・創作篇
アパートの殺人
青空文庫にて既読。
自滅的な生活を送る女優が絞殺された事件。
夏の夜の冒険
これすごく読後感辛い。
虐待問題に、他者の中途半端な介入は致命的。
二人の盲人
幼い時に視力を失った男の土地が区画整理で半分以上国に取られてしまった。
さらに、美しいと言われる妻と友人の盲人の関係に疑いを持ち塞ぎ込む男…
鉄の規律
青空文庫にて既読。
秘密結社もの。
謎の女
青空文庫にて既読。未完の作品である。
新聞記者が「暫くあなたの妻という事にしておいて欲しい」と頼まれ夫婦として10日間過ごす、という内容。
謎の女は警察に探されているような素振りだが、多くは語らず、主人公の新聞記者も好奇心に負けて付き合うが、一日目で早くも女のペースに巻き込まれ、不穏な空気を醸しているところで絶筆。
この続きを公募したところ、50編の応募があり、冬木荒之介という人が当選した。のちの井上靖である。
悪魔の聖壇
青空文庫にて既読。
教会の懺悔室で牧師にこれから犯す罪を告白する男。男には、かつて恋人がいたが…
少年探偵 呉田博士と与一
青空文庫にて既読。
近所で発生した誘拐事件。容疑者として捕まえられたのは、呉田博士面倒を見ている孤児の知能の低い少年だった。
・翻訳篇
平林さんは長短編合わせて7作を翻訳してたらしい。収録されているのはそのうちの2作。どちらの原作者も詳細不明との事。
鍵 リズリー・ウツド作
三件の殺人事件に関与しているとされるやくざ者が改心した!俄かには信じ難いが、どうやら真実らしい。暫くして世間はこのやくざ者を完全に忘れたが、男は改心などしておらず、獲物が掛かるのを虎視眈々と狙っていたに過ぎなかった…
この話結構好きです、室内にあるはずの鍵がなくなり、闇と、飢えと、死への恐怖でじわじわと追いつめられていく感じ!
そして鍵の意外な在り処もまた^^^
ジャックリイン アンリ・ヂユヴエルノワ作
妻が浮気相手の嫁に銃殺された。初めは悲しんだ夫だったが、自分を裏切った妻への怒りが憎しみに変わり、結局犯人を無罪にしてしまう。
男は妻を忘れるために新しい恋人を見つけるが、挙動が妻とそっくりで…
女を金で自由に出来ると思っている男に共感出来んので読んでて「こいつ…(苛)」となりました。
オチも自分勝手なやつだなぁと。
・評論・随筆篇
私の要求する探偵小説/日本の近代的探偵小説/愛読作家についての断片/ブリユンチエールの言葉について/『心理試験』を読む/探偵小説壇の諸傾向/ホオムズの探偵法/雑文一束/伊豆の国にて/黒岩涙香のこと/「陰獣」その他/探偵小説の世界的流行/作家としての小酒井博士/現下文壇と探偵小説/ポウの本質/江戸川乱歩/文芸は進化するか、その他/ヂユパンの癖とヴァンスの癖/ヴアン・ダインの作風/ウイツテ伯回想記その他/あくまで厳粛な/文芸時評ほか/アンケート
明日、お昼からイラストの打ち合わせに行ってきます。またしても名古屋の鳥瞰描かねばならぬ。
実家最寄駅通過するから多分帰りたくなるオモウ^^^
アパートの殺人
青空文庫にて既読。
自滅的な生活を送る女優が絞殺された事件。
夏の夜の冒険
これすごく読後感辛い。
虐待問題に、他者の中途半端な介入は致命的。
二人の盲人
幼い時に視力を失った男の土地が区画整理で半分以上国に取られてしまった。
さらに、美しいと言われる妻と友人の盲人の関係に疑いを持ち塞ぎ込む男…
鉄の規律
青空文庫にて既読。
秘密結社もの。
謎の女
青空文庫にて既読。未完の作品である。
新聞記者が「暫くあなたの妻という事にしておいて欲しい」と頼まれ夫婦として10日間過ごす、という内容。
謎の女は警察に探されているような素振りだが、多くは語らず、主人公の新聞記者も好奇心に負けて付き合うが、一日目で早くも女のペースに巻き込まれ、不穏な空気を醸しているところで絶筆。
この続きを公募したところ、50編の応募があり、冬木荒之介という人が当選した。のちの井上靖である。
悪魔の聖壇
青空文庫にて既読。
教会の懺悔室で牧師にこれから犯す罪を告白する男。男には、かつて恋人がいたが…
少年探偵 呉田博士と与一
青空文庫にて既読。
近所で発生した誘拐事件。容疑者として捕まえられたのは、呉田博士面倒を見ている孤児の知能の低い少年だった。
・翻訳篇
平林さんは長短編合わせて7作を翻訳してたらしい。収録されているのはそのうちの2作。どちらの原作者も詳細不明との事。
鍵 リズリー・ウツド作
三件の殺人事件に関与しているとされるやくざ者が改心した!俄かには信じ難いが、どうやら真実らしい。暫くして世間はこのやくざ者を完全に忘れたが、男は改心などしておらず、獲物が掛かるのを虎視眈々と狙っていたに過ぎなかった…
この話結構好きです、室内にあるはずの鍵がなくなり、闇と、飢えと、死への恐怖でじわじわと追いつめられていく感じ!
