閉館後の図書館で大学生が殺害された。
凶器は山田風太郎の『人間臨終図巻』。被害者の周りには「ま行」の作家の本が散らばり、『ラジコン刑事』の表紙イラストの顔に血で丸が書かれていた。更に「く」の文字が残されており、二つのダイイングメッセージから司書の一人が容疑者として浮上する。
しかし現場に呼び出された裏染は、ダイイングメッセージなんかに何の意味もないと言い放つ…
「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」「現場に残された痕跡は、被害者が残したものか、犯人が捜査を撹乱する為に残した意図的なものか。探偵はそれをどうやって見極めるのか」的な後期エラリー・クイーン問題が取り扱われてて胸熱。いいねいいね!平成生まれはこうゆう解答を出したかー。
裏染の秘密も徐々に出てきてますます続きが気になるね!有紗ちゃんは今後も出てくるのかな…?
凶器は山田風太郎の『人間臨終図巻』。被害者の周りには「ま行」の作家の本が散らばり、『ラジコン刑事』の表紙イラストの顔に血で丸が書かれていた。更に「く」の文字が残されており、二つのダイイングメッセージから司書の一人が容疑者として浮上する。
しかし現場に呼び出された裏染は、ダイイングメッセージなんかに何の意味もないと言い放つ…
「作中で探偵が最終的に提示した解決が、本当に真の解決かどうか作中では証明できないこと」「現場に残された痕跡は、被害者が残したものか、犯人が捜査を撹乱する為に残した意図的なものか。探偵はそれをどうやって見極めるのか」的な後期エラリー・クイーン問題が取り扱われてて胸熱。いいねいいね!平成生まれはこうゆう解答を出したかー。
裏染の秘密も徐々に出てきてますます続きが気になるね!有紗ちゃんは今後も出てくるのかな…?
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・探偵小僧/世間を騒がせているびゃくろう仮面が白昼堂々と宝石を盗んでいった。次に狙うのは、吉川氏が持つ「日月の王冠」。それを阻止すべく立ち上がったのは新日報社の記者・三津木俊助と探偵小僧こと御子柴進君だった…
→変装が得意な怪人がアドバルーンで逃げたりとか、ほぼ乱歩の怪人二十面相と明智&小林少年である。鳩も出てくるしね。
・仮面の怪賊/細川侯爵家で行われたパーティーの最中に盗賊・道化仮面が現れ宝石類を盗んでいった。警戒にあたっていた篠崎警部は責任を問われ近いうちに辞職するだろうと噂されていた。事件から四十日程経ったある夜、自身もパーティーの警戒に参加していた私立探偵・保科の事務所へ吉井男爵から「道化仮面に狙われているらしいので助けてくれ」と電話がかかってきて…
→これまた乱歩的な話。道化仮面の正体も乱歩に同じのあるぞ。どっちが先かは知らんけど。
・王冠のゆくえ/天銀堂へ入った強盗が盗んだ筈の王冠が見付からず、店主は懸賞金をかけたので人々は宝探しに熱狂していた。花子は病気の母親を入院させる為、王冠を見付けたいと太郎に話した。同情した太郎は王冠の隠し場所の見当が付いていると言う勇と共に花子に協力するが…
→紙芝居、読者と太郎達へのヒントとして必要なのかも知らんが、あの小芝居がなければ王冠手に入れられたのに…何でいらんことしたの…
・十二時前後→犯人当て探偵クイズ懸賞のひとつとして『中学生の友』という雑誌に掲載されたもの。『横溝正史探偵小説選Ⅰ』の「十二時前後」、『横溝正史探偵小説選Ⅱ』の「目撃者」と同じトリックである。よこみぞおお…
・博愛の天使(エンゼル) ナイチンゲール→クリミア戦争美譚。ナイチンゲールの話。
・不死蝶(雑誌連載版)→文庫手放しちゃったから(引越し前に心を鬼にして250冊位断捨離した)細かいとこ比較できんけど、犯人のラストが大きく変更されているのね。私は特に人情味とか残された家族への配慮とかをフィクションに求めん方だので、こっちのラストのが好きかな。
そしてここからは未完の作品。↓
