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オルツィといえば、『隅の老人』が有名な女性ミステリ作家(※一般的には歴史ロマン『紅はこべ』の方が有名らしい。訳者は松本恵子)因みに「バロネス」は女男爵の事。
レディ・モリーはミステリ史上初の女性警察官探偵なんだって~(原書は1910年)
当時はセンセーショナルだったかも知らんが、今読むと悪い意味で女シャーロックホームズって感じ。読者が推理出来るような伏線も特に無く、記述者のメアリーと共に読者置いてけ堀で犯人を暴いてからの事後説明。しかも変装もする。ホームズや。
モリーを崇め傾倒している女ワトソンのメアリー曰く「大胆な推測」で犯人を追い詰めるんだけど、はっきり言って「憶測からのハッタリかまして」犯人が墓穴を掘るよう仕向けてるだけ。推理もなんもないよ。
それにモリー以外の人はみんな「おばかさん」に書かれてるので、彼女が際立って賢く見えるトリック。ここはホームズとはちょっと違うとこやね、ホームズには更に賢くて変人なマイクロフトがおるからな…

以下は収録作品。特に連作という形に書かれてはいないが、「サー・ジェレマイアの遺言書」「終幕」はある男の冤罪を証明しようとするモリーの話で続き物。
ナインスコアの謎/フルーウィンの細密画/アイリッシュ・ツイードのコート/フォードウィッチ館の秘密/とある日の過ち/ブルターニュの城/クリスマスの惨劇/砂嚢/インバネスの男/大きな帽子の女/サー・ジェレマイアの遺言書/終幕
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[黒門町伝七捕物帳]
捕物作家クラブ参加者の合同企画として書かれたものらしい。執筆者は城昌幸、村上元三、山手樹一郎、高木彬光、野村胡堂など。
・江戸名所絵図:寺小姓の鶴丸の身投げを救った伝七と獅子っ鼻の竹。理由を聞くと、風邪気味の和尚の代わりに将軍家に献上された経典を受け取りに行った帰りに鳶にそれを獲られてしまった。三日間の猶予を和尚から貰い鳶の行方を捜したが見付からず、死んで詫びようとしたのだと言う…
→これ綺堂や!!

・雷の宿:雷が大の苦手な竹。伝七の命令で深川へ行った帰り道で雷が鳴り出した。夢中で駆け込んだ寮の中にいた女に、急病の妹を奥に寝かしてあるので、医者を呼びに行く間留守を頼まれて欲しいと言われる。雷が遠のき、奥の様子を見ると、布団に寝かされていたのは絞殺された娘の死体だった。伝七と共に再び寮を訪れると、そこでは若い男と芸者が酒を飲んでおり、死体は消えていた。しかも男は天気が悪いので一日中家にいたと言い張り…
→ああ、うん…

・通り魔:怪しい六部姿の男が現れるが、何も盗らずに消え失せるという事件が起きる。ついには南町奉行の役宅に現れ、若衆の一人を殺害し遠山左衛門尉に怪我を負わせたのだった…
→おお、真逆の遠山の金さん(但し町人の格好して町に繰り出したりはしない)…この話結構好き。良いねお奉行。

・船幽霊:川向こうの大黒屋の寮へ行く為舟宿にやってきた伝七と竹造。同じく大黒屋に呼ばれていた役者の富五郎と芸者のお駒が乗る船に乗せてもらうことになった。船を漕ぎ出そうとした時、舟宿の女将が叫び声を上げた。聞くと、富五郎の後ろに幽霊がいるのを見たと言う…
→おお、これ良い話じゃんか…

・宝船殺人事件:浮世絵界の第一人者といわれた歌川国富が描いた「春姿七福神」は当時江戸で人気のあった七人の似顔絵になっていた為評判になった。そこに描かれた大黒屋の発案で、モデルの七人が揃って七福神の格好をして宝船に見立てた船で宴会をする事になる。その七人は、自殺した芸妓とゆかりの深い者達だった…
→(ネタバレ反転)クリスティのあれのオマージュだよね??(反転終わり)船幽霊に続き、大黒屋が出てるよこうゆう役回りを与えられたか…