そして鍵の意外な在り処もまた^^^
ジャックリイン アンリ・ヂユヴエルノワ作
妻が浮気相手の嫁に銃殺された。初めは悲しんだ夫だったが、自分を裏切った妻への怒りが憎しみに変わり、結局犯人を無罪にしてしまう。
男は妻を忘れるために新しい恋人を見つけるが、挙動が妻とそっくりで…
女を金で自由に出来ると思っている男に共感出来んので読んでて「こいつ…(苛)」となりました。
オチも自分勝手なやつだなぁと。
・評論・随筆篇
私の要求する探偵小説/日本の近代的探偵小説/愛読作家についての断片/ブリユンチエールの言葉について/『心理試験』を読む/探偵小説壇の諸傾向/ホオムズの探偵法/雑文一束/伊豆の国にて/黒岩涙香のこと/「陰獣」その他/探偵小説の世界的流行/作家としての小酒井博士/現下文壇と探偵小説/ポウの本質/江戸川乱歩/文芸は進化するか、その他/ヂユパンの癖とヴァンスの癖/ヴアン・ダインの作風/ウイツテ伯回想記その他/あくまで厳粛な/文芸時評ほか/アンケート
明日、お昼からイラストの打ち合わせに行ってきます。またしても名古屋の鳥瞰描かねばならぬ。
実家最寄駅通過するから多分帰りたくなるオモウ^^^
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そのには、『ぷろふいる』掲載のものが中心。
・創作篇
貞操科―又は和解―
離婚裁判。調書による進行で、会話や地の文はない。
重大なる過失
ダメ、ゼッタイ。
仙人掌の花
青空文庫既読。
二階から降りきた者
かあさん、これホラーです。
一時五十二分
夫を殺された妻の証言には、嘘が混じっていた…妻は夫殺しの犯人なのだろうか。
黒子(ほくろ)
醜い男が上司の親戚という美しい若い女と所帯を持ったが、この女は他に三人の男と関係を持っていた。
男は、妻を殺す為アリバイ工作をして我が家に帰ったが、既に妻は殺されていた…
無実の罪で服役し、二年後冤罪判決を受けた男は、幼い娘と貧しい生活を送る。真犯人を探し出し、復讐する為に…
いつになったらタイトルの「ほくろ」が出てくるのかと読んでいたが、大分終盤になってからだった。
おとしもの
ショートコント。
黄色の寝衣(ねまき)
閉店後の百貨店で起きた転落事件と刺殺事件。
探偵趣味家で時々探偵小説を書いているとゆう神部(かんべ)君という者がシロウト探偵するんだけど、私はこいつが真犯人だと思っていたよ。
だって事件があった日に遊びに来ていたやつを引き止めて泊まらせるなんて、アリバイ作りの為だと思っちゃうじゃない。
幽霊写真
友人のカメラに写りこんだ事故死した友人の幽霊。
この友人というやつがやってきて「俺ァあいつを事故に見せかけて殺したんだ」とひとしきり喋ってピストル自殺する。
迷惑なやつだよねぇ、掃除大変だろうなぁ。
セルを着た人形(連作「A1号」第五話)
作家仲間の集まりに突然やってきた男が体験した、ダイヤの指輪紛失事件の話。
A1号と名付けられた怪盗をテーマに、作家たちが書いた短編らしい。
八月十一日の夜
元夫殺しの容疑で裁判を受ける、という設定の探偵劇用のシナリオ。
出演は、被疑者、証人1(被疑者の元同僚)、証人2(被疑者の愛人)、証人3、弁護士、検事、判事、陪審員数人。
私は知らんかったけど、実は日本でも陪審員参加の裁判を昭和3年から昭和18年まで行っていたんだって。
ただ、ウィキによると、現在日本で行われている裁判員制度とはなんか違う制度らしい。良く判らんけど。
Ⅰにあった「反対尋問」みたく逆転劇があるかと期待してたけどそんな事はなかった。がっかり。
小さな事件
江戸時代の司法のありようを書いたショートショート。
冤罪なのに拷問されて渋々自白したら無関係の人が12人も拷問被害にあって、結局拷問死させられちゃったりする話。
抱茗荷の説
青空文庫既読。
これ、最後は間違い殺人だよね。父の罪を悔い、少女に尽くそうとする少年と、親の敵をじわじわと追い詰めて真相を見定めようとする少女。
