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江戸川乱歩/一人の芭蕉の問題、鏡地獄、黒蜥蜴
映像では見た事あった『黒蜥蜴』。初めて文章で読みました。原作こんな感じだったのか〜。

坂口安吾/盗まれた手紙の話

野村胡堂/銭形平次捕物控 129お吉お雪、132雛の別れ、133井戸の茶碗、134仏師の娘、135火の呪ひ、136鐘五郎の死、137紅い扱帯、随筆銭形平次 13平次身の上話、15捕物小説は楽し
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・P丘の殺人事件:坂口がロンドンに住む伯父の元にやってきて三ヶ月が経った。旅行に行くと書置きを残し姿を消した伯父は、後日公園で射殺された男の近くでまごついていた為逮捕されてしまった。
覚えてなかったけど、青空文庫で既読。解説によると、タイトルに「殺人事件」と付く早い例の作品らしい。

・最後の日:アヘン中毒になり、警察に追われる男が自殺前最後に書いた罪の告白文。

・眼鏡の男:私の元に警部補の叔父が訪ねてきて、絵の鑑定をして欲しいと言う。前夜殺人があった家にある絵画らしいが、話を聞くうちに、被害者が私の知人で、しかも私の訪問後に殺害されたらしく…
完全な密室状態だったと言いながら、次の章では電車移動中に窓ガラスが割られていたと聞かされている事になっている矛盾。ドウやら当時は「密室殺人」が一般的ではかったらしい。確かに、日本家屋において密室殺人を扱ったのは横溝の『本陣殺人事件』や高木彬光『刺青殺人事件』が最初期だったような…そう考えると1923年に発表された作品だし、仕方ないのか…
※昔は家に鍵をかけるという習慣があんまりなかったし(出掛ける時も近所に声かける位で戸締りは大体しない)、木と紙(襖や障子ね)で出来た日本家屋でドウ密室にするんだよって話で、当時の探偵作家で密室書きたい人は西洋建築を舞台にしていたのであった。

・緑衣の女:同棲していた女に通帳を持ち出され捨てられ金に困ったた画家は、以前絵を買ってくれたA老人にまた絵を買ってくれるよう頼みに行くが、生憎旅行中という事だった。失望してあてもなく彷徨っていると、彼を捨てた女を見付け…

・焼跡の死体:湘南K町に住み東京や横浜に通う者達の有志の社交クラブ・K会の例会に誘われた私は、久し振りで佐伯に会えるのを楽しみにしていた。しかし佐伯は姿を見せなかった。その日の遅く、K会の広田という男の事務所が火事になり、焼跡から焼死体が発見された。
いわゆるれいのあれです、おたくはすぐわかるやつ。

・ガラスの橋:酒場で人を殺し追われる夢をみた男。彼のみた夢は大体現実となるので酒場には近寄らないように過ごすが、ある日暑さでぼんやりしている間に当時世間を震撼させていた殺人鬼と間違われてしまい、警察の手から逃げる事になってしまう。
切り裂きジャックのような殺人鬼が登場。この殺人鬼は創作っぽい。実話を交えているので本当にあった事件からインスピレーションを受けて書いたみたいにも読める。

・タバコ:私が使いに出ている間に出納係の早川が死んでいた。一見自殺のようだが、私が出る前に主人から早川が預かった三千円が紛失していた事から殺人と断定される。駆けつけた巡査の仕事ぶりに感動した私は、その後警察官となったのである。
これ結構面白いと思った。

・ゆびわ:ロサンゼルスの中華料理店の奥部屋でコカインを大量に摂取した為死んだ夫人の指輪が無くなっていた。夫人と付き合っていたカナダ人、指輪の紛失に気付いた二人の男はそれぞれ出航し横浜へ向かった為、三人の内誰かが指輪を盗みあとの二人が追跡していると噂になった。
東京の不良青年が事件に巻き込まれてゆくパタン。

・日陰の街:ついに生活費が底をついた飯田は、友人の画家とニート生活の最後に外食へ行く。そこで見かけた美女をめぐる事件に巻き込まれてゆく飯田…
誰も救われない悪人一人勝ちのパタン。飯田の周辺に現れる乞食は飯田の被害妄想かと思ったら違ってた(主人公の精神がグラグラなパタンが多いのでこいつもそうゆうタイプかと…しかし事件に巻き込まれやすさは他の作品の主人公と大差ない)

