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ワイエスの絵を初めて見たのは、2009年のワイエス展
それまで全然知らなかったと思っていたけど、後日再読した島田さんの本にワイエスの名前あったんだよね…石岡さんが好きな画家として名前挙げていた。
その時はアメリカの画家とか興味なかったから「ふーんへー」とスルーしていた…あの頃の私をぶん殴りたい。

で、ワイエスの事殆ど知らなかったから(ワイエス展時の記事も結構いい加減な事書いてるしだし)借りてしまった研究書。
今まで、作品を何も考えずにぼへーっと見てただけだけど、こうゆう深いとこまで考えたもの読むと見方が変わって面白いですね。
股関節の障がいで小学校に行かず家庭教師に見てもらっていたとか、有名イラストレーターのお父さんと甥っ子を踏切事故で突然失ってしまったりとか(このくだりは、当然のように私に渡辺温を思い出させた)、絵を買ってくれた人の知り合いに面識もないのに会いに行ってその娘さんと結婚しちゃったりとか…すごいな。

何故日本人はワイエスの絵を好きなのかとか、ワイエスの描く海の話、光と影、「死」のテーマと「生」のテーマなどについて研究されてます。
15年間、誰にもばれずに描き続けた「ヘルガシリーズ」という存在を初めて知った!
ワイエスがインフルエンザに罹らなかったら世に出る事はなかったかも知れない…
とはいえ、「散逸させないこと」を条件に、「ヘルガシリーズ」の全て(250点以上)と習作をひとまとめにしてある人に売ったけど、結局散逸してしまって、今は一部の作品しか見られない状態という…だれかがかくしもっている!のだ!
このへんもミステリアスでワイエスの作品群に付加価値を与えているような気がする。

終章に取り上げられていた「雪の丘」という作品の解説に泣いた…

ところで、私が個人的に「ふお!」と思ったのは本文中に澁澤龍彦の名前が有った事。
私、澁澤さんはミステリ作家…とまではいかなくても、新青年とか宝石に関わってる人だと思っていたので、よもや美術評論を書いていようとは思っていなくて…衝撃を受けた。





※「ヘルガシリーズ」の一枚に触発されて、光と影を使って室内と窓を表現するのを真似してみたけど、なんかホラーになったってゆう。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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