少年と一万円
マァ、大団円ってやつですか。
・評論・随筆篇
ヒヤリとした話/車庫/事実問題と推理/白蟻の魅力/探偵小説と犯罪事実小説/ペンぬり犯人/犯罪から裁判まで/探偵劇のこと/あの頃/探偵小説思い出話/日本人ばなれの嘉七さん/月蝕について/アンケートほか
解題ページ、何故か車庫だけ創作篇に…車庫入れした電車で盗みが頻発するから職員が車内に張り込みしてたら呻き声が聞こえて、ヒィイホラーか!と思って声のする方確認したら男が車輪の下敷きになっていて断末魔してたってゆう話。こわー。
事実問題~は、事件があるとマスコミから犯人像について取材きたよって話。不木の話もふいに出てきて泣くぞコラ。以下犯罪実録めも↓
玉の井のバラバラ氏事件:1937年3月7日発覚同年10月解決。バラバラ殺人という言葉が初めて使われた事件でもあるとか
龍野六人殺し:1926年5月16日発覚の一家惨殺事件
神戸の税関に陸あげされた上海発の死体:1933年8月7日発覚。MK.Q.H.MANと署名されたトランクに女性の死体が詰められていた
車次の首だけ事件:1933年9月6日、行李の中に収められた甕の中から人間の頭蓋骨が発見された事件。「車次様」と書かれた包装紙が犯人逮捕に繋がった
嘉七さんは、酒井嘉七の事。
『月蝕』は木々高太郎の小説。直木賞かなんかをとったんだっけ。『新月』の続編。
※直木賞をとったのは『人生の阿呆』でした。
・創作篇
貞操科―又は和解―
離婚裁判。調書による進行で、会話や地の文はない。
重大なる過失
ダメ、ゼッタイ。
仙人掌の花
青空文庫既読。
二階から降りきた者
かあさん、これホラーです。
一時五十二分
夫を殺された妻の証言には、嘘が混じっていた…妻は夫殺しの犯人なのだろうか。
黒子(ほくろ)
醜い男が上司の親戚という美しい若い女と所帯を持ったが、この女は他に三人の男と関係を持っていた。
男は、妻を殺す為アリバイ工作をして我が家に帰ったが、既に妻は殺されていた…
無実の罪で服役し、二年後冤罪判決を受けた男は、幼い娘と貧しい生活を送る。真犯人を探し出し、復讐する為に…
いつになったらタイトルの「ほくろ」が出てくるのかと読んでいたが、大分終盤になってからだった。
おとしもの
ショートコント。
黄色の寝衣(ねまき)
閉店後の百貨店で起きた転落事件と刺殺事件。
探偵趣味家で時々探偵小説を書いているとゆう神部(かんべ)君という者がシロウト探偵するんだけど、私はこいつが真犯人だと思っていたよ。
だって事件があった日に遊びに来ていたやつを引き止めて泊まらせるなんて、アリバイ作りの為だと思っちゃうじゃない。
幽霊写真
友人のカメラに写りこんだ事故死した友人の幽霊。
この友人というやつがやってきて「俺ァあいつを事故に見せかけて殺したんだ」とひとしきり喋ってピストル自殺する。
迷惑なやつだよねぇ、掃除大変だろうなぁ。
セルを着た人形(連作「A1号」第五話)
作家仲間の集まりに突然やってきた男が体験した、ダイヤの指輪紛失事件の話。
A1号と名付けられた怪盗をテーマに、作家たちが書いた短編らしい。
八月十一日の夜
元夫殺しの容疑で裁判を受ける、という設定の探偵劇用のシナリオ。
出演は、被疑者、証人1(被疑者の元同僚)、証人2(被疑者の愛人)、証人3、弁護士、検事、判事、陪審員数人。
私は知らんかったけど、実は日本でも陪審員参加の裁判を昭和3年から昭和18年まで行っていたんだって。
ただ、ウィキによると、現在日本で行われている裁判員制度とはなんか違う制度らしい。良く判らんけど。
Ⅰにあった「反対尋問」みたく逆転劇があるかと期待してたけどそんな事はなかった。がっかり。
小さな事件
江戸時代の司法のありようを書いたショートショート。
冤罪なのに拷問されて渋々自白したら無関係の人が12人も拷問被害にあって、結局拷問死させられちゃったりする話。
抱茗荷の説
青空文庫既読。
