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誘拐者
私立探偵・春日と渡辺助手シリーズ第一作。
議員の次男との婚約を控えた娘が誘拐され、捜査を依頼された春日だが、脅迫状の消印の場所を捜査しない春日に依頼者は怒りを爆発させ、渡辺がはらはらする話。
原稿の枚数制限の為だろうが、春日が超人的な観察力で真相を見破ります。

詩人の愛
春日・渡辺シリーズ第二作。
米国で成功した男の娘が突然婚約破棄された。相手の流行詩人は何故急に婚約解消したのか。

頭の悪い男
小学校教師・吉塚亮吉シリーズ第一作。原題は「大詐欺師」。
知らない男に町で声を掛けられた亮吉が「こいつは先日起きた詐欺事件の犯人ではないか…?」と疑い逃げ出すが、いつの間にかポケットの中に十円札五枚が入っていて恐怖に駆られたり誘惑に負けそうになる話。
亮吉の心理描写が良い。タイトルも効いてるとオモウ。
乱歩に「あなどりがたし」と言わせた作品。

君子の眼
真逆の鼠視点。漱石の『我輩は猫である』的な描写と、殺人を目撃してしまった鼠の人間に対するアイロニーが良い。

小野さん
何をやっても長続きしない小野さんが、巡査の試験に合格した。うまい事昇進してゆくゆくは知事になってやろうと野望を抱く小野さん。
しかし平和な交番勤務によって次第に野望が遠のく小野さん。それでも私服刑事になる夢は諦めきれず、非番にも巡回する野心家の小野さん。
やっと事件に遭遇し、犯人を尾行する小野さん。
果たして小野さんは手柄を立てる事が出来るのか??

夜の呪
春日・渡辺シリーズ第三作。
あれ、渡辺出てたっけ…??

ある哲学者の死
佐村むかつく。

裏口から
リストラされた男が、裏口の開いている家を見付けて盗みを働こうと忍び込む。しかしその家の子どもに見つかり遊び相手になるようせがまれてしまう。
瀬下さんの「幇助者」や妹尾さんの「アヴェ・マリア」を彷彿とさせる話だけど、何というか彼らの作品ほど悲壮感を感じない分感動が薄い気がする。
あとはこのラスト、読む人によっては宗教的な導きで悪に染まらず済んだと見做すか、お布施で良い暮らししとる宗教なんて詐欺だと思うかに分かれると思った。
私はひねくれているから勿論後者である。

温故想題
夫から渡されたがま口の中に入っていた十円札で四円五銭の蚊帳を購入した妻。実はその十円札は贋金だった事を知り慌てるが、悪気があって渡したわけでもなく、また、良く確認しなかった商人も悪い、という事で早速蚊帳を吊って寝ようとするが…

第一義
亮吉は地元の有力者の息子を叱り、反感を買ったため教職を辞職する。車に轢かれそうになった子どもを助けた後、小学校に忍び込み校長を殺害する。事件の発覚を恐れた亮吉は小学校に火をつけ証拠隠滅を図るが…
オチは途中で気付いちゃうけど、最後はちょっと良い話。亮吉が良い先生に見えるマジック。

藻くづ
知らぬが仏。

模人
つまり自分そっくりのアンドロイド。SFですな。

正体
不快感くるよ、利三郎の実体験を基にしたものらしい。

規則違反
タクシーの話。免許持ってないからか、ちょっと意味が判らなかった。

流転
冤罪で服役していた男の話を聞いた新聞記者。後日、身に覚えのない小包が届くが…

素晴しや亮吉
事故以来、禁酒している亮吉。代わりにミステリ中毒に陥ってしまっていた。そんな亮吉の名推理!

愚者の罪
再婚相手が死に、連れ子も病気で亡くしてしまった男。葬式をする金のない彼は子どもの死体を汽車に遺棄することで弔おうとするが、ずっと尾行している刑事らしき男から逃れようとするが…
人間不信に陥ってしまっていた男の、哀しい話。

仔猫と余六
今も昔も年の差婚は犯罪ネタに尽きないようで。
若い妻と間男が毒を呷って死んだ事件の真相を語る老師。
この話ケッコウ好きよ。

虎狼の街
タイトルめっちゃハードボイルドだけどユーモア作品。
凄腕ドクトル・佐山の治療術。

亮吉何をする!
前作の冴えている亮吉とは真逆の話。
いつだって損をするのは貧乏人なんだ。

朱色の祭壇
冒頭、船の遭難話が挿入されていて、海の上の話かと思ったら村での話に飛んでドウしようかと思った。
けど、最後はちゃんと繋がってて良かった。
利三郎の体調不良によりオチの駆け足感は否めない。

地球滅亡前
人類が滅亡する前に火星に移住するべきだ、我々の世代で無理でも子孫の為に早急に対策を取らなければならないと訴える男。
ついに病院に送り込まれた男は…

やました・りさぶろう(1892-1952)
四国生まれ。本名は平八郎。別名に山下平八郎
幼い頃に一家で京都に移り、叔父の家を継いで山下姓となる(旧姓は不明)。
『新趣味』の懸賞に応募し、1922年12月号に「誘拐者」が当選・掲載される。
1933年、筆名を山下平八郎に改名。作品を発表するが、若い世代の作家からは「時代遅れの作家」とみなされる。
また、軍国主義的風潮の高まりから探偵小説を発表する事が困難となった為、探偵小説の執筆から遠ざかる。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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