よどり と読む。
ルヴェルは19世紀フランスの短編作家。本職は医師。
医者として、様々な患者と関わった経験を元に書かれたのが、このコント(=短編)。
当時は「フランスのポー」と評判だったが、50歳で死去。現在は忘れられた作家となる。
で、ルヴェルをいち早く日本に紹介したのが田中早苗。
旧漢字や旧仮名を修正してあるのも多少あると思うけど、今読んでも全然古い感じはしないです、訳が大変上手いと思います。翻訳にありがちな日本語の不自然さがない(クイーンとかと比べてみれ!歴然です)
恐怖あり、悲壮感あり、情味あり…
夢野久作や小酒井不木、乱歩が好んだ作家だったのも頷ける!という感じです。
以下、あらすじだの感想だの、長くなったので畳んでおきます。
巻末には田中早苗、小酒井不木、甲賀三郎、江戸川乱歩、夢野久作のルヴェル、または田中早苗についての話が収録されています。
なかなか読み応えのある作品集でした。
て、これ書いている間に日付が変わってしまった。
ルヴェルは19世紀フランスの短編作家。本職は医師。
医者として、様々な患者と関わった経験を元に書かれたのが、このコント(=短編)。
当時は「フランスのポー」と評判だったが、50歳で死去。現在は忘れられた作家となる。
で、ルヴェルをいち早く日本に紹介したのが田中早苗。
旧漢字や旧仮名を修正してあるのも多少あると思うけど、今読んでも全然古い感じはしないです、訳が大変上手いと思います。翻訳にありがちな日本語の不自然さがない(クイーンとかと比べてみれ!歴然です)
恐怖あり、悲壮感あり、情味あり…
夢野久作や小酒井不木、乱歩が好んだ作家だったのも頷ける!という感じです。
以下、あらすじだの感想だの、長くなったので畳んでおきます。
巻末には田中早苗、小酒井不木、甲賀三郎、江戸川乱歩、夢野久作のルヴェル、または田中早苗についての話が収録されています。
なかなか読み応えのある作品集でした。
て、これ書いている間に日付が変わってしまった。
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日本の探偵小説の父江戸川乱歩と、愛知県蟹江町出身の生理学者で医学博士・俳人でもある小酒井不木との往復書簡集。DVD付。
始まりは、大正12年7月。
乱歩(当時29歳)がデビュー作「二銭銅貨」の批評を不木(当時33歳)に依頼する手紙を送った事から。
当時乱歩は様々な職業を転々としながら探偵趣味の短編を執筆していた。
不木は医学界での大御所。更には俳句の世界でも有名、文壇でもSF作家として大先生であった。という。
乱歩の才能を見抜いた不木は、どんどん小説を書く事を推奨する。
作家としてやっていけるかと悩む乱歩の後押しをしたのも不木だし、東京で生活するのは作家としてプラスになる、と背中を押したのも不木。
不木は、探偵小説家・江戸川乱歩の生みの親でもあるのだ。
なんでこの本を借りたかと言うと、二人が本名でやりとりしてるのが面白かったから。
(乱歩は平井太郎、不木は小酒井光次)
読み進めていくうちに(途中で解説とか論考を読んじゃったので)涙腺ゆるむゆるむ。
う、う、う、…乱歩のばか!もっと不木を構ってやってよ!
不木から乱歩へ宛てた手紙と葉書は120通収録、乱歩から不木宛は33通。
この差!!!