これ、最後は間違い殺人だよね。父の罪を悔い、少女に尽くそうとする少年と、親の敵をじわじわと追い詰めて真相を見定めようとする少女。
少年と一万円
マァ、大団円ってやつですか。
・評論・随筆篇
ヒヤリとした話/車庫/事実問題と推理/白蟻の魅力/探偵小説と犯罪事実小説/ペンぬり犯人/犯罪から裁判まで/探偵劇のこと/あの頃/探偵小説思い出話/日本人ばなれの嘉七さん/月蝕について/アンケートほか
解題ページ、何故か車庫だけ創作篇に…車庫入れした電車で盗みが頻発するから職員が車内に張り込みしてたら呻き声が聞こえて、ヒィイホラーか!と思って声のする方確認したら男が車輪の下敷きになっていて断末魔してたってゆう話。こわー。
事実問題~は、事件があるとマスコミから犯人像について取材きたよって話。不木の話もふいに出てきて泣くぞコラ。以下犯罪実録めも↓
玉の井のバラバラ氏事件:1937年3月7日発覚同年10月解決。バラバラ殺人という言葉が初めて使われた事件でもあるとか
龍野六人殺し:1926年5月16日発覚の一家惨殺事件
神戸の税関に陸あげされた上海発の死体:1933年8月7日発覚。MK.Q.H.MANと署名されたトランクに女性の死体が詰められていた
車次の首だけ事件:1933年9月6日、行李の中に収められた甕の中から人間の頭蓋骨が発見された事件。「車次様」と書かれた包装紙が犯人逮捕に繋がった
嘉七さんは、酒井嘉七の事。
『月蝕』は木々高太郎の小説。直木賞かなんかをとったんだっけ。『新月』の続編。
※直木賞をとったのは『人生の阿呆』でした。
そのいちは、『新青年』に発表した作品・エッセイをまとめたもの。
・創作篇
窓
白い浴衣を着た男が人目を忍んで離れの一室へ入っていった。そのすぐ後、白い浴衣を着た男が入ってゆく。
暫くして浴衣の男が裏から出てくる。更に暫くしてまた白い浴衣の男が慌てた様子で裏から出ていく。
二人の男が立ち去ったあと、黒い影が離れへ入っていき、すぐに出てきた。
翌日、その離れで若い女性の扼殺死体が発見される。
前書きを除いて、全て取調書の体裁をとっている。
デビュー作。
童貞
その工場の女工監督は、童貞という噂があった。実際、女工たちが色目を使ったり秋波を送っても何の反応もなかった。
しかし女工監督は、女工の誰かと付き合ってしまうと女工間の関係が悪化し仕事が滞る事を危惧して取り合わないよう努力していたのであった。
ある女工がやってくるまでは…
一読した後は、おんなってこえええ~~と思った。
でも、冷静に考えると、女工監督も復讐されて仕方ないよーな気もする。つまり、女を下に見てて侮ってる感がある。女工が自分に惚れていると自惚れて自分本位な行動に出た事で、復讐心に燃える女工の餌食になった訳で…
変な責任感で女を作らなかった事が仇となったな。しかし自殺するような事だったんか。
閉鎖を命ぜられた妖怪館
妖怪館とは、つまりおばけ屋敷の事。夏から秋にかけて開いていた見世物小屋。
弁護士が妖怪館にはまって毎日のように通っていた。秋になり、妖怪館もあと1週間程となった頃、あるお化けの前で女性が気絶するという出来事を目撃する。
暫くして、若い身元不明の女の飛び降り自殺に巻き込まれて男が死亡する。その男は妖怪館で気絶した女の夫だった。
全編を通して、弁護士から友人に当てた手紙の体裁をとっている。
馬酔木(あせび)と薔薇
???
えーっと…探偵趣味のあるユーモア短編。
空想の果て
空想に生きる男が遭遇した不思議な一夜。その夜から男は空想を捨て、一夜限りの情を交わした顔も判らぬ女を探すようになる。手がかりは、女の指で光っていたダイヤのみ。
ちょっとオチが良く判らんかった以下ネタバレにつき反転↓↓
一人息子が無事、莫大な遺産を継ぐ事に満足しながら死んだ大富豪ってのは空想男の事なの?
読み終えてすぐはそう思ったけど、車にはねられかけて倒れた時の地の文に「男は、死んでいた。」って書いてあるから指輪の持ち主の女の戸籍上の夫が大富豪だとも読めるよね…?