・女怪(ぢょかい)/完成してたら第一長編になっていたらしい。(けど、12月22日のニュースで幻の長編が発見されたってのがあったからドウなんだろ???)初期短篇に出てた山名耕助が主役のよう。
良く似た三人の女が同一人物なのか、という筋。山名が探偵役と見せかけて岩野記者が探偵役なんじゃないかな!あと、桐原は途中で殺される予定だったと確信しとる。
・猫眼石の秘密/花売りの少女が持っている猫眼石の嵌った指輪に関する物語か。なんせ一話しかないから岸田青年と少女がラストで恋人になるんじゃない?てゆうフリしか拾えない。
・神の矢/三津木俊助が出てくる。『蝶々殺人事件』に続く由利先生の第二長編になる予定だったよう。
ある村で「神の矢」を名乗る者から中傷誹謗の手紙がばらまかれ、何か悪い事がが起きようとしている、という『白と黒』の原型的な話。
・失はれた影/冤罪を晴らす為、整形して事件関係者に近付き真実を聞き出そうとする男の話。こいつあんまり賢くなさそうだけど、ちゃんと真相に辿り着けるんだろうか…
この作品と「神の矢」が未完に終わったのは病気療養の為でもあったらしい。
→変装が得意な怪人がアドバルーンで逃げたりとか、ほぼ乱歩の怪人二十面相と明智&小林少年である。鳩も出てくるしね。
・仮面の怪賊/細川侯爵家で行われたパーティーの最中に盗賊・道化仮面が現れ宝石類を盗んでいった。警戒にあたっていた篠崎警部は責任を問われ近いうちに辞職するだろうと噂されていた。事件から四十日程経ったある夜、自身もパーティーの警戒に参加していた私立探偵・保科の事務所へ吉井男爵から「道化仮面に狙われているらしいので助けてくれ」と電話がかかってきて…
→これまた乱歩的な話。道化仮面の正体も乱歩に同じのあるぞ。どっちが先かは知らんけど。
・王冠のゆくえ/天銀堂へ入った強盗が盗んだ筈の王冠が見付からず、店主は懸賞金をかけたので人々は宝探しに熱狂していた。花子は病気の母親を入院させる為、王冠を見付けたいと太郎に話した。同情した太郎は王冠の隠し場所の見当が付いていると言う勇と共に花子に協力するが…
→紙芝居、読者と太郎達へのヒントとして必要なのかも知らんが、あの小芝居がなければ王冠手に入れられたのに…何でいらんことしたの…
・十二時前後→犯人当て探偵クイズ懸賞のひとつとして『中学生の友』という雑誌に掲載されたもの。『横溝正史探偵小説選Ⅰ』の「十二時前後」、『横溝正史探偵小説選Ⅱ』の「目撃者」と同じトリックである。よこみぞおお…
・博愛の天使(エンゼル) ナイチンゲール→クリミア戦争美譚。ナイチンゲールの話。
・不死蝶(雑誌連載版)→文庫手放しちゃったから(引越し前に心を鬼にして250冊位断捨離した)細かいとこ比較できんけど、犯人のラストが大きく変更されているのね。私は特に人情味とか残された家族への配慮とかをフィクションに求めん方だので、こっちのラストのが好きかな。
そしてここからは未完の作品。↓
・女怪(ぢょかい)/完成してたら第一長編になっていたらしい。(けど、12月22日のニュースで幻の長編が発見されたってのがあったからドウなんだろ???)初期短篇に出てた山名耕助が主役のよう。
良く似た三人の女が同一人物なのか、という筋。山名が探偵役と見せかけて岩野記者が探偵役なんじゃないかな!あと、桐原は途中で殺される予定だったと確信しとる。
・猫眼石の秘密/花売りの少女が持っている猫眼石の嵌った指輪に関する物語か。なんせ一話しかないから岸田青年と少女がラストで恋人になるんじゃない?てゆうフリしか拾えない。
・神の矢/三津木俊助が出てくる。『蝶々殺人事件』に続く由利先生の第二長編になる予定だったよう。
ある村で「神の矢」を名乗る者から中傷誹謗の手紙がばらまかれ、何か悪い事がが起きようとしている、という『白と黒』の原型的な話。
・失はれた影/冤罪を晴らす為、整形して事件関係者に近付き真実を聞き出そうとする男の話。こいつあんまり賢くなさそうだけど、ちゃんと真相に辿り着けるんだろうか…