乱歩宛の手紙は、乱歩の自分蒐集癖も相まって割と揃っているようだけど、不木宛は何通か散逸しているらしい。
うーん、乱歩は他人宛の書簡も自分でとっておく用に複写していたらしいから、不木邸になくても立教大学の旧乱歩邸を家捜しすれば出てくるのかも。多分何十年もかかる仕事だろうな。
書簡のやりとりは大正14年をピークに、病気で名古屋から滅多に出られない不木が再三乱歩を名古屋に来させようと画策するも、それをやや面倒に思っていた乱歩がのらりくらりと交わして激減。
乱歩が不木と疎遠になってゆくのは、自身のスランプがあったり、不木の過剰なまでの乱歩への傾倒、それを快く思わぬ名古屋在住の国枝史郎との確執など、諸々の原因があったよう。
昭和4年3月30日、不木は乱歩に最後の葉書を送り、二日後の4月1日死去。四月馬鹿であり、突然の事でもあったので皆なかなか信じなかったという。38歳であった。
不木は結核を患っていたのだが、死因は急性肺炎。横溝正史曰く、正史の弟が不木を見舞った際、中村進治郎が付いていった。中村は美男子で、人を惹きつける力が相当あったらしく、すっかり中村を気に入った不木は駅まで二人を見送りに出た。その時風邪をひき、それが原因で肺炎になった、との事。
因みに中村進治郎は俳優。ある女性と心中したのだがうっかり生き延び、相手は死亡。それ故謀殺ではないかと拘留される。釈放されたが1年後に自殺。
彼に関わって亡くなった人は心中相手を含めて三人ほどいるので、正史は中村が不木を殺した犯人、とみなしていたのだという。呪われた美青年、てやつだと信じてたようです。
書きたい事はイッパイあるけど、ありすぎて何を書こうとしてたのか忘れる。
取り敢えずこれは書いときます、「屋根裏の散歩者」。
自称ミステリおたくとゆってる私ですが、乱歩は大学の講義で必要だったので読んだのが初めてでして、「人間椅子」「二銭銅貨」「心理試験」「パノラマ島奇談」「押絵と旅する男」「芋虫」あたりが収録された角川ホラーの短編集だったと思う、それと「D坂の殺人事件」を教本にした講義でした。
その時は小説より先に、陣内孝則さんが明智を演じたテレビドラマを見ていたので、原作とドラマのギャップ(しかもD坂は金田一みたいな書生風明智である)に戸惑った為、他の作品を読む気にならなかったのだけど。あと、藤井隆が明智小五郎の孫役で主演してた「乱歩R」というドラマも放送されてた。なつかしー。
閑話休題。
往復書簡で、乱歩の父が喉頭癌の為、口をあけて眠る姿を見て屋根裏執筆の着想を得たのではないか、という解説がある。
父親の回復を望みながら小説内では一種の「父親殺し」を行った、とも受け取れる。と書かれている。
ななななるほどどーー!そうゆう読み方もあるんだね!
と思ったの。心理学専攻してて、当時は全然そんな事思わなかった。なんの為の大学だったんだと落ち込んだ。
うーむ、金田一の聖地・岡田町にばかり気を取られていたけど、灯台下暗し。
こんなに近くに探偵小説をポピュラにする為に尽力した御仁がおられたとは。
まずは不木巡礼の旅に出ねばならぬ。
いざ行かん蟹江町!
始まりは、大正12年7月。
乱歩(当時29歳)がデビュー作「二銭銅貨」の批評を不木(当時33歳)に依頼する手紙を送った事から。
当時乱歩は様々な職業を転々としながら探偵趣味の短編を執筆していた。
不木は医学界での大御所。更には俳句の世界でも有名、文壇でもSF作家として大先生であった。という。
乱歩の才能を見抜いた不木は、どんどん小説を書く事を推奨する。
作家としてやっていけるかと悩む乱歩の後押しをしたのも不木だし、東京で生活するのは作家としてプラスになる、と背中を押したのも不木。
不木は、探偵小説家・江戸川乱歩の生みの親でもあるのだ。
なんでこの本を借りたかと言うと、二人が本名でやりとりしてるのが面白かったから。
(乱歩は平井太郎、不木は小酒井光次)
読み進めていくうちに(途中で解説とか論考を読んじゃったので)涙腺ゆるむゆるむ。
う、う、う、…乱歩のばか!もっと不木を構ってやってよ!
不木から乱歩へ宛てた手紙と葉書は120通収録、乱歩から不木宛は33通。
この差!!!