それとも、地の文が嘘ついたの?男は生きていて女が車で運んで主治医に診せて暫くの間生き延びて、色々説明してもらったのちに本当に死んだのか…
私の最終判断は、やっぱりあの時点で空想男は息を引き取り、女は自分の指輪を男から取り上げ息子(空想男の20年前と同じ顔だから、あの晩にできた空想男の息子だろう。しかも女の本当の夫にも似ているのではなかろうか。夫が無精子症かなんかで子が出来ないから夫にソックリな男を探させていた可能性もある)に渡す。見殺しにすると運転手に不審がられるので、しかもなるべく空想男の事は公にしたくないので家に運ばせ主治医に死亡診断書を書かせる。で、死に瀕している夫(このタイミング良く女と関係のある二人の男の死が重なっているのはご都合主義)に遺産相続人の証であるダイヤの指輪を見せる。夫は満足げに息を引き取り、息子が大富豪になる、めでたしめでたし。
と、こんな感じなのですが。
↑↑反転終わり。
一枚の地図(「楠田匡介の悪党振り」第五話)
匡介は妻殺しの罪で裁判にかけられる…カッフェの女給と結婚するため妻殺しを計画し、偶々見付けた首吊り自殺した男に罪を着せた事、さらに四話までの悪党ぶりを絡めつつ、検察側は極刑を求める。
弁護側は逆に、四話までの犯罪は匡介のお人好しさが生んだ出来事であり、妻の方もクラブ通いをしていた事をあげ無罪を主張。
全編検察・弁護側のやりとりを記述した体裁で、匡介のセリフなどはない。
因みに、匡介は無罪となる。
小坂町事件
犯罪実話の話だっけ…あんまり記憶に残ってない…
映画館事故
これもあんまり記憶に残ってない…確か「童貞」と同じく映画館での痴漢行為の話だったような…きおくがー…
長襦袢
夢遊病の妻が井戸に落ちて死んだ。しかも一糸纏わぬ姿で…
当時の警官の乱暴さが解る話。これ、真犯人あいつだったから良いけど、もし冤罪だったら非道い仕打ちだよー。
当選美人の死
夫の出張中に新婚の妻が殺された。
夫婦共に煙草を吸わないが、現場には煙草の吸殻があり、真っ赤な花を付けた仙人掌の絵が飾られていた。
また、妻は殺害された後で結婚式で着た着物に着替えさせられていたのだが、その着物はある雑誌から懸賞で当たったものだった。
この話に出てくる仙人掌の絵について消化不良だったのか、後に「仙人掌(しゃぼてん)の花」のタイトルで短編を発表している。
それよりもラストに書き添えられた「松葉杖」の意味が気になる…え?玄関に杖をついた跡でも残ってたっけ?あれ??
龍吐水(ぽんぷ)の箱
老前科者と元看守の老人が語る、監獄での事件。
なかなか面白い話であった。囚人心理というか、特殊な環境下での心理は興味深いであるよ。
反対尋問
検察(弁護士だったかも)と証人の法定での会話文のみで構成された話。
・評論・随筆篇
冷汗(れいかん)三斗/妻の災難/ペスト・ガラス/ざんげの塔/死体・刃物・猫/屏風の蔭から出てきた男/法廷小景/アンケート
妻の災難は、辺鄙な所に引っ越してきたところ、精神病院から脱走した殺人狂が近くに潜伏していたという実話。死体~は禾太郎が幼い頃聞いた田舎の風習と不思議な出来事。屏風~は、浪花節語りをしていた頃の不思議な出来事。
やまもと・のぎたろう(1889-19531)
兵庫県神戸市生まれ。本名は種太郎。
浪花節語りの事務員や神戸地方裁判所の書記など様々な職業に就く。
『新青年』懸賞に「窓」が当選してデビュー。
・創作篇
窓
白い浴衣を着た男が人目を忍んで離れの一室へ入っていった。そのすぐ後、白い浴衣を着た男が入ってゆく。
暫くして浴衣の男が裏から出てくる。更に暫くしてまた白い浴衣の男が慌てた様子で裏から出ていく。
二人の男が立ち去ったあと、黒い影が離れへ入っていき、すぐに出てきた。
翌日、その離れで若い女性の扼殺死体が発見される。
前書きを除いて、全て取調書の体裁をとっている。
デビュー作。
童貞
その工場の女工監督は、童貞という噂があった。実際、女工たちが色目を使ったり秋波を送っても何の反応もなかった。
しかし女工監督は、女工の誰かと付き合ってしまうと女工間の関係が悪化し仕事が滞る事を危惧して取り合わないよう努力していたのであった。
ある女工がやってくるまでは…
一読した後は、おんなってこえええ~~と思った。
でも、冷静に考えると、女工監督も復讐されて仕方ないよーな気もする。つまり、女を下に見てて侮ってる感がある。女工が自分に惚れていると自惚れて自分本位な行動に出た事で、復讐心に燃える女工の餌食になった訳で…
変な責任感で女を作らなかった事が仇となったな。しかし自殺するような事だったんか。
閉鎖を命ぜられた妖怪館
妖怪館とは、つまりおばけ屋敷の事。夏から秋にかけて開いていた見世物小屋。
弁護士が妖怪館にはまって毎日のように通っていた。秋になり、妖怪館もあと1週間程となった頃、あるお化けの前で女性が気絶するという出来事を目撃する。
暫くして、若い身元不明の女の飛び降り自殺に巻き込まれて男が死亡する。その男は妖怪館で気絶した女の夫だった。
全編を通して、弁護士から友人に当てた手紙の体裁をとっている。
馬酔木(あせび)と薔薇
???