この作品と「神の矢」が未完に終わったのは病気療養の為でもあったらしい。
[創作篇]
・銀の小函:私立探偵の妻が、夫が扱った事件のうち、比較的秘密にする必要のない不思議な事件の話をする――某男爵家に泥棒が入り、容疑者として連れていかれた小間使いを救って欲しいと連絡があり、夫婦は現場へ向った…
→デビュー作(2007年までの調査による)
・心霊写真:横溝君が撮った写真に写るはずのない女――三年前に死んだ町田みち子――が写っていた…
→カメラの仕組みを知らないとサッパリ…そしてややアンフェアかと…
・れえむつま:カフェを辞めたと電話を掛けてきたお葉を、友人の加藤が宿泊しているホテルの部屋で待つよう指示した原。しかしお葉は加藤の部屋で絞殺されていた…
→タイトル意味不明だったけど、本文中で判明する(好きな人には判るのかも。でも1927年の作品だからな…)
・箱根細工の函:探偵事務所へ入ってきた公爵令嬢・包子(かねこ)は、ある人物との婚約が成立しかかっていた。しかし三年程前の冬、親しくなった海軍中尉に送った絵手紙に、取りようによっては恋文ともとれるような事を書いたものがあった。それを手に入れた新聞記者に一万円で買い取れと脅迫されているという…
→ボヘミアの醜聞的な。延原がホームズシリーズ全編を日本で最初に翻訳した人だから、こうゆうの書いてみたくなったのかな。でもボヘミアより捻ってあるよ。
・幸蔵叔父さん:幼い頃、四つ上の姉を病気で亡くした私。姉の死後失踪した幸蔵叔父さんに関する事を口にするのは一族のタブーとなった。当時の事を知る者は皆死んでしまったが、私はある偶然からその秘密を知る事になった…
→おそろしく不運で貧乏くじを引かされ続けた叔父さん可哀想過ぎる。
・踏止つた忠太:十年の刑期を終え、弟家族の家へ厄介になる事になった忠太。しかし弟の源二は、夏に腸を患い、その看病疲れか今度は妻が臥せっていると言う。来年から学校だという息子に新しい服を買ってやるのもままならない弟の家で厄介になる事を心苦しく思う忠太だが…
→タイトル通りの話かと思いきや…ツライ…
・氷を砕(か)く:幾野鉄太郎が忍び込んだ家の押入れに死体が入っていた。それにも関わらず、家人は死体などないかのように生活しているようで、病人の為に氷を砕く音がしていた…
→『新青年』における〈連続短篇〉という企画。新人に短篇を六話書かせたもので、乱歩曰く、この企画を持ちかけられた作家は将来有望とみなされていたらしい。延原は既に翻訳家として長かったので新人じゃなかったけど、創作的には新人って事で書かされたっぽい。
本職は大工だけど、時々泥棒をして生計を立てている幾野鉄太郎と五十嵐登刑事コンビのシリーズ。
・レビウガール殺し:鉄太郎はタクシー強盗に襲われた運転手を助けたが、眼を離した隙に車を置いて逃げてしまった…
→〈連続短篇〉二作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその2。
・悪運を背負ふ男:西岡竹二郎は、どこへ行っても何かしら問題を起こして飛び出すか、ていよく追い出されるかして、四十幾つの現在までに七、八回も転職している男だった。彼と似たような運命を背負っている鉄太郎は、酔って落ちた古井戸で死体を発見してしまう。その死体は、十万円拐帯犯の密田航策だった…
→えっ、えっ…?真相は、藪の中…??〈連続短篇〉三作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその3。
・N崎の殺人:海水浴客で賑わうN駅の海水浴場で、大工の鉄太郎は屋台を出して稼いでいた。休暇で遊びに来ていた五十嵐刑事と世間話をしていると、N崎の方からひどく慌てた様子の男が走ってきた。聞くと、N崎で彼の弟が殺されていたという…
→〈連続短篇〉四作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその4。「レビウガール殺し」に登場した沼津五郎と再会するよ。
