忍者ブログ
* admin *
[31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38]  [39]  [40]  [41
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ワイエスの絵を初めて見たのは、2009年のワイエス展
それまで全然知らなかったと思っていたけど、後日再読した島田さんの本にワイエスの名前あったんだよね…石岡さんが好きな画家として名前挙げていた。
その時はアメリカの画家とか興味なかったから「ふーんへー」とスルーしていた…あの頃の私をぶん殴りたい。

で、ワイエスの事殆ど知らなかったから(ワイエス展時の記事も結構いい加減な事書いてるしだし)借りてしまった研究書。
今まで、作品を何も考えずにぼへーっと見てただけだけど、こうゆう深いとこまで考えたもの読むと見方が変わって面白いですね。
股関節の障がいで小学校に行かず家庭教師に見てもらっていたとか、有名イラストレーターのお父さんと甥っ子を踏切事故で突然失ってしまったりとか(このくだりは、当然のように私に渡辺温を思い出させた)、絵を買ってくれた人の知り合いに面識もないのに会いに行ってその娘さんと結婚しちゃったりとか…すごいな。

何故日本人はワイエスの絵を好きなのかとか、ワイエスの描く海の話、光と影、「死」のテーマと「生」のテーマなどについて研究されてます。
15年間、誰にもばれずに描き続けた「ヘルガシリーズ」という存在を初めて知った!
ワイエスがインフルエンザに罹らなかったら世に出る事はなかったかも知れない…
とはいえ、「散逸させないこと」を条件に、「ヘルガシリーズ」の全て(250点以上)と習作をひとまとめにしてある人に売ったけど、結局散逸してしまって、今は一部の作品しか見られない状態という…だれかがかくしもっている!のだ!
このへんもミステリアスでワイエスの作品群に付加価値を与えているような気がする。

終章に取り上げられていた「雪の丘」という作品の解説に泣いた…

ところで、私が個人的に「ふお!」と思ったのは本文中に澁澤龍彦の名前が有った事。
私、澁澤さんはミステリ作家…とまではいかなくても、新青年とか宝石に関わってる人だと思っていたので、よもや美術評論を書いていようとは思っていなくて…衝撃を受けた。





※「ヘルガシリーズ」の一枚に触発されて、光と影を使って室内と窓を表現するのを真似してみたけど、なんかホラーになったってゆう。
PR
近々、『髑髏城』の改訳版が発売されると知って、買うか決めてないのに妙にそわそわしてて、
「アッ、バンコラン二作目読んでねーや」と気付いて借り読み。
ネタバレ書評で、悪魔的バンコランが出てるとゆうのも気になってたし…
バンコランはカーが最初に生み出した探偵役なんだけど、あまりにも悪魔的な性格の為、読者人気がイマイチでカー自身も「何でこんな探偵にしちゃったんだろ」と思っていたとか。
確かに…『夜歩く』ではそれ程気にならなかったけど、二作目はちょいちょい嫌なやつになってる。
でもバンコランの悪魔的な一面を強調しているというラストは結構好きなオチかも…
一番可哀想なのはあの刑事であって、一番同情するのは警部だわ…ツライ。
(映画「推理作家ポー 最期の5日間」を思い出した)

それにしても…カーの翻訳はだいたい悪訳って評判だけど、どのあたりが悪訳なんだろう…
そもそも悪訳の基準ってなに。
妹尾アキ夫の訳は特に悪訳ってのが定評だけど、フリーマンのソーンダイク博士シリーズはそれ程読み難くはないと思ったけど…
(※ドウやら、会話の語尾が「~かしら」とかになってるのがアカンらしい)
悪訳って、誤訳とか抄訳とはチガウのだね…読みやすさと違和感の無さが良い翻訳って事かな。
だとしたら私の数少ない翻訳読書歴における最高翻訳者は田中早苗だな!
ネタバレ書評を読んで、その日の内に借りてきました。
ミステリ作家でロッカーな山口雅也氏は「ミステリが辿ったかもしれない、もうひとつの歴史を示唆している」とコメントしたそうな。
ストリブリングの生んだイタリア系アメリカ人心理学者のヘンリー・ポジオリ教授。
自ら事件に首を突っ込むのではなく、ある事件を偶々解決してしまったが為にマスコミに「アメリカのシャーロック・ホームズ」と持ち上げられ、行く先々で事件に巻き込まれてしまいます。
それを嫌がる一方で、難解なパズルを解くという知的好奇心と虚栄心から、結局事件に関わり最終話では探偵小説として考えられない結末が待っているとか…そんなん言われたら読まずには居られないジャン!!
ポジオリの活躍する中編5作は高い評価を受け、その三年後ポジオリは奇跡の復活、更に十年のブランクを経てエラリー・クイーンの呼びかけでみたびポジオリの物語は執筆されました。
中短編合わせて36作。
以下あらすじと感想。