乱歩宛の手紙は、乱歩の自分蒐集癖も相まって割と揃っているようだけど、不木宛は何通か散逸しているらしい。
うーん、乱歩は他人宛の書簡も自分でとっておく用に複写していたらしいから、不木邸になくても立教大学の旧乱歩邸を家捜しすれば出てくるのかも。多分何十年もかかる仕事だろうな。
書簡のやりとりは大正14年をピークに、病気で名古屋から滅多に出られない不木が再三乱歩を名古屋に来させようと画策するも、それをやや面倒に思っていた乱歩がのらりくらりと交わして激減。
乱歩が不木と疎遠になってゆくのは、自身のスランプがあったり、不木の過剰なまでの乱歩への傾倒、それを快く思わぬ名古屋在住の国枝史郎との確執など、諸々の原因があったよう。
昭和4年3月30日、不木は乱歩に最後の葉書を送り、二日後の4月1日死去。四月馬鹿であり、突然の事でもあったので皆なかなか信じなかったという。38歳であった。
不木は結核を患っていたのだが、死因は急性肺炎。横溝正史曰く、正史の弟が不木を見舞った際、中村進治郎が付いていった。中村は美男子で、人を惹きつける力が相当あったらしく、すっかり中村を気に入った不木は駅まで二人を見送りに出た。その時風邪をひき、それが原因で肺炎になった、との事。
因みに中村進治郎は俳優。ある女性と心中したのだがうっかり生き延び、相手は死亡。それ故謀殺ではないかと拘留される。釈放されたが1年後に自殺。
彼に関わって亡くなった人は心中相手を含めて三人ほどいるので、正史は中村が不木を殺した犯人、とみなしていたのだという。呪われた美青年、てやつだと信じてたようです。
書きたい事はイッパイあるけど、ありすぎて何を書こうとしてたのか忘れる。
取り敢えずこれは書いときます、「屋根裏の散歩者」。
自称ミステリおたくとゆってる私ですが、乱歩は大学の講義で必要だったので読んだのが初めてでして、「人間椅子」「二銭銅貨」「心理試験」「パノラマ島奇談」「押絵と旅する男」「芋虫」あたりが収録された角川ホラーの短編集だったと思う、それと「D坂の殺人事件」を教本にした講義でした。
その時は小説より先に、陣内孝則さんが明智を演じたテレビドラマを見ていたので、原作とドラマのギャップ(しかもD坂は金田一みたいな書生風明智である)に戸惑った為、他の作品を読む気にならなかったのだけど。あと、藤井隆が明智小五郎の孫役で主演してた「乱歩R」というドラマも放送されてた。なつかしー。
閑話休題。
往復書簡で、乱歩の父が喉頭癌の為、口をあけて眠る姿を見て屋根裏執筆の着想を得たのではないか、という解説がある。
父親の回復を望みながら小説内では一種の「父親殺し」を行った、とも受け取れる。と書かれている。
ななななるほどどーー!そうゆう読み方もあるんだね!
と思ったの。心理学専攻してて、当時は全然そんな事思わなかった。なんの為の大学だったんだと落ち込んだ。
うーむ、金田一の聖地・岡田町にばかり気を取られていたけど、灯台下暗し。
こんなに近くに探偵小説をポピュラにする為に尽力した御仁がおられたとは。
まずは不木巡礼の旅に出ねばならぬ。
いざ行かん蟹江町!
ネット上でもちもち読んだ作品ばかりなので個別の感想は省略。
明治〜昭和です、最新の小説は全然読んでません^^^
・泉鏡花/夜行巡査
・海野十三/公開されてるの全部、あ、本業の著書以外だった
・大倉燁(てる)子/妖影
・大阪圭吉/公開されてるの全部
・岡本綺堂/半七捕物帳 他
・小栗虫太郎/絶景万国博覧会
・梶井基次郎/桜の樹の下には
・カフカ/変身(ななめよみした)
・国枝史郎/レモンの花の咲く丘へ
・小泉八雲/葬られたる秘密 耳無芳一の話 貉 雪女 ろくろ首
・甲賀三郎/殺人迷路、支倉事件以外
・小酒井不木/公開されてるの全部
・坂口安吾/足のない男と首のない男 阿部定さんの印象 阿部定という女 桜の森の満開の下 タイトル忘れたけど、時代に付いていけないおっさんの話も読んだ
・素木しづ/三十三の死
・西尾正/陳情書 墓場 放浪作家の冒険
・浜尾四郎/悪魔の弟子
・林不忘/釘抜藤吉捕物覚書 口笛を吹く武士 早耳三次捕物聞書
・久生十蘭/顎十郎捕物帳 キャラコさん 藤九郎の島 肌色の月 平賀源内捕物帳
・ビョルンスティエルネ・ビョルンソン/鷲の巣
・平林初之輔/公開されているミステリっぽいタイトル全部
・牧逸馬/実録犯罪系全部
・松本泰/公開されてるの全部
・矢崎嵯峨の舎/初恋