・金・金・金/身売:父親に吉原へ売り飛ばされるという娘を救おうと、デパートでスリをしてお金を集めようとするが、刑事に眼をつけられてしまい…
大尽:この不景気の中、羽振りの良い客がやってきた。翌日、その客が刑事と共にやってきて…
→〈連続短篇〉五作目は短篇二つ。
・黄金魔人:N氏から、T教授に渡して欲しいとラマ教の仏像を預かった伏見。しかし仏像はN氏が寺院から盗んできたものらしく、伏見の家の廻りを怪しい男がうろつくようになった。そして仏像を返さなければ恋人の命に関わるという脅迫状が届き…
・三ヶ月の日記/至急金を必要とした会社員は、他の会社の給料を強奪する計画をたてた。金の入った鞄を奪う事に成功したが、どれだけたっても事件は新聞記事にならず…
→〈連続短篇〉六作目。
・ドンドの淵事件:海老名男爵家の別荘へ行く途中にドンドの淵がある。そこで海老名は背中を刺されて死んでいたという。迷信家の老風呂番は、ドンドの淵の主・うでな様に殺されたと言うが…
→〈連続短篇〉七作目。
・伯父の遺書
→本題部分がカタカナと漢字で読み難く過ぎて読めませんでした。謂れのない醜聞を収める為に伯父さんの遺書を公開するよ!て話。
・ものいふ死体/自分に良く似た男の身代わりに日本へ重要機密書類を持ち帰る事になった不破だが…
→冒険譚。ただしタイトルと内容は一致しない。予告でタイトルだけ告知してたから生じた不一致なのかもしれんとのこと。
・腐屍/昨夜、己(おれ)は恋のライバル田奈部を空き家で殺した。田奈部の死体発見記事は夕刊にも出なかったが、一夜を共にしたM子が殺害された記事が出ていた。M子は己が贔屓にしていた女で、殺されたのは己が帰ったすぐ後らしい…
→「三ヶ月の日記」と同じく犯人の手記形式。自分が殺した男が発見されない苛立ちと、自分が殺したのではない事件に巻き込まれるかもしれないという二重のストレス…
・銀狐の眼/銀座八丁目で起きた交通事故。しかし車に乗っていた男は事故の前に殺害されていた…
→銀狐の襟巻き争奪戦。
・女秘書/会社で禁止されている株をこっそりやっている相良は、社長秘書をランチに誘った。実は社長も株をやっており、今度社長が買う株を知らないか秘書に探りを入れようとするが…
・秘められた暗号/刑事の父親を湯治へ行かせる為、学校から帰ると靴磨きをして治療費を稼ぐ恒夫。彼の元に与太者らしい若者がやってきて、ある男に渡してくれと新聞包みを置いていった。その頃、銀座の宝石店では百万円の指輪が盗まれて…
→少年誌掲載作品。暗号物だけど、短時間にこんな細工出来るのかとか、何故暗号に気付かないようなやつに暗号で指輪の在り処を教えたのかとか色々疑問が湧く…
・求むる男(翻訳)/偽造小切手を用い現金を引き出し姿をくらました銀行員。ニューヨーク行きの旅船チケットを購入した事が判明し、レストレードは意気揚々とニューヨークへ向ったが、銀行員は監視されていたにも関わらず船の中から姿を消してしまい…
→ホームズ物の未発表作。という触れ込みで掲載されたが、実はアーサー・ホイテカーという人の贋作で、ドイル本人が買い取ったものだという。贋作だと判明する前に延原が訳したんだって。
ところで、毎朝ココアを持ってこさせる習慣のどのへんがぞくぞくする程興奮出来るの??ホイテカーのホームズ像はHENTAIなの??チョットイミワカラナイ。
[評論・随筆篇]
漫読夜話/心憎きクリスティ/好々爺ポワロ/わが本願/当選作所感/涙香の手訳本/断片/ヴエテランの退場/探偵小説など/コーナン・ドイルの逸話/強剛ホウムズ/短篇集二三――夏よ若人に――/海外探偵小説手引草/水谷準氏の作品に就て/探偵小説の翻訳と海外作家/ぷろふいるに寄する言葉/翻訳のスタイル/探偵小説図書館設立私案/十八年後の勝利/奇縁のポワロ/批評家待望/悪戯/あちら種二三――近頃読んだもの――/外国作家素描/いはでもの弁/ホームズ研究/シヤーロック・ホルムズと推理力/断片――翻訳誌の思い出――/ドイルの作品/回顧五十年/「偶然は裁く」訳者附記/シャーロキアン/ホームズと卅五年/ホームズ庵老残記/ホームズ庵毒舌録/思い出の一端/妹尾君を悼む/妹尾君をいたむ/ホームズとの出会い/アンケートほか
