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今回は犯人を当てにいこうと思いながら読んだ(いつもは犯人当てにいく気ないんかとか言わない)
かの有名な探偵たちは帰納法だとか消去法だとか探偵術を駆使して犯人を割り出そうとしている訳であるが。
私もオリジナルの探偵術で挑んでみた。
その名も「セオリー法」!
これは大抵のサスペンスドラマの犯人当てに役立ちます。
という訳でセオリー法解説しつつ犯人をみつけてみよう!

①探偵あるいは語り手が犯人であるケース
これはあんまり頻繁に出来ないけどふいにくるとびびるタイプ。
今回のEQシリーズには当て嵌まらない。しかし作者はこのタイプに大分執着していたらしく、この為だけに探偵を創作し、その探偵を犯人に仕立てる為に前フリの長編を3本も書いている。平伏!

②探偵が好意を寄せた相手が犯人であるケース
これがセオリーであった2時間ドラマを私は知っている。
当時のEQは女性に関心薄なのでこれも関係なし。

③ふいに出てきた警察関係者あるいは素人探偵が犯人であるケース
ほいきた。本職でもないのにやたらしゃしゃりでてくるイレギュラーな素人探偵は要注意人物です。
あとはシリーズものに突然現れたエリート刑事とかね、捨て駒的に犯人のケースがある。意表を突くのが目的か。
で、本編。
いるよいるよ、良く判らん民間出の長官が!
民間のくせにリチャード警視の上司になって難癖つけたりマァリチャード警視の仕事能率を引き下げる男です。
こいつだ。警察内部の人間なら麻薬捜査班の動きも把握できるし、こいつで決まりだ!セオリー法強し!
読み進める。犯人を指摘する場にやってきた長官。ふふん、たいして役に立ってもいないのに現れたな。
ふんふん、事件関係者は悉く容疑者から除外されてゆく。
・・・む?雇われててアパートに入る機会がないひと・・・??
あれ・・・
あーーー!
しろうと探偵が自殺した!そういやいたなしろうと探偵!
セオリー法③は正しかった!

てゆうか既読本なんだよね、全然覚えてなかったってどゆこと??
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高校時代のミステリ友達に触発されて国名シリーズ再読に至る。
090223.gif
あきらかに一冊だけ扱いが違っている。

このまえ横溝正史読本あたりで「エラリー(作中のほう)は初期だいぶいやみったらしくて」云々と書かれていたが、改めて読んでみるとほんとだーー!と思った。
ロジックに傾倒し過ぎてなんかやなやつになってる。あと引用多すぎ。
すっかり忘れてしまっていたけど、エラリーもさることながら、父親のリチャード警視のずば抜けた記憶力に驚かされる。すごいよこのじいさん。
というか作中のエラリーデヴュー作だのに探偵途中棄権して旅に出てしまってる。お父さんに旅先から助言を与えて事件解決に一躍買ってるけど。
息子の不在で寂しい警視は何でも屋で部屋女中ではしこいジューナを連れて参考人と問答するとか、どんなけ寂しがりやなんだ・・・!可愛いじゃないか・・・!そんな警視の気持ちを察して息子の代わりに甘えてあげるジューナは良い子だ。
エラリーのジューナが出てくる話読むと決まってうちにもジューナひとり欲しいと思ってしまう・・・だって何でも屋だよ、空気読んで部屋のすみっこに座り込んで微動だにせず人間観察出来るんだよこの孤児は。
しまった本の感想全然書けてない。
えっとこれは読んでたら犯人思い出した。良かった何となく覚えてた。
初版昭和10年のものを平成15年に復刊したもの。
お値段8000円。
が、古書展で840円になっていた。
復刊と銘打ってあるだけあって本気の仕上がりである。
090215a.gif
そいで本文
090215b.gif
漢数字以外は全てルビ有りなのでどうにか読める。
この写植職人が一字一字埋めた感が堪んないよねこのご時世に敢えてこの手作り感を残して復刊させるとは心意気が違うぜ。
再読。案の定全く覚えていない。