えーっと…探偵趣味のあるユーモア短編。
空想の果て
空想に生きる男が遭遇した不思議な一夜。その夜から男は空想を捨て、一夜限りの情を交わした顔も判らぬ女を探すようになる。手がかりは、女の指で光っていたダイヤのみ。
ちょっとオチが良く判らんかった以下ネタバレにつき反転↓↓
一人息子が無事、莫大な遺産を継ぐ事に満足しながら死んだ大富豪ってのは空想男の事なの?
読み終えてすぐはそう思ったけど、車にはねられかけて倒れた時の地の文に「男は、死んでいた。」って書いてあるから指輪の持ち主の女の戸籍上の夫が大富豪だとも読めるよね…?
それとも、地の文が嘘ついたの?男は生きていて女が車で運んで主治医に診せて暫くの間生き延びて、色々説明してもらったのちに本当に死んだのか…
私の最終判断は、やっぱりあの時点で空想男は息を引き取り、女は自分の指輪を男から取り上げ息子(空想男の20年前と同じ顔だから、あの晩にできた空想男の息子だろう。しかも女の本当の夫にも似ているのではなかろうか。夫が無精子症かなんかで子が出来ないから夫にソックリな男を探させていた可能性もある)に渡す。見殺しにすると運転手に不審がられるので、しかもなるべく空想男の事は公にしたくないので家に運ばせ主治医に死亡診断書を書かせる。で、死に瀕している夫(このタイミング良く女と関係のある二人の男の死が重なっているのはご都合主義)に遺産相続人の証であるダイヤの指輪を見せる。夫は満足げに息を引き取り、息子が大富豪になる、めでたしめでたし。
と、こんな感じなのですが。
↑↑反転終わり。
一枚の地図(「楠田匡介の悪党振り」第五話)
匡介は妻殺しの罪で裁判にかけられる…カッフェの女給と結婚するため妻殺しを計画し、偶々見付けた首吊り自殺した男に罪を着せた事、さらに四話までの悪党ぶりを絡めつつ、検察側は極刑を求める。
弁護側は逆に、四話までの犯罪は匡介のお人好しさが生んだ出来事であり、妻の方もクラブ通いをしていた事をあげ無罪を主張。
全編検察・弁護側のやりとりを記述した体裁で、匡介のセリフなどはない。
因みに、匡介は無罪となる。
小坂町事件
犯罪実話の話だっけ…あんまり記憶に残ってない…
映画館事故
これもあんまり記憶に残ってない…確か「童貞」と同じく映画館での痴漢行為の話だったような…きおくがー…
長襦袢
夢遊病の妻が井戸に落ちて死んだ。しかも一糸纏わぬ姿で…
当時の警官の乱暴さが解る話。これ、真犯人あいつだったから良いけど、もし冤罪だったら非道い仕打ちだよー。
当選美人の死
夫の出張中に新婚の妻が殺された。
夫婦共に煙草を吸わないが、現場には煙草の吸殻があり、真っ赤な花を付けた仙人掌の絵が飾られていた。
また、妻は殺害された後で結婚式で着た着物に着替えさせられていたのだが、その着物はある雑誌から懸賞で当たったものだった。
この話に出てくる仙人掌の絵について消化不良だったのか、後に「仙人掌(しゃぼてん)の花」のタイトルで短編を発表している。
それよりもラストに書き添えられた「松葉杖」の意味が気になる…え?玄関に杖をついた跡でも残ってたっけ?あれ??