のぶはら・けん(1892-1977)
岡山県生まれ。本名・謙(ゆずる)。早稲田大学理工科卒。遁信省電気試験所で働きながら外国の探偵小説を趣味で翻訳。それが森下雨森に見出され翻訳家としてデビュー。(大学・試験所では海野十三の先輩にあたる)
晩年は「ホームズ庵」と名付けた別荘で生活を送り、1952年、シャーロック・ホームズシリーズの個人全訳を完成させた。
1977年死去。1979年、日本シャーロック・ホームズ・クラブによって延原謙賞が設立された。
・銀の小函:私立探偵の妻が、夫が扱った事件のうち、比較的秘密にする必要のない不思議な事件の話をする――某男爵家に泥棒が入り、容疑者として連れていかれた小間使いを救って欲しいと連絡があり、夫婦は現場へ向った…
→デビュー作(2007年までの調査による)
・心霊写真:横溝君が撮った写真に写るはずのない女――三年前に死んだ町田みち子――が写っていた…
→カメラの仕組みを知らないとサッパリ…そしてややアンフェアかと…
・れえむつま:カフェを辞めたと電話を掛けてきたお葉を、友人の加藤が宿泊しているホテルの部屋で待つよう指示した原。しかしお葉は加藤の部屋で絞殺されていた…
→タイトル意味不明だったけど、本文中で判明する(好きな人には判るのかも。でも1927年の作品だからな…)
・箱根細工の函:探偵事務所へ入ってきた公爵令嬢・包子(かねこ)は、ある人物との婚約が成立しかかっていた。しかし三年程前の冬、親しくなった海軍中尉に送った絵手紙に、取りようによっては恋文ともとれるような事を書いたものがあった。それを手に入れた新聞記者に一万円で買い取れと脅迫されているという…
→ボヘミアの醜聞的な。延原がホームズシリーズ全編を日本で最初に翻訳した人だから、こうゆうの書いてみたくなったのかな。でもボヘミアより捻ってあるよ。
・幸蔵叔父さん:幼い頃、四つ上の姉を病気で亡くした私。姉の死後失踪した幸蔵叔父さんに関する事を口にするのは一族のタブーとなった。当時の事を知る者は皆死んでしまったが、私はある偶然からその秘密を知る事になった…
→おそろしく不運で貧乏くじを引かされ続けた叔父さん可哀想過ぎる。
・踏止つた忠太:十年の刑期を終え、弟家族の家へ厄介になる事になった忠太。しかし弟の源二は、夏に腸を患い、その看病疲れか今度は妻が臥せっていると言う。来年から学校だという息子に新しい服を買ってやるのもままならない弟の家で厄介になる事を心苦しく思う忠太だが…
→タイトル通りの話かと思いきや…ツライ…
・氷を砕(か)く:幾野鉄太郎が忍び込んだ家の押入れに死体が入っていた。それにも関わらず、家人は死体などないかのように生活しているようで、病人の為に氷を砕く音がしていた…
→『新青年』における〈連続短篇〉という企画。新人に短篇を六話書かせたもので、乱歩曰く、この企画を持ちかけられた作家は将来有望とみなされていたらしい。延原は既に翻訳家として長かったので新人じゃなかったけど、創作的には新人って事で書かされたっぽい。
本職は大工だけど、時々泥棒をして生計を立てている幾野鉄太郎と五十嵐登刑事コンビのシリーズ。
・レビウガール殺し:鉄太郎はタクシー強盗に襲われた運転手を助けたが、眼を離した隙に車を置いて逃げてしまった…
→〈連続短篇〉二作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその2。
・悪運を背負ふ男:西岡竹二郎は、どこへ行っても何かしら問題を起こして飛び出すか、ていよく追い出されるかして、四十幾つの現在までに七、八回も転職している男だった。彼と似たような運命を背負っている鉄太郎は、酔って落ちた古井戸で死体を発見してしまう。その死体は、十万円拐帯犯の密田航策だった…