亡命者たち…キュラソー島に亡命したベネズエラの前独裁者とその秘書。彼らと共に朝食を摂ったホテルのオーナーが、ワインに仕込まれた毒によって死亡した。
警視は全独裁者がホテルのオーナーに女を取られた復讐の為に殺害したと考えるが、前独裁者は秘書が自分を殺そうとして誤ってオーナーが死んだと主張する。疑いをかけられた秘書は、三人が部屋を空けた隙に某国の殺し屋が前独裁者を亡き者にしようと毒を仕込んだと言い張り…
偶々居合わせたポジオリが捜査を手伝う事になり、この事件を解決した為名探偵として有名になってしまうのです。
それにしても、(反転)読み終えて判る、タイトルの意味!ラストを暗示しているようで上手いなぁって思った(反転終わり)。
因みに、この前独裁者は他2作品に登場するそうです。

カパイシアンの長官…カパイシアンの長官から呼ばれてハイチにやって来たポジオリ。長官は、ヴードゥー教の魔術師のトリックを暴いて欲しいと言う。
争い事に巻き込まれたくないポジオリが何とかして逃げようと言い訳をあれこれ考えるけど、結局巻き込まれてしまうのが可笑しい。
そもそも(反転)アジトに乗り込む為の囮(反転終わり)としてしか役にたってないのが探偵小説にあるまじき展開ですごい。ポジオリより長官の方が上手だった。

アントゥンの指紋…マルティニーク島で知り合った勲爵士と犯罪論議を交わし、次にこの島で起こった事件を解決する事でどちらの主張が正しいか決めようという事になった。
都合良く(?)国立銀行で起きた金庫破りの解決に乗り出す二人。金庫に唯一残されていた指紋は、詐欺師・アントゥンのものだったが、彼は金庫破りなどしない筈で…

クリケット…バルバドス島でクリケットの試合後、一人の選手が殺害された。容疑者はすぐに捕まったが、警察署へ連行中に逃げられてしまう…被害者の父親から「容疑者を無事に島から逃げられるよう手助けして欲しい」と頼まれたポジオリ。どうやら被害者には公金横領疑惑があり、父親で銀行家の准男爵は事件を公にしたくはないようで…
これ、事件はそんなに面白くないけど、展開が良い。真相が解明された時の喪失感と、探偵としての名声が高まってきた事による虚栄心との間で葛藤する人間臭い探偵像を描いているのですが、オチまで読むと…すごく…ポジオリって天才でも奇人でもない、ただの人なんだなぁって微笑ましくなる^^^この話のオチが一番好きかも。

ベナレスへの道…トリニダード島にあるインド人居住区で新妻が首を切断され殺された…ちょっとした好奇心から一夜を明かした寺が事件現場であった為、ポジオリは窮地に追い込まれ…
衝撃的展開!!!
過ぎて感想なにを書いていいのかワカラナイ…
ただ、読んで良かったと思う。これが、もうひとつのミステリの歴史…
てゆうか れきし って打って真っ先に 轢死 が出てくるPCドウなの。
昨年末読みました。
1981年の今日、作者ジョン・フランクリン・バーディンが亡くなったという事で慌てて感想アップする。

ハープシコード奏者のエレンは二年間の入院生活を経て、今日、愛する夫、バジルの元へ帰宅する。
二年前、バジルと結婚してから突然パニック障害に陥り、演奏も出来なくなってしまった為、精神病院に入院していたのだ。
喜びに満ち溢れるエレンだが、自分の不在中に夫が心変わりしていないか疑ってしまう。
二年振りの我が家で、早速ハープシコードの練習をしようとするが、どこを探しても鍵が見付からない。代わりに、自分のものではないファンデーションと趣味に合わないパーティーバックを見付けてしまう。
鍵探しに非協力的なバジルの態度から、彼が自分にハープシコードを弾かせたくないのではと疑うが、バジルは新作の譜面を読むのに夢中になっていたと謝罪し、あっさり鍵を見付けてしまう。鍵は、最初からハープシコードの蓋に差し込まれたままだったのだ。
混乱するエレン。場面は一転し、女学生が雨の中ファンレターを投函する様子が描かれる。それは音楽学校時代のエレンだった。歌手のジミーに学校新聞の取材を申し込む手紙で、エレンは彼から返事がきたらどうしようと心躍らせながら寮へ戻る。
しかしそこにいたのは厳格な父親で、母親が死んだというのに出歩いているエレンを捕まえ死体の前に跪かせる…
と思ったらそれはエレンの幻覚で、普通に寮に戻っていた。同級生にジミーに手紙を送った事、週末には一人ででもジミーの出るクラブに行くという意志を伝える。
再び場面は現在へ。(自称)芸術家のバジルの姉に会う為カフェに来ているエレン。エレンはバジルの姉が苦手だったが、退院報告をする為しぶしぶ会う事にしたのだ。
なんやかんやで義姉の家に連れて行かれるエレン。そこで会ったのはかつての恋人で、自分が殺した筈のジミーだった…