・幽霊の見世物:贋金作りの主犯として処刑された男が住んでいた屋敷に幽霊が出ると噂になる。評判を聞きつけ、幽霊屋敷を買い取り「ほんものの幽霊」を見せる見世物小屋にしたところ大繁盛した。幽霊は処刑された男の娘だと言うので、伝七と竹造が見に行くと、見物客の目の前で幽霊が殺されてしまった…
→伝七もの6話中いちばんえぐい内容。えぐいってゆうか、えげつない??京極の巷説シリーズに似た悪の所業や…

[お役者文七捕物暦]
将軍のご落胤だけど母親が跡目争いに巻き込まれたくなくて逃げ出して、中村座に養子になったけど役者は嫌だと飛び出して放蕩三昧、岡っ引きの親分の元へ転がり込み事件に首をつっこんだら解決しちゃったので大名の仲間入り出来たけどやっぱり気楽な町人でいたいってゆう経歴の持ち主・お役者文七あにいの捕物話だよ!女形してたから女装もするよ!やもりみたいに壁に張り付いていられるよ!すごいスペックだな!
・比丘尼御殿:見目が良い若い男が拐かされ、早い者で七日、長い者で一ヶ月後に解放されるという事件が起こる。被害者は皆やつれ、ぼんやりしていたので天狗の仕業かと噂されたが、どうやら尼姿の女と毎晩快楽の饗宴に興じていたらしい。興味を持った文七は変装して態と誘拐され、犯人を探ろうとするが捕らえられてしまう。性交を強要されるが頑なに拒むと、淫らな拷問が文七を
→あかん、あらすじ上手くまとめられなくて(いつもまとめられていないが)このままではただの官能小説のあらすじになってしまう!
それにしても、妹姫の旦那候補三人の死は(ネタバレ反転)妹が先に嫁ぐ事への嫉妬から双子姫が殺したんじゃないのって思ったんだけど(反転終わり)そのへん何も触れてないよね、絶対あやしい!

・花の通り魔:浮世絵に描かれた小町娘三人のうち、二人殺され一人は絞殺されかけるという事件が起きる。被害者の一人の帯から贋金が見付かった事から、殺害の動機は贋金作りが関係していると思われる。
→勇敢な小娘が登場するよ!

・謎の紅蝙蝠:四人の悪党が幕府から奪った三千両をめぐる話。
→最後は横溝さんらしい大団円でなんだか落ち着く…

[しらぬ火秘帖]
未 完 だ よ !!!
徳川の残党とか妖術使いとか出てきて、あと他にもストーリィの展開とかが国枝史郎感出まくり。未完だからってのもあって国枝感出まくり。
未完だしなんかだらだら(※私、冒険ものは苦手)してて最後まで読みきれなかった…
江戸川乱歩/悪魔の紋章
乱歩や…新探偵を創造するなら明智と一緒に登場させてはいかんぞ…(ネタバレ反転)そんなん新規の探偵が真犯人だよって言ってるようなもんやで!!(反転終わり)

小酒井不木/国際射的大競技

野村胡堂/錢形平次捕物控 205權三(ごんぞう)は泣く、208青錢と鍵、209浮世繪の女、210飛ぶ女、211遠眼鏡の殿樣、212妹の扱帯、213一と目千両、214鼬小僧の正体、215妾の貞操

南方熊楠/毘沙門の名號に就いて、再び毘沙門に就て
ちょう久し振りに上野先生の本を読んだ。
上野先生の本を読むと、監察医制度が早く全国に普及すると良いのにって思う。
現状では五大都市(東京・横浜・名古屋・大阪・神戸。昔は京都もあったが廃止された)でしか変死死体は警察に届け出て検視をせねばならんとされてはいなくて(※長くアメリカに統治されていた沖縄でも同様の制度が現在もある)、地方で殺害されちゃっても病死と診断される場合があったりするそうです。毒殺なのに急性心不全とか、首吊り自殺とされたものが本当は絞殺後の偽装だったりとか。あとは自殺なのに家族が保険金欲しさに殺されたように偽装したりとかもある。