・山下利三郎/誘拐者 流転
・山本禾太郎/仙人掌の花 抱茗荷の説
・夢野久作/ア行カ行サ行以外読んだ、下から読んでるのです
・渡辺温/公開されてるの全部
ミステリだと思って読んだら全然違ってた系もちらほら…
高校の時、安部公房が推理小説家だと思って『砂の女』読んだ時から成長してません^^^面白かったけどね、砂の女。
明治〜昭和です、最新の小説は全然読んでません^^^
・泉鏡花/夜行巡査
・海野十三/公開されてるの全部、あ、本業の著書以外だった
・大倉燁(てる)子/妖影
・大阪圭吉/公開されてるの全部
・岡本綺堂/半七捕物帳 他
・小栗虫太郎/絶景万国博覧会
・梶井基次郎/桜の樹の下には
・カフカ/変身(ななめよみした)
・国枝史郎/レモンの花の咲く丘へ
・小泉八雲/葬られたる秘密 耳無芳一の話 貉 雪女 ろくろ首
・甲賀三郎/殺人迷路、支倉事件以外
・小酒井不木/公開されてるの全部
・坂口安吾/足のない男と首のない男 阿部定さんの印象 阿部定という女 桜の森の満開の下 タイトル忘れたけど、時代に付いていけないおっさんの話も読んだ
・素木しづ/三十三の死
・西尾正/陳情書 墓場 放浪作家の冒険
・浜尾四郎/悪魔の弟子
・林不忘/釘抜藤吉捕物覚書 口笛を吹く武士 早耳三次捕物聞書
・久生十蘭/顎十郎捕物帳 キャラコさん 藤九郎の島 肌色の月 平賀源内捕物帳
・ビョルンスティエルネ・ビョルンソン/鷲の巣
・平林初之輔/公開されているミステリっぽいタイトル全部
・牧逸馬/実録犯罪系全部
・松本泰/公開されてるの全部
・矢崎嵯峨の舎/初恋
・山下利三郎/誘拐者 流転
・山本禾太郎/仙人掌の花 抱茗荷の説
・夢野久作/ア行カ行サ行以外読んだ、下から読んでるのです
・渡辺温/公開されてるの全部
ミステリだと思って読んだら全然違ってた系もちらほら…
高校の時、安部公房が推理小説家だと思って『砂の女』読んだ時から成長してません^^^面白かったけどね、砂の女。
この人の作品も面白い!
ただ、酒井さんは短編を中心に書かれており、また、疎開先の岡山で病死されているので作品数が少なく、一冊の本にまとめられないという事で出版が見合わせられていたらしい。
しかし酒井さんのご遺族の協力もあり、創作探偵小説と評論・随筆、遺稿をまとめて出版する事が出来たのだそう。
良かった、出版されてよかった!!
戦前・戦後の文学を研究されている方々は、戦争の所為で作品が焼失したり、戦死して作品がわずかしかなかったりするけど、すんばらしい作家さんがいたのよって事を後世に伝える立派な仕事です。頭が下がります。
という事を念頭に入れながら作品を読んでいる訳で。
これからもこの論創ミステリ叢書シリーズを読み続けるぜ。
本文の感想。
短編ばかりなのでタイトル毎の感想は省略。
アルファベットの羅列があったので
「すわ、暗号か、スパイ小説か」
と思ったけどスパイはいなかった。ところで「すわ大惨事」とかの「すわ」って何だろう。
タイプされた文字のインク量から誰がタイプしたものかを探る探偵法や、かの有名な「Third Degree(第三の探偵法、相手を精神的に追い詰め自白させるとゆう尋問方法らしい)」の亜種(?)、第13探偵法なるもので秘密を暴く話とか、ポーの暗号についての研究を紹介しつつ暗号を解く話とか。
あとあれだ、骨相学からこの人は犯罪者型の人相してるから犯人。的なストーリィもあり、「クレッチマーの分類」のビデオを思い出しつつ読んでたら真逆のメタ展開でびびった。
飛行機を使ったものあり、江戸の香りが残る長唄ものあり、私はこうゆう作品好きです。
というか酒井さんは「沙里子」て名前が好きだったのかな、飛行機ネタに二度出てますが。単に元ネタと推敲後のネタなのかしらん。
はあ、新しい作家さん読むのも良いけど、やっぱ古い作家さん読む方が今は楽しいです。
さかい・かしち(1905-1946)
兵庫県神戸市生まれ。本名は嘉七郎。
パルモア英学院卒業後、神戸の貿易会社に勤務。
1934年「亜米利加発第一信」が『新青年』の懸賞に入選しデビュー。
ただ、酒井さんは短編を中心に書かれており、また、疎開先の岡山で病死されているので作品数が少なく、一冊の本にまとめられないという事で出版が見合わせられていたらしい。
しかし酒井さんのご遺族の協力もあり、創作探偵小説と評論・随筆、遺稿をまとめて出版する事が出来たのだそう。
良かった、出版されてよかった!!