龍吐水(ぽんぷ)の箱
老前科者と元看守の老人が語る、監獄での事件。
なかなか面白い話であった。囚人心理というか、特殊な環境下での心理は興味深いであるよ。
反対尋問
検察(弁護士だったかも)と証人の法定での会話文のみで構成された話。
・評論・随筆篇
冷汗(れいかん)三斗/妻の災難/ペスト・ガラス/ざんげの塔/死体・刃物・猫/屏風の蔭から出てきた男/法廷小景/アンケート
妻の災難は、辺鄙な所に引っ越してきたところ、精神病院から脱走した殺人狂が近くに潜伏していたという実話。死体~は禾太郎が幼い頃聞いた田舎の風習と不思議な出来事。屏風~は、浪花節語りをしていた頃の不思議な出来事。
やまもと・のぎたろう(1889-19531)
兵庫県神戸市生まれ。本名は種太郎。
浪花節語りの事務員や神戸地方裁判所の書記など様々な職業に就く。
『新青年』懸賞に「窓」が当選してデビュー。
竹内浩三/骨のうたう(原型)、三ツ星さん
三ツ星=カシオペア座 の事みたい
室生犀星/舌を噛み切った女 またはすて姫
山賊の頭の妻・すては強姦しようとした男の舌を噛み切って殺してしまう。その後妊娠するすて。山賊の頭は、すての腹の子の父親が強姦しようとした男の子ではないかと疑い…
母になると女は変わるってゆう話。かな。
モーリス・ルブラン/水晶の栓(新青年編輯局訳)
前にも読んだかも…きおくがあいまいだ
小川未明/灰色の姉と桃色の妹
姉を疎んじ家を出て行った妹を探し彷徨う姉。姉の行く先々で誰かが死んでゆく…
ランドルフ・コールデコット/ハートのクイン
ハートのクイーンが焼いたタルトを独り占めしてとっちめられるハートのジャックの話。
ほぼ絵です。
山之口貘/梯梧の花
槇村浩/孝太郎と悪太郎、犬の一年、子犬と太郎さん、鶴と鶯、うさぎの餅つき、おどり子の出世、お節供、ハイカラさんとムカシさん、ポスト、螢
著者が小学校三、四年生の時に書いたものらしい。こども時代に書いたものに云々言うのも大人げないが、「孝太郎と悪太郎」で、病気の両親の代わりに働き稼いだお金は薬代でなくなってしまうような生活をしている孝太郎の夢に現われた神様。神様から貰った鍵で、孝太郎の家の押し入れにある開かずの箱をあけると中から黄金小判がざっくざく出てきてお金持ちになるというストーリィは別に良いんだけど、お金が手に入って真っ先にしたのが「立派な家と立派な蔵を建てた事」ってドウなの?しかも次にしたのは「手放した田畑を買い戻す」。三番目にやっと「立派な医者を呼んで両親の病気を治す」である。親孝行者という設定なんだからさ、真っ先に親の病気を治してやれよと思っちゃうんだが。
因みに著者の槇村浩(まきむら こう)は、戦中に反戦詩を発表して憲兵に捕えられ、拷問のせいで病死してしまった人。享年26歳。
エドガー・アラン・ポー/黒猫(佐々木直次郎訳)
ビアズリーの画集でネタバレされたトラウマ作品です、ついに読みました。前にも読んだかも知らんが覚えとらんかった。多分トラウマの所為で未読だったのだろう、たぶん。
中原中也/作家と孤独
+++++
ちょっと読書記録じゃない話題。
ツイッターに「エアミステリ研究会」という集まりがあって、衝動的にツイッター始めようかと思ってしまった。
そこで活動として取りあげられていた横溝さんの『犬神家の一族』のツイートに、歴代犬神家役者一覧サイトのURLがあって見たのね。
すごいわ…
佐清のマスクの中身や「斧・琴・菊(よきこときく)」の見立て殺人の画像もばっちりあるから閲覧注意だけど。
わー、今流行の西島さんも佐清演じてたんだねー。稲垣吾郎版(一番好きなシリーズです)金田一のだから見てた筈なのに記憶にないわ。
あと、平さんも菊人形役してたのか!たぶんこの作品は見ていないような…
それにしても岸田今日子の安定感すごい。
このサイト見た所為かドウかは知らんが、先日ミステリな夢をみたよ^^^
主演は小野寺昭。石橋連司とか尾美としのりとか。クローズドサークルもので『そして誰もいなくなった』的な流れだったよ。
三ツ星=カシオペア座 の事みたい
室生犀星/舌を噛み切った女 またはすて姫
山賊の頭の妻・すては強姦しようとした男の舌を噛み切って殺してしまう。その後妊娠するすて。山賊の頭は、すての腹の子の父親が強姦しようとした男の子ではないかと疑い…
母になると女は変わるってゆう話。かな。
モーリス・ルブラン/水晶の栓(新青年編輯局訳)
前にも読んだかも…きおくがあいまいだ
小川未明/灰色の姉と桃色の妹
姉を疎んじ家を出て行った妹を探し彷徨う姉。姉の行く先々で誰かが死んでゆく…
ランドルフ・コールデコット/ハートのクイン
ハートのクイーンが焼いたタルトを独り占めしてとっちめられるハートのジャックの話。
ほぼ絵です。
山之口貘/梯梧の花
