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[創作篇]
・第三の証拠→1931年発表。(以下ネタバレ反転)女を殺した男が、列車で出会った男によって他の殺人の犯人にされてしまう話。追い詰められた犯罪者の心理描写がイイ。(反転終わり)
・財布→1931年発表。財布を落としてガッカリする男の妄想と現実。
・三角の誘惑→1931年発表。エロ話(らしい)。
・或る日の忠直卿→1931年発表。若殿様、下町娘に手玉に取られるの段。
・LOVE→(以下ネタバレ反転)でばがめ(反転終わり)
・目撃者/金策にしくじり空しく帰路についた私は列車内で友人の牧と出会った。牧は母が死に、仕事を辞めさせられ自殺を考えているという。牧の鞄の中に大金が入っているのを見てしまった私は、牧を自殺に見せかけて殺そうと考え…
→1933年発表。で、うまく牧を列車から突き落とし金を手に入れたけど、その犯行を見ていた者から脅迫され…という話。とんでもないオチではあるけど、マァ面白い。
・隣室の殺人/無断欠勤常習者のるみ子と一夜を過ごしてしまった阿部。翌日、会社を欠勤した阿部だったが、るみ子と泊まったアパートの隣室で殺人事件が起きていて…
→1933年発表。???猟奇趣味??
・或る待合での事件→1933年発表。賭博疑惑のある待合での出来事。とんでもないオチだよ。
・出世殺人/関西オペラ学校の機関雑誌編輯主幹である春木は、同級生で新聞記者の祖国や、新進監督の奈迦(なか)が出世していくのを羨んでいた。特派員として三原山に派遣された祖国は、スクープをとる為に若い記者を噴火口から転落させ殺してしまう。奈迦の映画の主人公を務める元関西オペラ学校の女優が、祖国に殺された記者の妹である事を知った彼は、映画のシナリオ通り撮影中に彼女が自殺すれば自分の知名度が更に上がると考え、小道具の小瓶を毒入りのものにすり替える。一方、春木は関西オペラ学校のレビューガール達がストライキを起こした責任を取らされ頸首にされてしまう。学校長を恨んだ春木は彼を殺そうとするが…
→1934年発表。理不尽…コール夫妻の『百万長者の死』程ではないが、読後感良くないな…
・三つの炎/幾多の人から狡猾な手段で金銭を巻き上げ財を成した国見戦太郎は、誰かに殺害されるのではという脅迫観念を感じ始めていた。そこへ「A一号」と名乗る者から復讐の日が迫っているという脅迫状が届いた。高熱で寝込んだ国見は、寝室に鍵をかけ、必要な時以外妻すらも室内に入れないようにした。だが、夜になると室内に火の玉が現れるようになり…
→1934年発表。『ぷろふいる』同人によって書き継がれた連作の第四話。ある時は名探偵、ある時は犯罪者として活躍する「A一号」を主役としている。
・幻のメリーゴーラウンド/このアパートに住んで二ケ月経つが、隣人の男を見た事がない私。男の妻を見かけなくなったある日、武庫川の広場にあるメリーゴーラウンドを見つめる男――旧友の信夫(しのぶ)と再会した。信夫は画家で、エゴン・シウィエーレの画風を好む男だった…
→1934年発表。なんか幻想的な終わり方…
・相沢氏の不思議な宿望工作→1935年発表。とんでもねェ親爺だな…
・南の幻→1935年発表。エエエーーー…結局何だったんだよおお!!!
・ムガチの聖像/省三は、先の戦争で父の仇の息子である光平を殺害した。松平老中佐の邸宅で庭師の仕事をして三日目、今日も邸宅の二階の雨戸が細く開いて蒼褪めた女の顔が覗いた。その顔は、光平によく似た妹のようであったが、彼女は昨年病死した筈だった…
→1936年発表。つらい…
・吸血鬼→1936年発表。ショートショート。
・退院した二人の癲狂患者/癲狂院に入院させられている弁護士の諸星一学は、同じく入院患者で易学者の阿比秋宮に真夜中の病室に忍び込まれ、何故美穂子を殺したがっているのか問われた。美穂子は諸星の妻の名前だが、秋宮にそれを教えた事はなく、妻に対して殺意を持っている事も知られている筈がなかった。その後諸星は退院したが、一年後、秋宮が諸星を訪ねてきて妻殺しの手助けをしようと言い出した…
→1936年発表。ドグラ・マグラみ…

[評論・随筆篇]
硝子越しの脚/支那街風景――Mucden and Antung――/ポーの怪奇物語二三/夢の分析/雑草庭園/探偵小説は大衆文芸か/四谷怪談の話/読後感少々/寄せ書き