→えっ、えっ…?真相は、藪の中…??〈連続短篇〉三作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその3。
・N崎の殺人:海水浴客で賑わうN駅の海水浴場で、大工の鉄太郎は屋台を出して稼いでいた。休暇で遊びに来ていた五十嵐刑事と世間話をしていると、N崎の方からひどく慌てた様子の男が走ってきた。聞くと、N崎で彼の弟が殺されていたという…
→〈連続短篇〉四作目。鉄太郎と五十嵐シリーズその4。「レビウガール殺し」に登場した沼津五郎と再会するよ。
・金・金・金/身売:父親に吉原へ売り飛ばされるという娘を救おうと、デパートでスリをしてお金を集めようとするが、刑事に眼をつけられてしまい…
大尽:この不景気の中、羽振りの良い客がやってきた。翌日、その客が刑事と共にやってきて…
→〈連続短篇〉五作目は短篇二つ。
・黄金魔人:N氏から、T教授に渡して欲しいとラマ教の仏像を預かった伏見。しかし仏像はN氏が寺院から盗んできたものらしく、伏見の家の廻りを怪しい男がうろつくようになった。そして仏像を返さなければ恋人の命に関わるという脅迫状が届き…
・三ヶ月の日記/至急金を必要とした会社員は、他の会社の給料を強奪する計画をたてた。金の入った鞄を奪う事に成功したが、どれだけたっても事件は新聞記事にならず…
→〈連続短篇〉六作目。
・ドンドの淵事件:海老名男爵家の別荘へ行く途中にドンドの淵がある。そこで海老名は背中を刺されて死んでいたという。迷信家の老風呂番は、ドンドの淵の主・うでな様に殺されたと言うが…
→〈連続短篇〉七作目。
・伯父の遺書
→本題部分がカタカナと漢字で読み難く過ぎて読めませんでした。謂れのない醜聞を収める為に伯父さんの遺書を公開するよ!て話。
・ものいふ死体/自分に良く似た男の身代わりに日本へ重要機密書類を持ち帰る事になった不破だが…
→冒険譚。ただしタイトルと内容は一致しない。予告でタイトルだけ告知してたから生じた不一致なのかもしれんとのこと。
・腐屍/昨夜、己(おれ)は恋のライバル田奈部を空き家で殺した。田奈部の死体発見記事は夕刊にも出なかったが、一夜を共にしたM子が殺害された記事が出ていた。M子は己が贔屓にしていた女で、殺されたのは己が帰ったすぐ後らしい…
→「三ヶ月の日記」と同じく犯人の手記形式。自分が殺した男が発見されない苛立ちと、自分が殺したのではない事件に巻き込まれるかもしれないという二重のストレス…
・銀狐の眼/銀座八丁目で起きた交通事故。しかし車に乗っていた男は事故の前に殺害されていた…
→銀狐の襟巻き争奪戦。
・女秘書/会社で禁止されている株をこっそりやっている相良は、社長秘書をランチに誘った。実は社長も株をやっており、今度社長が買う株を知らないか秘書に探りを入れようとするが…
・秘められた暗号/刑事の父親を湯治へ行かせる為、学校から帰ると靴磨きをして治療費を稼ぐ恒夫。彼の元に与太者らしい若者がやってきて、ある男に渡してくれと新聞包みを置いていった。その頃、銀座の宝石店では百万円の指輪が盗まれて…
→少年誌掲載作品。暗号物だけど、短時間にこんな細工出来るのかとか、何故暗号に気付かないようなやつに暗号で指輪の在り処を教えたのかとか色々疑問が湧く…
・求むる男(翻訳)/偽造小切手を用い現金を引き出し姿をくらました銀行員。ニューヨーク行きの旅船チケットを購入した事が判明し、レストレードは意気揚々とニューヨークへ向ったが、銀行員は監視されていたにも関わらず船の中から姿を消してしまい…
→ホームズ物の未発表作。という触れ込みで掲載されたが、実はアーサー・ホイテカーという人の贋作で、ドイル本人が買い取ったものだという。贋作だと判明する前に延原が訳したんだって。
ところで、毎朝ココアを持ってこさせる習慣のどのへんがぞくぞくする程興奮出来るの??ホイテカーのホームズ像はHENTAIなの??チョットイミワカラナイ。
[評論・随筆篇]
