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[創作篇]
園田教授の事件簿:名古屋Q大医学部の法医学教授・園田郁雄博士を探偵役に据えたシリーズ。親友であり妹の夫である芥川検事の要請を受けて事件の現場検証に赴くスタイル。
・Sの悲劇→1947年発表。太平洋戦争が勃発して間もなく財閥を解体し、堅固な鉄筋コンクリート建の洋館に隠棲した花隈家の当主、聡一郎。彼の愛人である女形役者と、顔と手指をめちゃくちゃに破壊された女性の死体が発見された。女性は妊娠しており、女形役者との浮気現場を目撃して逆上した聡一郎が殺したと考えられたが、聡一郎と女形役者が暮らす母屋には女性が住んでいた痕跡があり…早い段階で聡一郎が女性仮性半陰陽であった事が園田教授によって示唆されるのだが、銃声が聞こえて人々が現場に駆け付けてんだから被害者の身元判らんくする細工をする暇がないので聡一郎犯人説は最初から破綻しているのでは…?それと、そこら中刑事がいる筈なのに殿木が盗み聞き出来たなんて…刑事仕事しろ。ただ、犯人のどんでん返しは良かったと思う。
・二重殺人事件→1948年発表。染料研究の大家である一柳博士が自宅の研究室で刺殺された。死体の発見者である研究助手の脇田の部屋から血塗れの実験着が見つかり…「Sの悲劇」に登場した鹿村警部が警視に昇格しとる。(以下ネタバレ反転)作品集としてまとめられてしまうと、ドウにも「きょうだい・いとこ超似てる」話が続いているのが気になるな…しかも結局やっぱり加害者被害者入れ替わりトリックってのはナァ…あと、園田教授しか知らないネタを推理解説の時に出してくるのはイクナイ。死亡診断書書いた本人だなんて、最初から容疑者判ってんジャン!!(反転終わり)
・貝殻島殺人事件→1948年発表。エロ親爺が殺される話。以上!読者への挑戦付きショートショート。
・蘭園殺人事件→1948年発表。蘭の栽培と蒐集する野呂伯爵が所有する蘭温室で殺害された蘭栽培家の盤田。野呂家の顧問弁護士である奈良の招請を受けて現場へ向かった園田教授。咽喉を切られた被害者の左手には蘭の花が握りしめられていた…人物描写で犯人が判ってしまう…読者をミスリードさせようとしてそれが逆効果になっている感じ。一端犯人ではない人物(=真犯人が濡れ衣を着せたい相手)を犯人と指摘するような流れになり、疑われた人物に「俺はやってない」発言させてからの教授による真犯人の指摘、とゆうパタンが多いな。
・青鬚の密室→1948年発表。射殺された赤間院長。だが、目撃者は院長が院長室に入り看護婦が死体を発見する間に誰も出入りしなかったと証言し…被害者射殺され過ぎ問題。殺害方法が違えばばれなかったかも知れんな…
・火山観測所殺人事件→1948年発表。浅間火山観測所所長の庶木博士が射殺された。警察は博士の死体が発見された前夜、博士を呼び出した電話の相手を突き止めたが、その男も博士を撃った猟銃で殺害されていた…『ロック』の懸賞探偵小説に投じ次点入選した作品。また射殺か…
・青酸加里殺人事件→1948年発表。タイトルに反して冒頭の被害者は射殺(またか)で「???」となった。園田教授の検死によって青酸加里による中毒死であると判明する。てゆうか個人の作品集だから「そっくりさん」「双子」が出て来た時点で「また入れ替わりかよ~~~~」と思ってしまうのはモウ生理現象なので仕方ない…
・神の死骸→1949年発表。癌腫研究所所長の青池博士が変死し、園田教授は芥川検事と現場へ向かった。研究所からラジウムが紛失しており、単純な強盗殺人事件だと思われたが…飛鳥高「犯罪の場」を思い出した。
・青鬚の密室(改稿版)→1950年発表。冒頭に青鬚の説明が追加されたりちょこちょこ加筆と修正がなされている。
・毒の家族→1975年発表。「青酸加里殺人事件」のリメイク。園田教授が尼子富士郎博士に変更され、園田シリーズでほぼ存在感がなかった書き手の「私(「Sの悲劇」に登場の助手)」が伊能理一という名の助手として登場。双子の入れ替わりは健在。ここ一番なんとかする箇所でしょ!



・新版「女の一生」→1933年発表。山本源一郎名義。情婦を殺したヒモ男の裁判の様子が書かれた犯罪実話(らしい)。
・女郎蜘蛛→1948年発表。特ダネを掲載し、金一封を送られた新聞記者の元に一人の女性が現れた。彼女は、記者が犯人の名を報じた殺人事件の真犯人は自分だと言うが…
・兇状仁義――次郎長捕物聞書之内――→1949年発表。清水一家の元に寄宿する兇状持の旅人が殺害された。夜中に見廻りをした石松の証言で午前二時から午前七時の間に殺されたようだが、現場の離家にいたのは半身不随の老人だけで、目敏い兇状持を殺せるとは思われない。死体を調べた次郎長は、下手人が客の中にいると言うが…次郎長と石松のやりとりが銭形平次と八五郎のパロディみたい。
・消えた裸女→1949年発表。裸婦を描く中堅画家の元を訪れた新聞記者は、画家の死体と未完成の裸体画を発見する。死因は心臓麻痺であったが、モデルがいない事を疑問に思った記者は夜中に一人現場を捜索していると、いつの間にか絵のモデルが現れ…
・肉体の魔術師→1949年発表。公園のベンチに寝ていて保護された女性は、二十三歳だと言うが、どう見ても老婆の姿で…
・幽霊夫人→最近結婚した佐奈田の妻が「幽霊夫人」と呼ばれる理由は…
・淫妖鬼→1949年発表。バークリー『毒入りチョコレート事件』のモデルにもなったハーバード・R・アームストロングによる毒殺事件の犯罪実話。
・南海の女海賊→初出年不詳。実在した男装の女海賊メリイ・リードの話。

[評論・随筆篇]
喰ふか喰はれるか/春閑毒舌録(はるのどか・きままのよせがき) 青地流介/青地流介へ/探偵小説の浄化――厳正なる立場よりの批判/海野十三私観/探偵味雑感/創刊号を斬る/故海野先制を悼む/乱歩文学の評価/わが探偵小説文壇/横溝先生に会わざるの弁
青地流介は平塚白銀の別名。


みずかみ・げんいちろう(1916-2001)
東京都生まれ。本名・細合(ほそあい)源一(旧制・山本)。別名・山本源一郎、栗栖二郎。
早稲田大学在学中から「探偵趣味の会」に参加し、甲賀三郎、小栗虫太郎、海野十三、木々高太郎と知り合う。
1937年都新入社。42年海軍報道班員として従軍、その際小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』を携帯したという。46年帰国し結婚。細合と改姓する。
47年、園田教授を探偵役とするシリーズ第一作「Sの悲劇」が『ぷろふいる』に掲載されデビュー。50年「青鬚の密室」の改稿版を発表後、新聞界に復帰し多忙となった為小説の筆を断つ。
75年『幻影城』に「青鬚の密室」が再録されたのを機に、エッセイや中編「毒の家族」を発表したが、同誌の廃刊と共に再び沈黙した。
2001年死去。晩年は摩崖仏、石窟美術像に興味を抱き、毎年のようにインドや中国、東南アジアを旅していたという。
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