とだ・たつみ(1906-1992)
兵庫県生まれ。本名・大阪善次。
私立育英商業学校(現・育英高等学校商業科)卒業。三越百貨店の神戸支店勤務の傍ら同人誌活動に従事。
1931年から『猟奇』にエッセイや創作を発表。同年『新青年』に「第三の証拠」が掲載される。33年、『ぷろふいる』に参加。戦後は『真珠』や『ロック』などに作品を掲載。
74年同人仲間と『少年』を創刊する。92年死去。
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[創作篇]
・紅い頸巻(マフラー)/ここに述べようとする物語は、今年の正月に起きた「狼峠の惨劇」として報じられた、元公爵・中御門家に属する三人の男女が互いに殺し殺されたという殺人事件の真相である。私はこの事件の為に命を失わねばならなかった中御門紅子の遺言によって7事件の真相を発表する事にしたのだ――彼女が、被害者にさえ「殺された」と気附かれないような方法で命を狙われていると気附いたのは昨年六月の事だった…
→1950年発表。作中でヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』について、アンフェアだと指摘している。確かにアレがアレだったって事を後出しされたらフェアじゃないよなァ…私は何も考えてなかったから読み流した気がする…モウ十年以上前の事だから読後感も覚えていない…(とんでもねえな、と思ったので犯人と動機は覚えている)


鯱先生物盗り帳
 クレオパトラの眼/不可能犯罪/密室の殺人/光頭連盟/生不動(いきふどう)ズボン/羅生門の鬼/雪達磨と殺人/死の脅迫状/犯罪の足跡/獺(かわうそ)の女
→1950~55年にかけて発表された、和製ルパン物の「鯱先生」シリーズ。長身でハンサムな三十代半ばの義賊「鯱先生」。時には自分の名を騙る偽物が犯した犯罪や、窮地に陥った美女を救う為に探偵となり事件を解決する。口調や弟子である「山猫」の存在によって、ルパンというより銭形平次っぽい。



・天の邪鬼→1949年発表。デビュー作のユーモア小説。
・地獄の一瞥/私が大学生の頃に鳴沢の風穴で起きた殺人事件――一人の美しい少女をめぐって、私の友人が殺された事件の話…
→1950年発表。(以下ネタバレ反転)瀕死のふり!!何故誰も気付かない?!名役者か!そして自殺する前に結構悠長に手記を残す…犯罪犯すより小説家になれば良かったのに…あと、「私」は富士子と結婚しましたってオチ、すごくありきたり過ぎてつまらない作品になってしまったと思う。私の嗜好の問題かも知らんが。(反転終わり)
・獺峠の殺人→1950年発表。一人の美しい少女をめぐって以下略。

+++++

おかだ・しゃちひこ(1907-1993)
東京都生まれ。本名・藤吉。
東京帝国大学国文科卒。名古屋陸軍幼年学校教官を経て東京学芸大学教授に就任。定年後は聖徳学園短期大学教授を務める。
1949年「天の邪鬼」が懸賞に当選してデビュー。50年『薫大将と匂の宮』発表。62年創作が途絶えるが、73年に活動を再開。76年再び沈黙。
93年死去。
[創作篇]
郷警部の事件簿:日本唯一の植民地都市・D市を舞台に、郷英夫警部の活躍を描いたシリーズ。
・十三号室の殺人/サマーリゾート地にあるクイーンホテルにやってきた外国人の訳ありカップル――音楽家のドイツ人フリッツと、美しく社交的なギリシャ人マリヤ――は、隣り合った別々の部屋に泊まることになった。二人の関係を噂する客達にアメリカ人新聞記者のウィリアムが「マリヤは精神病者だ」と言い出す。人々は彼の言葉に反感を持ったが、フリッツがマリヤに大金を与えた後、彼女は別人のように陰鬱になってしまった。翌日にはまた陽気なマリヤに戻ったが、午後には無気力になり室内にこもってしまった。こうした二つの性格が半日ぐらいずつ交代するマリヤを見て人々は彼女が二重人格だと噂した。二人がホテルに現れて十三日目、マリヤは室内で射殺され…
→1930年発表。主要人物以外、「A」「B君」「S検事」という表記なので犯人はバレバレ。もっと配慮すれば良いのにと思うが、大庭は「犯人当て」には焦点を当てていなかったのかな??寧ろ犯行は覚えてないけど自分がやったと思っていて、動機も充分なフリッツの容疑をいかに晴らすのか、また、思いがけず“密室”状態となった現場から犯人がどうやって立ち去ったのか。それが蜘蛛の糸によって解決される展開がすごい。蜘蛛の巣による密室!カーも吃驚だね。
・競馬会前夜――郷警部手記の探偵記録――
→1930年発表。ドイルの「白銀号事件」みたいな話。こちらは馬殺されちゃうけど…犯人は嫌な奴だけど、娘も更に嫌な奴だね。ここでは証拠不十分でお咎めなしっぽいけどフツーに隠匿罪だよお。
・ポプラ荘の事件/ドイツ人ゲルハルト博士宅・通称「ポプラ荘」で博士が殺害された。現場にはガスが充満していたといい、隣のサンルームの窓ガラスが外され、バルコニーには新しい吸い殻が三本落ちていた…
→1931年発表。(以下ネタバレ反転)「ソア橋」に挑んだ作品(反転終わり)。
・牧師服の男/宝石蒐集家の老男爵の元へやって来た牧師。牧師は、老男爵の亡くなった弟と共有していた宝石の半分を、弟の遺言により受け取りに来たのだった。しかし牧師は半分ではなく全てを渡せと迫り、老男爵は自殺してしまう。その死に疑問を持った郷警部は捜査を進める…
→1932年発表。結構複雑で際どい動きをしているな…
・海浜荘(シーサイド・ヴィラ)の惨劇/海浜荘に住む英国人がテラスで射殺された。死体から流れた血溜を踏んで扉の方へ向かう女の靴跡、被害者が自らの血で書き残した「LiL」の文字、テラスから降りた場所にある浮桟橋でボートのエンジンを修理していた被害者の弟、被害者と言い争いをしていた甥と娘が犯行可能な場所にいたのだが…
→1933年発表。人間心理に重きを置いた作品として読めた(トリックはイマイチ判らんかったので…付け焼刃であんなに上手くいくものだろうか??)。兄によって抑圧されたり搾取されたりした人生の終わりがあんなだったヘンリイかわいそうすぎる…死ななくても良かったんじゃね??と思ったり。



