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法医昆虫学者の本。死体に集る虫って興味あったんだよね、読んでみたらこんなに可能性のある分野なんだと驚いた。
何が凄いって、蠅は死体の腐敗臭に誘き寄せられる訳だが、早いやつは死体が外部に晒されて10分以内に到着するそうです。本当の第一発見者は蠅なのである。
その蠅が死体の開口部に卵を産みつけ(あるものは幼虫を死体に産み落とす)ウジが黙々と死体を処理してく訳ですよ、そのウジや蠅を捕食する虫も集まってきて、死体はヒトだったものというよりは虫にとってライフサイクルの一つと化してしまうのです。食物連鎖です。しぬってこうゆう事なんだな・・・
で、その虫たちを研究すれば死体発見時からどれだけ放置されていたのか、あるいは別の場所で殺害されてそこに遺棄されたのかが、いつも正しく、という訳ではないけれども推定出来るという学問。
さらに凄いのが、虫からも被害者が摂取した毒や麻薬が蓄積され検出出来る事、蛹の殻は丈夫なので何年後かでも毒物測定が出来るらしい。すっげ。
hae.jpg
読んでてメモ。多分絶対間違ったグラフ。

全く話は逸れるけど、ブルーノ・ムナーリ展にいきたい。刈谷市美術館~10/26(6.14.20休館日)
グラフィッカーであり絵本作家でありインテリアデザイナーでもあり色んな創作をし続けた人。故山村美紗さんみたいだな、と思う人。私はトレペで作った霧の絵本が見たい。
誰か・・・刈谷までいかない???
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金田一耕助ファイル11、花園の悪魔改題の短編集

・生ける死仮面
金田一シリーズに欠かせないものそのさん位に位置する美少年でました。
男色家が死んだ愛人を愛撫しているところをお巡りさんが見つけて逮捕したが死者は本当に辰男なのか・・・??というところが二人一役トリックの王道!てかんじで良い。一人二役とか二人一役って案外すぐに判ってしまうのでどこまで伏線張ってどこまで読者をミスリード出来るかってのが作家の腕の見せ処だよね。て、何故上目線。

・花園の悪魔
これはトリックすぐ判った。2-1=0のとき、被害者の身元がばればれだったら考えられる答えはひとつ。伊達にミステリばかり読んじゃいないよ!
トリックが難しくなくなくても終わり方が詩的で美しいと思うのでとても良い。これが表題作だったのも肯ける。

・蝋美人
博士は抗えない運命に翻弄され人生を踏みにじられた可哀想な人物だったと思う。
白骨死体に肉付けして生前の顔を復元して身元を割る手法は今だと当たり前だけど(尤も、今では全部PCによって肉厚とかの平均値を割り出しCGでちゃちゃーと合成出来るが)、当時は結構冒険的な手法だったようで。これっていつ頃からやりだした方法なんだろ・・・
調べた。1895年、スイスの解剖学者ヴィルヘルム・ヒスによって患者の等身大模型が制作され始めたのが複顔の起源だそうな。案外手持ちの本で判るもんだなー。