漫読夜話/心憎きクリスティ/好々爺ポワロ/わが本願/当選作所感/涙香の手訳本/断片/ヴエテランの退場/探偵小説など/コーナン・ドイルの逸話/強剛ホウムズ/短篇集二三――夏よ若人に――/海外探偵小説手引草/水谷準氏の作品に就て/探偵小説の翻訳と海外作家/ぷろふいるに寄する言葉/翻訳のスタイル/探偵小説図書館設立私案/十八年後の勝利/奇縁のポワロ/批評家待望/悪戯/あちら種二三――近頃読んだもの――/外国作家素描/いはでもの弁/ホームズ研究/シヤーロック・ホルムズと推理力/断片――翻訳誌の思い出――/ドイルの作品/回顧五十年/「偶然は裁く」訳者附記/シャーロキアン/ホームズと卅五年/ホームズ庵老残記/ホームズ庵毒舌録/思い出の一端/妹尾君を悼む/妹尾君をいたむ/ホームズとの出会い/アンケートほか
のぶはら・けん(1892-1977)
岡山県生まれ。本名・謙(ゆずる)。早稲田大学理工科卒。遁信省電気試験所で働きながら外国の探偵小説を趣味で翻訳。それが森下雨森に見出され翻訳家としてデビュー。(大学・試験所では海野十三の先輩にあたる)
晩年は「ホームズ庵」と名付けた別荘で生活を送り、1952年、シャーロック・ホームズシリーズの個人全訳を完成させた。
1977年死去。1979年、日本シャーロック・ホームズ・クラブによって延原謙賞が設立された。
8月に読んだの今更アップ。
・もう一色選べる丼:食堂の食器を持ち出し、返却せずに食堂の外に放置された丼。見付けた食堂のおばさんが「置き去り犯を見つけた者には、食券二十枚進呈!」と言うのを聞いて反応した裏染に、柚乃は犯人を見つけてくれるよう頼む。置き去り犯が頼んだメニューは親子丼とソースカツ丼の二色丼だと判ったが、何故かソースかつだけが残されていた…
→柚乃と早苗が食事してるシーンの生徒たちの会話が「学園青春小説」的な演出かと思ったらばっちり伏線仕込まれてたのか~!頁制限あるからかもだけど、無駄がなくてすごいなと思った。
・風ヶ丘五十円玉祭りの謎:兄に誘われ寝入神社の「風ヶ丘納涼祭」にやって来た柚乃。屋台で三百円のたこやきを五百円玉で買うと、おつりは何故か五十円玉四枚で返ってきた。祭りに来ていた裏染も、かき氷を買ったら五十円玉で戻ってきたと言う。かき氷屋の店員に訳を聞くと、祭りの運営側が「縁起が良いからなるべく五十円玉でおつりを返すよう」言われたのだと言うが、納得がいかない二人は更に調べてみる事に…
→せこい…
・針宮理恵子のサードインパクト:金髪で目つきが悪く、評判の良くない二年生の針宮。実は密かに吹奏楽部の一年生・早乙女と付き合っていた。夏休み中、久し振りに学校で会った早乙女は、空き教室でパート練習中に買出しに行かされ締め出された事があったと言う。その日も買出しから帰ってきたところで、一緒に教室へ戻ると今日も鍵が閉められていた。いじめじゃないかと心配した針宮は翌日様子を窺いに行くと、やはり早乙女は締め出されていて…
→『体育館の殺人』にも登場した針宮視点の話。人物が掘り下げられていて針宮は本当は恐い子じゃないって判る。針宮可愛いよ。そして裏染の、針宮と部員が言い争いしている場面をチラ見しただけで「その場で何が起きていたか」を推測していたってゆうのの描き方がね…柚乃とは違う視点で書かれているので裏染の「何を考えているのか判らない」不気味さを際ださせている感じした。
・天使たちの残暑見舞い:演劇部のOB・宍戸が残した不思議体験の記録を発掘した梶原は、本当にあった話だと思うか裏染に尋ねる。裏染は柚乃と早苗を使って当時の再現をする事に。裏染たちのクラス・2Aの教室には二人の少女以外誰もおらず、二人は互いの背に手を回しキスしている…ように見えた。驚いた宍戸は教室から目を離さないまま後退りして十分程様子を窺った。再びゆっくりと教室に戻ると、そこには誰もいなかったとノートには書かれているが…
→裏染シリーズはそこはかとなく柚乃ちゃんを中心に百合っぽい雰囲気が漂ってるけど、これは更に百合百合しい(とはいえメインはミステリなので)…からのー百合じゃなかった展開。だけど本当の事は判らない…という思わせぶりなオチ。
