殺しようとした男を助けた同心・坂東左門。男はある浪人父娘が「不審あり」として捕まってしまった事を告げる。父娘は、軍資金を集めると言って商家に押し入り生首を見せて金を脅し取る強盗一味の嫌疑をかけられていたのだ…
→34年発表、荒木十三郎名義。思い込みを利用した心理トリックや…

・二十一番街の客
→46年発表、女銭外二名義。日本にも私立探偵いて良いジャン!俺がなってやんよ!というノリで母に金を出させて事務所を借り美人秘書まで雇った詮作君。探偵開業の数日後、ついに初めての客が来る。客を見てホームズばりの身元推理をぶちかまして美人秘書をびっくりさせる話。ユーモアミステリ!

・印度手品:インド滞在中に起きた事。中国人の案内人がもてなそうとするが、私は綺麗な観光地より地元の薄汚い通りの方に惹かれるので、案内人は不満そう。私は、「白昼殺人」という手品を何度も見るが、ある時に見た手品が、本当の殺人事件になってしまい…
→47年発表、女銭外二名義。

[評論・随筆篇]
やけ敬の話――山下利三郎氏へのお答へその他――/大下宇陀児/フレチヤーの大・オップンハイムの強さ/才気過人/支那の探偵小説/近藤勇の刀/大下宇陀児を語る/ポワロ読後/広瀬中佐の前/支那探偵案「仙城奇案」/盲人の蛇に等し/面白い話/探偵小説の面白さと面白くなさ/アンケート
「やけ敬~」は、「赤鱏のはらわた」を読んだ山下から「岡山で同じような話聞いたよ」って言われてその反論(「ぱくりじゃねーし」と)。「フレチヤー~」は森下雨村論。「才気過人」は水谷準論。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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