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[創作篇]
・幻視→1936年発表。奇妙な物語そのいち。飛び下り自殺者の元へ現れた不思議な老婆。
・深夜の光線→1936年発表。奇妙な物語そのに。深夜、医師がふと眼を覚ますと照明が消えているのに室内が明るい。光源には妻らしき人影が。翌日、ある患者の死を聞かされ…
・悲しき絵画/失恋によって鬱々と過ごす私の元に届けられた一枚の絵。友人の信夫からかと思い半年ぶりに再会し絵を見せると、南里の絵だと断言されてしまう。南里は私の恋人を奪った相手だった…
→1936年発表。
・踊る悪魔/五十年前の殺人事件の話…華族の屋敷で起きた殺人の犯人として逮捕され病死した男。彼の無実を知っている私こそ、真犯人なのだ…
→1937年発表。
・ビロードの小函→1946年発表。列車内でダイヤの指輪を取り出した田舎爺さん。偶々その列車に乗り合わせた刑事は指輪が盗まれないか心配になりこっそり監視をするが…予想外の結末。
・ギャング牧師→1947年発表。夢遊病中に銀行を襲い、人殺しをしてしまったかもしれないと怯える俵原牧師と、催眠術で犯罪を行わせたと豪語する催眠術師。結局何が何なの…
・屍体を運ぶ→1947年発表。そんな、戦後の物品不足只中にアッサリ米をくれる人怪しいって!ほら!やっぱ死体送り付けられてるじゃんんん~~!!からのそっちか~~~~!!!
・落ちてきた花束/刑事に昇進した水野は、強盗に遭い丸裸にされた映画監督の流と知り合った。彼の友人だという最上を紹介されたが、水野は最上が詐欺師である事を知る。そこへ殺人事件の連絡が入り、現場付近で出会った流を水野は怪しむ…
→1947年発表。
・二科展出品画の秘密→1947年発表。会社社長の別邸の農園管理人として雇われた男。社長の若い後妻が自分の元恋人であり、社長には妾もいる事から殺意を抱く…元恋人、そんなに良い女か?美人なだけだと思うが…あと、大団円にしようとしたのか、このオチ雑じゃね??
・第四の被害者→1948年発表。大連から引き揚げてきた女が語る大連で起きた三つの殺人事件の話。かーらーのー…
・訪問→1948年発表。方向音痴の人の話。
・鉄に溶けた男→1948年発表。罪の意識に憑りつかれた男が自滅する話。そして、やっぱりアレは幻覚だったのね…
・湖上の殺人→1948年発表。湖上のボートで刺殺された男。発見時、近くには誰も居らず…トリックを弄し過ぎる。
・朝顔競進会→1948年発表。朝顔と恋愛話。
・色眼鏡→1948年発表。先入観の方(ネタバレ)
・人形師→1949年発表。見付けた首吊死体をモデルに人形を作ったら悲劇の連鎖が起きたよって話だが、深読みするとホラーに見せかけた殺人だという疑いもなくはない…
・狭き門→1950年発表。入社面接の話。めちゃくちゃ意地が悪い会社だな…入社しなくて良かったと思うよ。
・川端の殺人→1951年発表。浮気妻の夫が殺され、妻の浮気相手で当日口論していた男が第一容疑者となるが…
・隣室の男→1952年発表。読んだ事あるなーと思ったら「幻のメリーゴーラウンド」の別パタンだった。こっちは画家が死なないパタン。
・双眼鏡殺人事件→1959年発表。妻を尾行したら他の男との逢引現場を目撃した夫。百貨店から双眼鏡で二人の様子を見てたんだけど、ウッカリ双眼鏡を落として通行人に当たっちゃった☆という何とも迷惑な話。
・夜汽車の男→1963年発表。人を殺し、列車で逃げる男。彼を鋭い目付きで見つめる髭面の男との駆け引き。
・もうひとつ埋めろ→1964年発表。幻想と現実の区別がつかなくなった男がかつて住んでいた家を訪れ、現住民に養父殺しを匂わせ迷惑をかける話。
・運の神→1948年発表。農村を舞台としたもの騙す者・騙される者。
・続 運の神→1949年発表。上記の続編。未完。

[随筆篇]
宿蟹/ひと昔/クヰーン、レストランの魅力/名古屋を語る/近頃の探偵小説は造花である/西田老礼讃/隣の家
→「隣の家」は「訪問」の元になった方向音痴エッセイ。酒井嘉七がお隣さんだったのか!
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大正初期に翻案されたルパン物のうち、ホームズが出てくる作品をまとめたもの。

・秘密の墜道(トンネル)→複数人の共用ペンネームである「清風草堂主人」による「遅かりしシャーロック・ホームズ」の翻案。1915年刊行『秘密の墜道』収録。
・神出鬼没 金髪美人→1913年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』前半部分である「金髪美人」の翻案。
・春日燈籠→1912年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』後半部分「ユダヤのランプ」の翻案。日本最古のホームズパロ(翻案)。
・大宝窟王 前編→1912年。
・大宝窟王 後編→1913年。三津木春影による『奇巌城』の翻案。これはホームズ(=保村)ではなく少年探偵ボートルレ(=三井谷散史みいたにさんじ)がルパン(=鉄光)のライバル。

なんというか…ルパン読んだ事ないから知らんけど、作中で紳士怪盗とか持て囃されてるけど、こいつのどこが紳士なん…???という感じ。エッ、本当のルパンもこんな感じなの??こんなやつに惚れんだろ…嫌な奴ジャン…
患者を安楽死させ有罪となった医師、ドゥーカ・ランベルティ。三年の刑期を終えて医師免許を剥奪されていた彼が得た仕事は、アウセリ技師の息子・ダヴィデのアルコール中毒を治療する事だった。
その夜、ダヴィデは手首を切る。ドゥーカはダヴィデのアルコール依存と自殺未遂の裏には法に触れる事があると感じとる。ダヴィデは、去年女を殺したと告白する…