場面転換と、過去と現在の混在でなかなか読みにくい(時々フォントが新ゴになるのに苛々してたけど、成程そうゆうアピールなのね…)。
その上主人公エレンに共感出来んかったので結構しんどかったです。
しかし話としては、この時代(1948年発表)にこのネタを書ききったって、凄いです。今となってはわりかし陳腐な設定なんですが、展開がえげつないというか…辛い^^^
最後の怒涛の展開に
「あれ、もう数ページしか残ってないんだけど、こっからドウ解決するの?」
と思ってたら真逆のオチ。そ、そんなぁ!!
(ネタバレ反転)タイトルの如く、青尾蝿を喰った悪魔は野に放たれたって事ですよね(反転オワリ)おそろしや…
いやはや、悩める作家・法月麟太郎氏が高く評価したのも頷けますわ。
トーマス・マン/なぐり合い(実吉捷郎訳)

田中貢太郎/海神に祈る、轆轤首、法華僧の怪異、火傷した神様、阿芳の怨霊、風呂供養の話、雪女、沼田の蚊帳、狢、幽霊の衣裳、女仙、葬式の行列、狸と同棲する人妻、狸と俳人、首のない騎馬武者、義猫の塚、怪譚小説の話、鬼火を追う武士、累物語、愛卿伝、令狐生冥夢録、断橋奇聞、蛇性の婬—雷峯怪蹟
狸と俳人はちょっとほっこりする話。

斎藤弘吉/私の飼った犬

G・K・チェスタトン/金の十字架の呪い(直木三十五訳)
『ブラウン神父の不信』収録作品(訳は中村保男氏)。直木三十五…訳文ちょうぜつ読み難いんですけど…翻訳サイトのぐだぐだ訳と見紛うたわ。

上村松園/砂書きの老人、眉の記、九龍虫
「九龍虫」は疲労回復に効くとかいう虫の話。一度に10匹くらい服用するんだって、ぞぞわあ…

小泉八雲/葬られたる秘密(戸川明三訳)
何度も読んじゃう八雲の中毒性。

折口信夫/身毒丸(しんとくまる)
なんか良く判らんかった…もやもや。ふじわらたつやが舞台でやってた「身毒丸(しんくまる)」とは違うものなのかな。

海野十三/獏鸚(ばくおう)、沈没男、殺人の涯(はて)、寺田先生と僕
「寺田先生と僕」は本名の佐野昌一名義。震災の記録を寺田先生に送ったって話。

小酒井不木/深夜の電話
少年科学探偵塚原俊夫君の話であります。

甲賀三郎/黄鳥の嘆き——二川家殺人事件、青服の男、愛の為めに

岡本綺堂/停車場の少女、西瓜、恨みの蠑螺、真鬼偽鬼、廿九日の牡丹餅
「真鬼偽鬼」は初読みだった。真犯人を伝えない被害者の幽霊の話。

浜尾四郎/殺人鬼
なんか犯人知ってるなーと思ったら既読だった。

野村胡堂/銭形平次捕物控 009人肌地藏、010七人の花嫁、011南蛮秘法箋、013美女を洗ひ出す、014たぬき囃子、015怪伝白い鼠、016人魚の死、020朱塗りの筐、022名馬罪あり、023血潮と糠、024平次女難、025兵粮丸秘聞、027幻の民五郎、028歎きの菩薩、030くるひ咲、031濡れた千両箱、032路地の足跡、034謎の鍵穴、035傀儡名臣、037人形の誘惑、043和蘭カルタ
なかなか埋まらぬ欠番を諦めてアップされているのから読む事にしました。
しかし欠番の話の後日談めいたのが出てきてついていけない^^^

牧逸馬/夜汽車、助五郎余罪、舞馬、沈黙の水平線、チャアリイは何処にいる
つい何度も読んでしまう…

林不忘/あの顔
また読んでしまった。

キ・ド・モーパッサン/墓(秋田滋訳)、狂女(秋田滋訳)
地味にモーパッサン気に入ってる。

小栗虫太郎/紅毛傾城
これは初めて読んだ。

岩野泡鳴/猫八
初代江戸家猫八の話。ちょっと哀愁漂うよ。

西尾正/放浪作家の冒険

大阪圭吉/三の字旅行会
これ短編集に収録されてないんだよね、だから読んだけど既読だった。

坂口安吾/私の探偵小説、予告殺人事件、土の中からの話
牧逸馬の犯罪実話に「土から手が」ってのがあるのよね、だもんで猟奇寄りの話かと思って読んじゃったよね、実際は農家の話じゃった。

野上豊一郎/パリの地下牢
パリ見聞録のひとつ。マリーアントワネットが幽閉されてたところのこと。

十一谷義三郎/静物
結婚した男と、結婚しない男。


モウ7月とか…いちねんのはんぶんがおわってしまった。
わたしはこのはんとしかん、なにをしていたのだろう。
BACK HOME NEXT
calendar
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
profile
HN:
エグチマサヤ
趣味:
寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
忍者ブログ // [PR]

template ゆきぱんだ  //  Copyright: All Rights Reserved