・その花瓶にご注意を:私立緋天学園・中等部の仙堂姫毬は、裏染鏡華に最近学校で起きている問題の解決を頼む為教室に向った。鏡華は一年生の女子と一緒にいたが姫毬の姿を見ると逃げていった。再び一年生が戻って来た時、廊下に置かれた花瓶が割れていると報告する。しかし教室にいた二人は花瓶の割れる音を聞いておらず、不思議に思った鏡華はその謎を解くべく捜査を開始する…
→仙堂刑事の娘登場!犯人すごくむかつくやつだけど、最後に溜飲が下がったよね。
・おまけ 世界一居心地の悪いサウナ
→いつもは柚乃が言うセリフを裏染が言ってる!この男にも適わぬ推理狂がいるのね…
・もう一色選べる丼:食堂の食器を持ち出し、返却せずに食堂の外に放置された丼。見付けた食堂のおばさんが「置き去り犯を見つけた者には、食券二十枚進呈!」と言うのを聞いて反応した裏染に、柚乃は犯人を見つけてくれるよう頼む。置き去り犯が頼んだメニューは親子丼とソースカツ丼の二色丼だと判ったが、何故かソースかつだけが残されていた…
→柚乃と早苗が食事してるシーンの生徒たちの会話が「学園青春小説」的な演出かと思ったらばっちり伏線仕込まれてたのか~!頁制限あるからかもだけど、無駄がなくてすごいなと思った。
・風ヶ丘五十円玉祭りの謎:兄に誘われ寝入神社の「風ヶ丘納涼祭」にやって来た柚乃。屋台で三百円のたこやきを五百円玉で買うと、おつりは何故か五十円玉四枚で返ってきた。祭りに来ていた裏染も、かき氷を買ったら五十円玉で戻ってきたと言う。かき氷屋の店員に訳を聞くと、祭りの運営側が「縁起が良いからなるべく五十円玉でおつりを返すよう」言われたのだと言うが、納得がいかない二人は更に調べてみる事に…
→せこい…
・針宮理恵子のサードインパクト:金髪で目つきが悪く、評判の良くない二年生の針宮。実は密かに吹奏楽部の一年生・早乙女と付き合っていた。夏休み中、久し振りに学校で会った早乙女は、空き教室でパート練習中に買出しに行かされ締め出された事があったと言う。その日も買出しから帰ってきたところで、一緒に教室へ戻ると今日も鍵が閉められていた。いじめじゃないかと心配した針宮は翌日様子を窺いに行くと、やはり早乙女は締め出されていて…
→『体育館の殺人』にも登場した針宮視点の話。人物が掘り下げられていて針宮は本当は恐い子じゃないって判る。針宮可愛いよ。そして裏染の、針宮と部員が言い争いしている場面をチラ見しただけで「その場で何が起きていたか」を推測していたってゆうのの描き方がね…柚乃とは違う視点で書かれているので裏染の「何を考えているのか判らない」不気味さを際ださせている感じした。
・天使たちの残暑見舞い:演劇部のOB・宍戸が残した不思議体験の記録を発掘した梶原は、本当にあった話だと思うか裏染に尋ねる。裏染は柚乃と早苗を使って当時の再現をする事に。裏染たちのクラス・2Aの教室には二人の少女以外誰もおらず、二人は互いの背に手を回しキスしている…ように見えた。驚いた宍戸は教室から目を離さないまま後退りして十分程様子を窺った。再びゆっくりと教室に戻ると、そこには誰もいなかったとノートには書かれているが…
→裏染シリーズはそこはかとなく柚乃ちゃんを中心に百合っぽい雰囲気が漂ってるけど、これは更に百合百合しい(とはいえメインはミステリなので)…からのー百合じゃなかった展開。だけど本当の事は判らない…という思わせぶりなオチ。
・その花瓶にご注意を:私立緋天学園・中等部の仙堂姫毬は、裏染鏡華に最近学校で起きている問題の解決を頼む為教室に向った。鏡華は一年生の女子と一緒にいたが姫毬の姿を見ると逃げていった。再び一年生が戻って来た時、廊下に置かれた花瓶が割れていると報告する。しかし教室にいた二人は花瓶の割れる音を聞いておらず、不思議に思った鏡華はその謎を解くべく捜査を開始する…
→仙堂刑事の娘登場!犯人すごくむかつくやつだけど、最後に溜飲が下がったよね。
・おまけ 世界一居心地の悪いサウナ
→いつもは柚乃が言うセリフを裏染が言ってる!この男にも適わぬ推理狂がいるのね…