・旅客機事件/二名の客を乗せて出発する池内操縦士と三枝機関士。乗客がどんな人か池内が尋ねると、三枝の様子がおかしい。三枝は、H飛行場に着くまでに航空路の各地点を観察して欲しいと告げる。ところが飛行中、乗客の一人が殺害され、もう一人は行方不明になってしまった…
→1931年発表のノンシリーズ。犯人は行方不明になった乗客か、被害者に恨みを持つ三枝か…三枝の無実を信じる池内が事件に挑む。三枝の謎めいた頼み事の真相が何とも言えないほのぼのした気持ちにさせられ読後感が良かった。


おおば・たけとし(1904-1945)
静岡県生まれ。
七歳の時、父と共に満州へ渡る。中学卒業後、早稲田大学第二高等学院文学科に入学し、早稲田大学文学部英文科進学。卒業後は大連に戻り結婚、満州鉄道に勤務。
1928~29年頃、『大連新聞』に「青春」が連載される。30年、「十三号室の殺人」が『新青年』の懸賞募集に入選する。
45年応召し、同年戦死。
深夜に急病人を診て欲しいと依頼を受けたストレンジウェイズ医師。患者の女性は何者かに首を絞められたようだがそれを隠そうとする。部屋の扉の掛け金は壊されており、ばち指を持つ灰色の髪の男が一緒に居た。疑惑を残したままストレンジウェルズは屋敷を後にした。それから一年以上経過した頃、ストレンジウェルズの引っ越した先で彼女と再会する。彼女――アンジェリーナ・フルード夫人は彼の患者となったが、突然失踪してしまった…遺体が発見されないまま、彼女の遺品が次々と見つかり…


死体なき事件。遺品が小出しに発見されついに遺体も発見されるが…フローマンは当時信じられていた事を真の科学とはこうであると知らしめる為に小説書いてるところあるね、デビュー作も指紋信仰(?)に待ったをかける為に書かれた訳だし。
事件の方は、もう、登場人物みんな良い人ばかりで(アル中ヤク中の男は除く)誰も犯人になって欲しくない!そんなのいやだ!と思い乍ら読んだ。最後ハッピーエンドでほんと良かった…
ただ、作中に誤字が物凄く多いのが駄目。こんなに多いの他では読んだ事ない。これは、ほんと、校閲ちゃんとしろ案件。ほんと酷いよ、身長が慎重になってたり無帽は無謀になってて相手は空いてって…極めつけは、「一直線に眉を轢く」だぜ…オイオイ、轢死死体は登場してないぜ…
キングスクレッセットの当主サー・オーガスティン・テンプラーの屋敷に、その息子マシューと妻のヘレン、二人の子どもであるペトロネルとトム、オーガスティンの甥モンタギューとフェリックスが集まった。ある日、フェリックスが夜中に物音で目覚め、様子を見に行くと黒ずくめの男が図書室に忍び込んで書類を読んでいた。男は逃げたが、その後オーガスティンの命の恩人である植物学者が事故死した。六週間後、次期当主となるマシューが頭を撃たれ死亡した…

1923年発表。「類例のない傑作」と評されていたのでほーどれどれって読んでみた。
結論は、面白いっちゃ面白いけど、類例ないか?というのが正直なところ。
フェリックスが神父なので、随所で宗教的な事を言ってるし、オーガスティンはメナンドロスとゆうギリシャの喜劇作家の本の引用を用いまくりで、人によっては読み難いと思う。でもマァ私はシェークスピア引用しまくりのイネスで鍛えてるからそれ程苦ではなかった。犯行の直接的な描写はないし、関係者同士の会話(宗教についてとか継承される階級についてとか)が大半を占めるので、殺人描写がなきゃ厭だ!という人じゃなければ読んでみて欲しい。面白いから。
以下ネタバレ感想


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