30年監察医として2万体以上の死体を検死してきた先生の集大成として書かれた本書は
1. いつ(時間)
2. どこで(場所)
3. 誰が(犯人)
4. 誰と(共犯)
5. 何ゆえに(動機)
6. 誰に対して(被害者)
7. いかにして(方法)
8. いかにした(結果)
という「8何(はっか)の原則」に沿って事例を紹介、最後に検視・検死制度の見直しの提案が書かれている。
私は、医師法とか現場の事とか、全然、なんにも知らない部外者だけど、上野先生の提案に賛成したい。「人を助けたい」と思って医者を志す人は多いだろうけど、「死者の人権を守りたい」って法医学を専攻して監察医になる人は少ないだろうし、世間が「死んだ人間より生きてる人間を治せる方が社会の役に立つ」と信じて疑ってないから、検死の出来る医師を育成するのは難しいと思う。検死専門の検視官を育成するのも大変だろうけど…
[創作篇]
呪の仮面:セクハラ支配人から受付嬢を助けたのが原因で職を失った映写技師の遊佐は、50円の謝礼をすると言われある屋敷へ連れて行かれる。そこで上映させられた映画は、夫人を殺害する様子を写したものだった。すると、映画を見ていた客の一人が悲鳴をあげて失神してしまう。彼女は殺された夫人の娘だったのだ…
→と、こうして遊佐は事件に巻き込まれて拉致されたりアジトに乗り込んで殺されかけたりします。冒険活劇ってゆうんですか、主人公がヒロインを救う為に予定調和に活動してる話って私は控えめに言って苦手です。つまりは嫌いって事な訳で…。しかもわけわからん位人が殺される。
普通、こんなけちゃらちゃら人が死ぬのに全然犯人は捕まらない訳ないだろ、て話だが、なんと犯罪組織が絡んでるんですよ、関係者の中にぼろぼろ手下がおるんですよ、荒技過ぎるデショ納得いかないよお!
だってさあ、上海でブイブイいわしてた犯罪組織がぷらっと日本に来てそんな簡単に部下を現地調達できるのかよってさー。そんな犯罪組織のトップ・オブ・カリスマボスがおるかいなってんで。ほいで結局、黒幕はそんな人望あるようなやつじゃなかったし。

丹那殺人事件:朝早く、公証人の沼井氏の訪問を受けた元ラグビー選手の高須は、十年程前に南米で死んだ叔父と一緒に事業をしていたという戸倉老人の希望で国内旅行のお供をする事になった。戸倉氏と熱海へ滞在中、大学時代ラグビー部で一緒だった亡き友人の妹とその母親とばったり出会う。その夜、戸倉氏から、自分の本名は南波と言い、昼間会った高須の友人の妹の母親は、かつて自分の妻だった女性だと聞かされる。その後人と会う約束があると旅館を出て行った戸倉氏は、翌日死体となって発見されたが、ダイヤのネクタイピンや紙入が無くなっており、着ていた外套が戸倉氏の物ではないと高須が証言。更に沼井公証人によると、戸倉氏は対の黄色いダイヤを持ち歩いていた事が判り…
→『呪の仮面』よりは面白かったかな…

[評論・随筆篇]
探偵物の流行に就て/一転機にある探偵小説/江戸川君と私/探偵小説の話/十年前の「新青年」/探偵小説時代/探偵小説の変遷/日本探偵小説発達史/探偵小説の将来/肩の凝らないものー夏よ若人にー/言はでものこと/「軽い文学」の方向へ/少年時代の思ひ出/探偵作家思ひ出話/昔の「鬼」/三十六年前/不木、乱歩を中心に

もりした・うそん(1890-1965)
高知県生まれ。本名・岩太郎。
早稲田大学英文科卒。1年の兵役を経て、1914年やまと新聞社に社会部記者として入社。
1918年、博文館編集部に転じて『冒険世界』を編集。
1920年、創刊された『新青年』の編集主幹となり、江戸川乱歩や横溝正史などを世に送り出す。海外探偵小説の翻訳も行い、博文館を退社後は作家専業となった。
1941年頃故郷の高知県佐川町に戻る。
1965年、脳出血の後遺症のため死去。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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