槇村浩/孝太郎と悪太郎、犬の一年、子犬と太郎さん、鶴と鶯、うさぎの餅つき、おどり子の出世、お節供、ハイカラさんとムカシさん、ポスト、螢
著者が小学校三、四年生の時に書いたものらしい。こども時代に書いたものに云々言うのも大人げないが、「孝太郎と悪太郎」で、病気の両親の代わりに働き稼いだお金は薬代でなくなってしまうような生活をしている孝太郎の夢に現われた神様。神様から貰った鍵で、孝太郎の家の押し入れにある開かずの箱をあけると中から黄金小判がざっくざく出てきてお金持ちになるというストーリィは別に良いんだけど、お金が手に入って真っ先にしたのが「立派な家と立派な蔵を建てた事」ってドウなの?しかも次にしたのは「手放した田畑を買い戻す」。三番目にやっと「立派な医者を呼んで両親の病気を治す」である。親孝行者という設定なんだからさ、真っ先に親の病気を治してやれよと思っちゃうんだが。
因みに著者の槇村浩(まきむら こう)は、戦中に反戦詩を発表して憲兵に捕えられ、拷問のせいで病死してしまった人。享年26歳。
エドガー・アラン・ポー/黒猫(佐々木直次郎訳)
ビアズリーの画集でネタバレされたトラウマ作品です、ついに読みました。前にも読んだかも知らんが覚えとらんかった。多分トラウマの所為で未読だったのだろう、たぶん。
中原中也/作家と孤独
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ちょっと読書記録じゃない話題。
ツイッターに「エアミステリ研究会」という集まりがあって、衝動的にツイッター始めようかと思ってしまった。
そこで活動として取りあげられていた横溝さんの『犬神家の一族』のツイートに、歴代犬神家役者一覧サイトのURLがあって見たのね。
すごいわ…
佐清のマスクの中身や「斧・琴・菊(よきこときく)」の見立て殺人の画像もばっちりあるから閲覧注意だけど。
わー、今流行の西島さんも佐清演じてたんだねー。稲垣吾郎版(一番好きなシリーズです)金田一のだから見てた筈なのに記憶にないわ。
あと、平さんも菊人形役してたのか!たぶんこの作品は見ていないような…
それにしても岸田今日子の安定感すごい。
このサイト見た所為かドウかは知らんが、先日ミステリな夢をみたよ^^^
主演は小野寺昭。石橋連司とか尾美としのりとか。クローズドサークルもので『そして誰もいなくなった』的な流れだったよ。
半七の生みの親、岡本綺堂の書生で、のちに養子となったのがこの岡本経一(きょういち)さん。
本書は経一さんの満100歳記念に出版されたもの。残念ながら、2010年に101歳で亡くなられている。
旺文社文庫から出版された綺堂の『半七捕物帳』全6巻の解説と、大正6年に平和出版というところから出版された「お文の魂」の複写版が収録されている。
解説は、半七塚の事とか、江戸時代の町の様子、与力とか同心の事、その下につく岡っ引きの事、火付盗賊改や町奉行の事等等。綺堂老人についてとか、半七は実在したのかとか、興味の尽きない話題で埋まっています。
実はこの本、三連休に浅草へ半七塚を見に行くので借りてきたのでした。
(東京おたく旅については写真を整理してからアップしたいと思います)
余談ですが、100歳記念出版繋がりで、渡辺啓助100歳記念本(200部限定、シリアルナンバー付!)という本を神保町で見付けてしまいましてですね…
定価48,000円が12,000円?!わお!お買い得!!!
という古書店魔術にかかりまして…
いや、買わなかったんだけど。だって弟の温は読んだ事あるけど、お兄ちゃんの作品どんなか知らんしだし。
しかし危うく術中にかかるところじゃったよ…限定とか恐ろしい。
本書は経一さんの満100歳記念に出版されたもの。残念ながら、2010年に101歳で亡くなられている。
旺文社文庫から出版された綺堂の『半七捕物帳』全6巻の解説と、大正6年に平和出版というところから出版された「お文の魂」の複写版が収録されている。
解説は、半七塚の事とか、江戸時代の町の様子、与力とか同心の事、その下につく岡っ引きの事、火付盗賊改や町奉行の事等等。綺堂老人についてとか、半七は実在したのかとか、興味の尽きない話題で埋まっています。
実はこの本、三連休に浅草へ半七塚を見に行くので借りてきたのでした。
(東京おたく旅については写真を整理してからアップしたいと思います)
余談ですが、100歳記念出版繋がりで、渡辺啓助100歳記念本(200部限定、シリアルナンバー付!)という本を神保町で見付けてしまいましてですね…
定価48,000円が12,000円?!わお!お買い得!!!
という古書店魔術にかかりまして…
いや、買わなかったんだけど。だって弟の温は読んだ事あるけど、お兄ちゃんの作品どんなか知らんしだし。
しかし危うく術中にかかるところじゃったよ…限定とか恐ろしい。