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樽に詰められた女性の死体が見つかる事しか覚えていなかったので再読。
第一部ロンドンでは樽の行方をヤードの刑事が追い、ようやっと見つかったと思ったら中から金貨と一緒に女性の死体が発見される。樽の受取人である画家の男はショックで倒れる。犯人を追って刑事はパリへ渡航する。
第二部パリ。パリ警視庁の刑事と共に被害者の身元を突きとめ、被害者はどの段階で樽に詰められたかを追う。画家の元に送られた死体入りの樽・被害者の夫が注文した彫刻が入っていた樽・更にその彫刻の姉妹品が詰められた樽のみっつの樽が発見され、被害者と画家の過去の恋愛関係も明らかになり画家が犯人であるという状況証拠が次々と発見され、ついに画家は逮捕される。
第三部ロンドンとパリでは画家の弁護士に依頼された英仏混血の探偵が「画家は無実」という捜査方針を軸に地道な捜査の末、真相を発見するが・・・

このミステリにはホームズやEQ、明智小五郎や神津恭介のような天才型の探偵は出てこない。松本清張の『点と線』みたいな刑事の地道な捜査で、探偵と読者が一緒のラインで犯罪検証をしていくタイプの話です。発表当時はホームズ系が主流だったのでセンセーショナルだったみたい。
クロフツは元々鉄道関係の技術者で、ヴァン・ダインみたく大病を患い療養中の気晴らしにこの『樽』を書いたらしい。ヴァンは2,000冊のミステリを読んで「俺でも書けんじゃね??」で作家になったが、彼は最初発表する気はなかったらしく、回復後も技術者として働き続け、なんとなく読み返したらなかなか良いんじゃね??てなかんじで出版社に出してみたら当時最大手の出版社から出してもらって印税生活まっしぐらとなったらしい。40歳で樽を書いて、その後10年作家と技術者生活してたらしいけど健康を害ったので本業を作家にして執筆に精を出してたみたいです。70過ぎても長編書いて短編も書いての達者振り。健康を害ってたのが嘘のようだ。人生ってなにが幸いするか判らんものだ。
で、本編は「被害者の元婚約者の画家か、被害者の夫、どちらが犯人か」という話。画家には不利な証拠が満載だが、彼を知る全ての人達(被害者宅の執事でさえも!)が「彼がそんな恐ろしい事をする筈がない」と言うし、かといって夫の方には完璧なアリバイもあり、動機も薄い。
トリック自体は簡単なもので、何故気付かない警察官!と思ったり。
真相を突きとめた後の展開があっれこんなだっけー?であった。覚えて無さ過ぎ。犯人の逃げ方が怪人20面相を彷彿とさせるぜ。
オチはやっぱり自殺かーだったけど、もうひとりの被害者の結末が簡潔にハッピィエンドに書かれててわりかし好きな終わり方だった。
なのになんで覚えてないんだ、10年も経つと記憶がどんどんなくなってゆく。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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