戦前・戦後の文学を研究されている方々は、戦争の所為で作品が焼失したり、戦死して作品がわずかしかなかったりするけど、すんばらしい作家さんがいたのよって事を後世に伝える立派な仕事です。頭が下がります。
という事を念頭に入れながら作品を読んでいる訳で。
これからもこの論創ミステリ叢書シリーズを読み続けるぜ。
本文の感想。
短編ばかりなのでタイトル毎の感想は省略。
アルファベットの羅列があったので
「すわ、暗号か、スパイ小説か」
と思ったけどスパイはいなかった。ところで「すわ大惨事」とかの「すわ」って何だろう。
タイプされた文字のインク量から誰がタイプしたものかを探る探偵法や、かの有名な「Third Degree(第三の探偵法、相手を精神的に追い詰め自白させるとゆう尋問方法らしい)」の亜種(?)、第13探偵法なるもので秘密を暴く話とか、ポーの暗号についての研究を紹介しつつ暗号を解く話とか。
あとあれだ、骨相学からこの人は犯罪者型の人相してるから犯人。的なストーリィもあり、「クレッチマーの分類」のビデオを思い出しつつ読んでたら真逆のメタ展開でびびった。
飛行機を使ったものあり、江戸の香りが残る長唄ものあり、私はこうゆう作品好きです。
というか酒井さんは「沙里子」て名前が好きだったのかな、飛行機ネタに二度出てますが。単に元ネタと推敲後のネタなのかしらん。
はあ、新しい作家さん読むのも良いけど、やっぱ古い作家さん読む方が今は楽しいです。
さかい・かしち(1905-1946)
兵庫県神戸市生まれ。本名は嘉七郎。
パルモア英学院卒業後、神戸の貿易会社に勤務。
1934年「亜米利加発第一信」が『新青年』の懸賞に入選しデビュー。
女性探偵「風間光枝」を主人公とした三人の作家による短編小説。
風間光枝は日本の探偵小説における「女性探偵」第一号といわれているんだって。
・離魂の妻(りこんのつま)/木々高太郎
・什器破壊業事件(ものをこわすのがしょうばいじけん)/海野十三
・危女保護同盟(きじょほごどうめい)/大下宇陀児
・赤はぎ指紋の秘密(あかはぎしもんのひみつ)/木々高太郎
・盗聴犬(とうちょうけん)/海野十三
・慎重令嬢(しんちょうれいじょう)/大下宇陀児
・金冠文字(きんかんもじ)/木々高太郎
・痣のある女(あざのあるおんな)/海野十三
・虹と薔薇(にじとばら)/大下宇陀児
こんなかんじ。
大下さんは初めて読みました。
木々>大下>海野 という感じでしょうか、面白かった順。
木々さんは甲賀さんと論争(※)しただけあって事件よりもロマンスに傾倒しているかなぁ。殺人事件を扱っているのは木々さんの「赤はぎ~」のみ。
大下さんは甲賀さんの推薦でデビューした割りに、ロマンス色が強いです。
海野さんはごぞんじ帆村探偵が出張ってます、鼻につく位出張ってます。
「女性探偵を主役に」した割に、大して探偵してません。特に海野さんのは。
風間光枝探偵以外には、海野さんの「風間三千子探偵シリーズ」と「蜂矢風子探偵シリーズ」が収録されています。
風間三千代はスパイ系とユーモア系(最後は敵国へスパイに行き戦死するような描写)、蜂矢風子は帆村探偵の替わりに関西弁の南洞先生が登場。
どちらも海野さんの女性観なのかなぁ、依頼人に同情しすぎて先入観に囚われ過ぎたまま事件を調査しているかんじがする。もっと他人を疑えよ探偵!