・毒死:孤児の私は15の時に旦那に引き取られた。家業が傾くと、旦那は外で酒を飲むようになり芸者を囲うようになった。その旦那が猫いらず入りのお萩を食べて死んでしまったのだが、三つあった毒入りお萩の一つは庭に落ちていたのを私が溝へ掃き捨てたのだが、台所に残っていたお萩は二つ…旦那は毒殺されたのだ…!
旦那の死は事故として片付けられているが、これって(以下ネタバレ反転)毒入りお萩が鼠に持ってかれたと言ったのも、旦那に薬を与える役目の「私」を使いにやったのもおかみさんだので、やはり犯人はおかみさんって事だよね。旦那の死を本気で悲しんでるように「私」が感じたのも「取り返しの付かない事をしてしまった」という後悔からくるものだったと考えられるし。(反転終わり)

・指輪:ブラックリストに載る不良の羽振りが急に良くなった事を不審に思った刑事は、不良に大金を渡した実業家に話を聞くが、正当な仕事の報酬として与えたと言われる。納得のいかない刑事は捜査を続け…

・蝙蝠傘:八百屋の娘が行方不明になり、翌朝死体で発見された。
現場の見取り図が挿入されているんだけど、当時としては珍しい事で、日本の創作に見取り図を挿入した最初期の一遍と考えられるらしい。

・不思議な盗難:姪の結婚祝いに銀行から二千円を引き出し、宝石店でプラチナの台座に真珠をあしらった首飾りを購入した博士。だが、自室へ戻って窓の外を5分程眺めている間に首飾りは紛失していた…
不可能犯罪か!と思わせといて、HI DO I O CHI^^

以下は元探偵のマーシャル氏と懇意になった私が毎週土曜に氏の探偵譚を聞いて書き留めたものである。故にサブタイが<土曜物語>。
正直、どれもさほど面白いとは感じなかった。
・ワット事件 <土曜物語その一>:マーシャル氏、ワット氏に犯罪の片棒を担がされかけるの巻。金の力で買収出来んと判ると命を狙われたりワット氏に買収された人から罠に嵌められかけたりマスコミにデマ書かれたり大変だったよーという話。

・少年の死 <土曜物語その二>:モルヒネ中毒の少年の行方を捜すマーシャル氏。他人の空似さんを目的の少年と早合点するってゆうのをはさんでくるのがなんとも言えぬドタバタ感。

・毒筆 <土曜物語その三>:メイドに送られてくる誹謗中傷の手紙に心を痛め、マーシャル氏に犯人探しを依頼する老婦人だが…


まつもと・たい(1887-1939)
東京都生まれ。本名は泰三。
慶応義塾文学科在学中に「樹陰」でデビュー。卒業後イギリスに三年間留学、半年後再び渡英し、伊藤恵子と結婚。
帰国後、1921年に探偵小説のデビュー作「濃霧」を大阪毎日新聞の夕刊に発表。
親類の勧めで、奎運社を興して『秘密探偵雑誌』(のち『探偵文藝』と改題)を発刊し、探偵小説の創作や翻訳に活躍。
・創作篇
電話を掛ける女:我侭な恋人に指定された時間に電話するため、電話を借りに泥濘を急いでいた竹友吉雄だったが、前を歩く美人に先を越されてしまう。彼女は異様なイントネーションの言葉で通話しており、最近外国語のような奇妙な言語での脅迫電話が流行っているという話を思い出す。彼女が掛けた電話番号を調べると、そこは一年前から絶縁状態にある元検事の伯父の家だった。一年振りに伯父の家を訪ねると、電話を掛けていた美女が秘書として雇われていて…
主人公がぼんやりし過ぎ!なんかやきもきする。マァ、鋭過ぎちゃあ短編にすらならんけどさぁ…

原稿料の袋:酔っ払い探偵作家が殺人を見せてやると言われてのこのこついて行ったらほんとに目の前で女を殺して凶器を記念に渡されぼんやりしてたら犯人にされてしまってわあわあする話(雑過ぎる紹介)
探偵小説家・土井江南(どい・こうなん。コナン・ドイルのもじり)を主役とした作品。横溝、水谷準、乱歩がモデルのキャラもちょぼっと出ててにやにやする。


鍵なくして開くべし:酔っ払い探偵作家・土井は、気付いたら知らない美女とタクシーに乗っていた。美女に案内された家で、守銭奴の父が溜め込んだ財産の在り処を見つけてくれないかと相談され…

囁く壁:酔っ払い探偵作家・土井は、行きずりの美女に小さな紙包みを預けられる。暫く歩いていると、紙包みを掏られた土井は犯人を追って建設中のビルに乗り込むが、そこには男女の死体があった。その上、土井と死体しかいない部屋から不気味な声が聞こえてきて…