・首
300年前の農民一揆勃発の引き金となった事件の話から始まる。その事件に酷似した状況で死体が発見された。翌年、再び同じ状況で死体が発見され、村人達は祟りだと言う。
トリックはさっぱり判らなかったけどミステリ慣れした勘で犯人は判った。
頚部の切断という猟奇趣味な表現はあるものの、人情味溢れる結末だと思う。犯人もいいひとだった・・・ぶわっ!
カーじゃないよ、横溝正史だよ。
なんか紛らわしい名前だなーと思ってたけど夜歩くで正解。そうです巨匠に向かって大変失礼な事考えてました御免なさい御免なさい。
少年探偵シリーズ読んだ後の金田一シリーズってまた!怪盗ものから猟奇殺人だよ、猟奇。
さいしょ佝僂読めんかった・・・せむしだよね、そうそう。
首のない佝僂の死体、そして出てきた不気味なお婆さん。今回は預言者ではない。被害者の乳母であった。
こうゆう忌み嫌われ系お婆さんと白痴的美女(道徳感に欠けてたり破天荒だったり自由過ぎる女性)が出てくると「ああ、今、私金田一読んでる・・・ッ」という気持ちになります。
凶器の刀のトリックは判ってたんだ・・・でもあの嘘が見抜けなかったから繋がらんかった・・・
断片的にしか物事を捉えていない証拠ですな、もっとリンクさせて考えないとなー、実生活でも応用しないとクリエイティブな事なぞ出来ないなァ・・・あー・・・
因みに。心理学を学んでいた立場から言うと、大人の夢遊病者ってあんまいないです。多くは子供の頃に発症して大人になるにつれて症状が消えてゆきます。違ったっけ???(ほんとに心理学専攻してたの・・・??)
ほ、ほら私どっちかというと犯罪心理学に傾倒してたから!あいまい!
少年探偵シリーズ8作目。
二十面相が脱獄宣言し、ついでに四十面相に改名すると公表。まんまと脱獄。ついでに舞台にも出てしまう。
何でもありだな怪人二十、もとい四十面相。
黄金髑髏のお宝探しに化け物が住むという無人島へも冒険に行ってしまう。当時のこどもが好きそうなものごとが詰め込まれている。
途中チンピラ隊というのが登場してきて驚いた。なに、このこたち・・・7から登場してんのかしら。
四十面相が小林君の事チンピラチンピラいってるし流行ってたのかな・・・??
今回は少年探偵団の出番まったくなし!密かに人物表制作している私としては11人全員の正体が知りたい。
何度もいうけど、小林少年はほんと将来有望そうだなぁ・・・若干おんなのこみたいに描かれているけれど。
そういえば四十面相は美術品がだいすきだけど血や暴力はだいきらいという悪党な訳で。
それを利用して小林君は監禁されてたところから逃げ出す訳だけど。
火事騒ぎのなか、真っ先に「小林を助けなければ」と思った四十面相はいいひとだと思う。
小林君を閉じ込めてた地下室からすんごい煙出ててたじろいだけど脇目もふらず小林君を助ける為に室内に入っていった四十面相はいいひとだと思う。
そんないいひとを出し抜いて逃走した小林君は将来がちょっと心配になった・・・明智先生に心酔してなかったらわるいおとなになってしまうかもしれん・・・
今回は「あけちせんせいばんざーい」で締め括られてはいなかった。ちょっと残念。
現代の日本人探偵御手洗と19~20世紀に活躍した英国探偵ホームズが21世紀の霧深き英国で推理対決しちゃうというパロディ本。パロディというか島田荘司本人からパスティーシュのオファがあったというなんか凄い本。パスティーシュってなに。
著作権云々でなにかと煩いご時世ですが島田荘司は割と同人誌とかに理解を持っておられる方なのでこうゆう企画が通っちゃうんだなぁ、過去に石岡本の監修もしてたしな。
この本にもしっかりエッセイが収録されているので即購入した。なにしろ「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」往復書簡ですから。おたくは買っちゃうよ。
で、柄刀さんのすごいとこは御手洗のキャラクタを完全に表現しちゃっているところ。凄い・・・途中で島田荘司読んでる気分にうっかりなってしまった。すごい。
ただ、石岡はそんなに馬鹿じゃ・・・いや、こんなもんか・・・

・青の広間の御手洗
後天的脳障害などについての講義と共に。
いやーこの犯罪者の脳に先天的な欠陥があるのではという考察は福島先生が仮に殺人脳(2003年)と名付けたやつだよね!と、過去に読み漁った文献を思い出してついでに卒論で犯罪関係の本読みまくって一時どんよりしてた事を思い出した・・・
それにしてもなんか石岡をおちょくる御手洗を見ると山高帽のイカロスを思い出すな・・・いちゃついてるようにしかみえん・・・
+++メモ+++
カプグラ・シンドローム:親しい人間を偽者と主張/コタール・シンドローム:自分が死んでいると思い込む。視覚認識⇔情動間に切断か(視覚情報が扁桃体に届くことで、見ている対象に相応しい感情の実感が得られる

・シリウスの雫
まずタイトルが格好良い。月と青酸位格好良い。さかさま階段のある遺跡にもたれるようにして遺棄されたさかさまになった遺体・・・このシチュエーションも格好良い、斬首された首がテーブルに置かれてるのとはまた違う奇抜さがいい。
そいで遺跡の謎も古代人の思いもひとつの可能性に辿り着かせるところも良い。
不自然に遺棄された理由もいい・・・ちょっと泣いた。この中で一番好きな話です。

・緋色の紛糾
日本にステイしているホームズサイドの話。密室殺人の謎。なるほどねーーー。
ワトスンが最後までホームズの推理を信じ込み麗しき女性を男と勘違いし続けるってゆうギャグがいいんだ・・・なんかしゃべくり探偵みたい(お笑い系だから)

・ボヘミアンの秋分
再びホームズ。孤高の探偵に麗しき女傑はつきもの。明智にも文代さんとゆう女性探偵がいたしな、金田一は女傑じゃなくて叶わぬ恋をした可憐な女性がいたし。

・巨人幻想
霧の中現れた巨人、大学構内で見かけた黒いケープの老人、水面に映る痣のある顔、巨人の歩いた足跡、そして火の玉、地上数十メートル地点で起きた爆発、密室で発見された刺殺体(生きてたけど)・・・
まさに幻想ってかんじにどんどん謎が出てくる。出し惜しみしないなー柄刀さん。
最後に御手洗vsホームズ。推理と推理、論理と論理の応酬だぜ!
そして石岡とワトスンの奇人探偵に肝を冷やされる同士の友情・・・はとくに芽生えなかったようだ(往復書簡によると


関係ないけど9日23時過ぎ、スバ家の前でひったくりがありました。「ひったくり!」てすんごい叫び声聞こえてびびった。さっき現場検証してったみたい。
被害はなかったそうですが(聞こえてきた声によると)気をつけんきゃなぁ・・・おそがい世の中だ。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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