1966年発表。イタリアン・ノワールの父と呼ばれる作者晩年の作品。
ダヴィデの女殺しは、「自分が彼女を放置しなかったら自殺しなかったかも知れない、だから自分が殺したも同然」という罪悪感によるものだとすぐに判明。しかし彼女の忘れ物の中に犯罪に巻き込まれたのではないかという疑惑を起こさせるものが混じっていた事から、知り合いの警察官を巻き込んで捜索を始める。
その過程で出会ったのが、被害者の友人でヤバイバイトの話を聞いていたリヴィアという女性。彼女はドゥーカの裁判を傍聴し、彼は無実(=安楽死したい人がいるなら安楽死させてあげれば良いじゃない派)だと信じたり、実験的に売春をしてみたりなかなか癖が強いキャラ。
事件の方は、当時のイタリアの暗黒面が描かれていて興味深い。

以下ネタバレ感想↓↓


基本は宮野叢子名義。
[創作篇]
・令嬢殺人事件→発表年不明。勝気な美少女とドエムな美少年の組み合わせは悲劇しか生まない。谷崎み…
・いたずら小僧→1950年発表。あの証拠で犯人自供に追い込めるのかな…?ちょっと弱い気もするけど…
・紫苑屋敷の謎/志乃の祖母・イチは盆の宵に昔仕えていた紫苑屋敷へ長い祈祷を捧げた後、屋敷の主人・秋場家の墓参りに行くのが例年の習わしになっている。そして、秋場家の墓参りが済むと、秋場家へ強盗に入り若い主人に打ち殺された男の墓に詣でるのだった。志乃はふいに、その強盗犯が祖母の知る者ではないのかと思った。それを祖母に問うと、誰にも言わなかった紫苑屋敷の秘密を語りだした…
→1950年発表。遠い過去の因習と好奇心がもたらした悲劇。
・夢の中の顔/姉からの薦めで療養にやってきた山の宿。そこは十七年前、姉夫婦が宿泊し、夫が事故死した場所だった。恐ろしい夢を見てうなされる妻を姉に託してやって来た事を気にしながら、十七年前の事故について詳細を聞いてしまった弟は…
→1958年発表。書簡体。結末は、マァ、判っちゃうよね。
・銀杏屋敷の秘密/永らく空き家だった銀杏屋敷に借り手がついた。千代の親友・光江が若夫人の小間使いとして雇われたが、「あの家は恐い」と言い残し姿を消した。屋敷では男と駆け落ちしたと説明したが、光江の性格を知る村人たちは信じなかった。そして、今度は千代が若夫人に仕える事になり、光江の行方と銀杏屋敷の秘密を探ろうとする…
→1953年発表。狂気しかない。



・考へる蛇→1951年発表。男ってのは、バカだよねェ…
・猫と鏡→1951年発表。タイトルの通り。ショートショート。
・愛憎の倫理→1951年発表。戦死した夫の弟に思慕を寄せる女と、妻と間男を殺した男の愛という憎悪の話。弟巻き込まれ。
・ナフタリン→1951年発表。美少年にご用心。
・神の裁き/映画を観に行く約束をしていたのに現れない友人・弓子の元を訪れた時子。弓子の隣室に住む光枝が管理人に鍵を開けさせると、弓子と母親は服毒自殺をして冷たくなっていた。光枝の様子から、二人が何故死んだのかを知っているのではないかと感じた時子は、後日光枝の元を訪れ…
→1952年発表。必殺仕置き人。
・相剋の図絵→1952年発表。死んだ父親に激似な息子、親代わりの叔母と嫁の間で揺れるの巻。男ってのは、ほんとバカだよねェ…
・悪魔の魂→1952年発表。思春期の夢見がちボーイ、兄夫婦を神聖視し過ぎて破滅させるの巻。
・ヘリオトロープ→1953年発表。かつて愛した女と再会した男。嫉妬が深すぎる死にかけ妻による生霊ヤベー。
・二冊のノート→1953年発表。こわい。
・悪魔の瞳→1954年発表。夫を殺した妻の独白。どんな女性もじっと見つめれば落とせるという厨二設定の眼を持つ夫。
・廃園の扉→1954年発表。万事につけてライバルだった女と寝た夫を恨んで家出した妻。寄りを戻させようとする夫の弟。だが、夫が殺され弟が逮捕されてしまい…
・手紙→1958年発表。一通の手紙を巡り、運命を狂わされた三人の男女の話。息子いけすかねーガキだな…
・愛憎の果て→1960年発表。宮野得意の両極に烈しい性格の女子の話。

[随筆篇]
アンケート/孫の言葉/姉女房/ひとりごと/私より長生きを/某月某日
→「孫の言葉」は還暦乱歩へのメッセージ、「私より長生きを」は師事した木々へのメッセージである。
少女を絞殺し、喉にハサミを突き刺す連続殺人犯――通称ハサミ男。
わたしは、次の犠牲者に選んだ少女の死体を発見する。彼女は絞殺され、喉にハサミを突き刺されており、ハサミ男の仕業である事は一目瞭然だった。しかしわたし――本物のハサミ男である私は彼女を殺してはいない…

1999年発表。
自殺未遂を起こす度に現れる〈医師〉に唆されハサミ男の模倣犯を探すわたしと、ハサミ男を捜査する刑事たちのパートで構成されている。

以下ネタバレ感想。


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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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