これらは書かれた時代背景も大いに関係しているけど、女性が男性より目立つのはけしからん、女は仕事なんぞせずさっさと結婚して日本国の為にこどもをもりもり産みなさいってゆう、戦中思想や性差別があるものだから、規制やなんかを鑑みるとこの位の事件しか扱えなかった、のかも知れない。
実際、当時のほんものの女性探偵も浮気調査とか身元調査とか、そうゆう他人の秘密を根掘り葉掘り聞き出す野次馬精神の旺盛な女性向けの仕事とみなされていたみたい。
マァ、実際に殺人事件とかの捜査するような探偵は現代社会にもいなかろうて。
昔の小説は当時の情勢とか思想とか垣間見れて面白いけど、やっぱり女性軽視した空気感のある作品は良い気分じゃないね。
※推理小説において重要とする点を、木々は文学的、甲賀はトリックにおくべきだとして主張しあったという有名な話。
私はトリック重視派だけど、『皇帝のかぎ煙草入れ』みたいなおちも好きだよ。
というか甲賀さんの短編ちょっとよんだけど、別段良いトリック書いてるとはおm(略)
ミステリがごろごろしている今の観点で見れば、というだけで、当時読んでいたらすげーと思っていたかも知らんです。
風間光枝は日本の探偵小説における「女性探偵」第一号といわれているんだって。
・離魂の妻(りこんのつま)/木々高太郎
・什器破壊業事件(ものをこわすのがしょうばいじけん)/海野十三
・危女保護同盟(きじょほごどうめい)/大下宇陀児
・赤はぎ指紋の秘密(あかはぎしもんのひみつ)/木々高太郎
・盗聴犬(とうちょうけん)/海野十三
・慎重令嬢(しんちょうれいじょう)/大下宇陀児
・金冠文字(きんかんもじ)/木々高太郎
・痣のある女(あざのあるおんな)/海野十三
・虹と薔薇(にじとばら)/大下宇陀児
こんなかんじ。
大下さんは初めて読みました。
木々>大下>海野 という感じでしょうか、面白かった順。
木々さんは甲賀さんと論争(※)しただけあって事件よりもロマンスに傾倒しているかなぁ。殺人事件を扱っているのは木々さんの「赤はぎ~」のみ。
大下さんは甲賀さんの推薦でデビューした割りに、ロマンス色が強いです。
海野さんはごぞんじ帆村探偵が出張ってます、鼻につく位出張ってます。
「女性探偵を主役に」した割に、大して探偵してません。特に海野さんのは。
風間光枝探偵以外には、海野さんの「風間三千子探偵シリーズ」と「蜂矢風子探偵シリーズ」が収録されています。
風間三千代はスパイ系とユーモア系(最後は敵国へスパイに行き戦死するような描写)、蜂矢風子は帆村探偵の替わりに関西弁の南洞先生が登場。
どちらも海野さんの女性観なのかなぁ、依頼人に同情しすぎて先入観に囚われ過ぎたまま事件を調査しているかんじがする。もっと他人を疑えよ探偵!
これらは書かれた時代背景も大いに関係しているけど、女性が男性より目立つのはけしからん、女は仕事なんぞせずさっさと結婚して日本国の為にこどもをもりもり産みなさいってゆう、戦中思想や性差別があるものだから、規制やなんかを鑑みるとこの位の事件しか扱えなかった、のかも知れない。
実際、当時のほんものの女性探偵も浮気調査とか身元調査とか、そうゆう他人の秘密を根掘り葉掘り聞き出す野次馬精神の旺盛な女性向けの仕事とみなされていたみたい。
マァ、実際に殺人事件とかの捜査するような探偵は現代社会にもいなかろうて。
昔の小説は当時の情勢とか思想とか垣間見れて面白いけど、やっぱり女性軽視した空気感のある作品は良い気分じゃないね。
※推理小説において重要とする点を、木々は文学的、甲賀はトリックにおくべきだとして主張しあったという有名な話。
私はトリック重視派だけど、『皇帝のかぎ煙草入れ』みたいなおちも好きだよ。
というか甲賀さんの短編ちょっとよんだけど、別段良いトリック書いてるとはおm(略)
ミステリがごろごろしている今の観点で見れば、というだけで、当時読んでいたらすげーと思っていたかも知らんです。