真夜中の円タク:死体をバラバラに切断し遺棄する事件が発生した。首も見付かっているが被害者の身元は判らず、犯行現場すら判明しない。土井江南は新聞記事や鑑識の話から独自の捜査を始める…
珍しく素面の土井江南。と思ったらやっぱり酒のんでぐでんぐでんに^^マァ、結果オーライなオチ。
※この作品は昭和7年3月7日に発見された「玉の井バラバラ事件」の犯人を、新聞記事の情報を元に推理するという雑誌の企画で書かれたもの。大下宇陀児も書いたらしい。

・評論・随筆篇
「呪はれの家」を読んで/印象に残る作家作品/探偵小説はどうなったか/探偵小説の将来/実は偶然に/本当の探偵小説/エレリー・クイーンの『和蘭陀靴の秘密』/漫想・漫筆/新探偵小説論/探偵小説と批評/探偵小説とポピウラリティ
とっても有名な「木々・甲賀論争」だけど、イマイチ理解してないんだよね…「文学=登場人物の背景や心情、所謂“人間が書けている”」「芸術=犯罪の背景よりもトリックに創造性があり、探偵小説的趣向が強い」という括りなのであれば、私は断然芸術論派だな…“人間が書けていない”とかいう訳判らん批評屋が新本格派を貶してた時代からのミステリファンなのでね…そうゆうのに反感があるんじゃよ…
とはいえ、甲賀三郎が芸術的な作品を創造してたかってゆうと疑問(それほど作品読んでないけど…)。

こうが・さぶろう(1893-1945)
滋賀県生まれ。本名は春田能為(よしため)。
東京帝大工学部化学科卒。農商務省臨時窒素研究所技師となる。同僚に大下宇陀児。
1923年「真珠塔の秘密」でデビュー。
1936年『ぷろふいる』誌上において、木々高太郎と探偵小説の芸術性、「本格」と「変格」の是非を問う大論争を繰り広げる(探偵小説芸術論争)。
1945年、少国民文化協会の学童疎開の緊急会議で九州に出張。その帰途で、超混雑の鈍行列車内で急性肺炎を発症。深夜岡山駅で降り病院に入院、翌日死去。
この時、出征前に甲賀に託したと伝えられる大阪圭吉の長編探偵小説は今も見付かっていない。
平成生まれのミステリ作品です。第22回鮎川哲也賞受賞作。

六月。バケツの底が抜けたような雨の中、卓球部の練習所である旧体育館に向かう一年生の早苗と柚乃(ゆの)。
体育館には授業が早く終わったという二年生で部長の佐川と、教師で顧問の増村が既に居た。練習台を準備していると、ドーン、ドーンと太鼓を叩くような音が響く。
そこへ演劇部部長の梶原が顔を出し、誰か舞台の幕を下ろしたかと聞く。佐川は放送部の部長・朝島だろうと答える。幕を上げると、そこにあったのは胸にナイフを刺され、既に事切れた朝島の姿だった。
犯行時に旧体育館は密室状態だった事から、一人の時間があった佐川が疑われる。柚乃は部長を救う為、先の中間試験にて900点満点を取った二年生の裏染天馬に助けを求めるが…

この裏染君、学校にも家族にも内緒で校内の文化部部室に住み着いている重度のアニメオタクという設定。探偵の造形から、ライトノベルみたいな感じなのかなァ(読んだ事ないけど)と不安に思っていたが、私が未知の作家を読むか読まぬかの規準にしているネタバレ書評が評価してたからトライ。
結果、すごく面白かった。
怒涛のロジックで佐川部長が最も犯人から程遠い事を刑事に解説、部長の疑いを晴らした天馬は更に真犯人を突き止めてくれと部長から依頼される。因みに部長を救う為に10万、追加料金5万で引き受けるというビジネスライクな探偵。
旧体育館の男子トイレに残された新品同様の高級ブランド紳士傘から、佐川の無実、容疑者の範囲の絞込み、そして密室トリックの解明と、一つの証拠品からここまで情報を搾り取るかって位に搾り取ってる。すごい。
江戸川乱歩/赤いカブトムシ
えッ…まほうはかせは自腹でルビーのカブトムシ作ってまだるっこしい方法で少年探偵団に寄付したって事??ツンデレかよ。

野村胡堂/銭形平次捕物控 119白紙の恐怖、120六軒長屋、122お由良の罪、123矢取娘、124唖娘、125青い帯、126辻斬、127彌惣の死、128月の隈
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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