・ブラウン神父の秘密
短編4冊目にしてフランボウが探偵廃業、嫁貰って大家族でスペインの城に住んでる!
そんな簡単に城に住めるんかスペイン。山ん中だけど城だぜ、電気もガスも通ってないけど城だぜ。
この話はブラウン神父がいかなる方法で探偵をして犯人を突き止めるのかをフランボウの城の隣の城を借りて生活しているアメリカ人観光客に対して語って聞かせている。
以下ブラウン神父が関わった犯罪実録。ブラウン流探偵術の実例です。
てゆうか観光で城借りて住むって何。

・大法律家の鏡
裁判官が何者かに銃殺され反社会派かなんかの詩人が容疑者として捕まり裁判にかけられるんだけどブラウンは彼が詩人であるからこそ殺人など犯す訳が無いと言う。

・顎ひげの二つある男
大泥棒が釈放され、どうやら住んでいる村に引っ越してきたらしい。エメラルドの首飾りが盗まれ、犯人は首飾りの持ち主の息子に射殺されたが、彼が本当に盗んだのか。
「罪を償う」とは何か、チェスタトンの宗教観やら人間観というのかが描かれている。と思う。

・飛び魚の歌
前から思っていたけど、17世紀の人はインド人とかアジア人に対してものすごく夢を見ている。魔術師だと思ってる。いっこの眼でみた価値観で全てを語る傾向。
あと、金で出来た魚って、高価なものでもあんまり欲しくないなぁ。

・俳優とアリバイ
しょうあく!!!!

・ヴォードリーの失踪
人間の心理の盲点を突いてる。殺害方法にしても死体の始末の方法にしても。
あとヴォードリーしょうあく。いんけん。

・世界で一番重い罪
ブラウン神父の家系がちょっぴり垣間見れる作品。姪っ子がいたとは。
罪を隠そうとする気持ちと暴露し驚かせたい気持ちの歪な現れ。

・メルーの赤い月
またもやインドの魔術師。東洋かぶれの夫婦が所有する大きなルビー「赤い月」がインド人の黒い手によって盗まれたが、どこにもルビーは見当たらない。
最後の神父の台詞「そして、これもまた盗まれたものです」が深い。

・マーン城の喪主
チェスタトン必殺一人二役。
ご都合主義の利己主義者たちと、社会につまはじかれた罪人に救いの手を伸べる神父。

・フランボウの秘密
南半球では警察が血眼になって捜している元大泥棒の告白。
金田一耕介初登場の『本陣殺人事件』と同時期に書かれた作品。
こっちの探偵役は金田一とは正反対の、白髪で、洋装で、マドロス・パイプを愛用する眼光は鋭いが全体的に見ると柔和な印象の中年紳士、由利先生こと由利麟太郎である。
名前だけ聞くとなんとなくEQか誰かの元舞台俳優探偵を思い出す。なんとなく。
この作品は以前書いた『横溝正史読本』で坂口安吾にネタバレされたものである。
犯人知ってるんだけどというなんかむやむやした気持ちで読む。

・蝶々殺人事件
あーーーー!!15頁目で犯人の名前が!うあー、うあー。
マァいいや、動機とかトリックとかはばらされてなかったから。
コントラバス・ケースから出てくる歌劇団団長の死体と薔薇の花びら。被害者が生前、大阪行きの列車に乗る前に楽譜による暗号を受け取っていたという事実から半年前に東京で起きた未解決殺人事件との関連が現れる。犯行現場は東京か大阪か。
というアリバイトリック。
まさか死なんだろうと思っていた使えない男まで殺害されてしまうし、犯人が半端ない衝撃を受けていた画家の服毒自殺の記事だとか色々出てくる。
そんで由利先生が関係者を一室に集めてパイプにひもをひっかけてくるくる捩る。
トリックを見破られ逃げ出そうとする犯人と格闘する新聞記者で由利先生の助手の三津木。
格闘の末犯人の顔が露見する!
・・・あれ。
犯人違う人なんだけど。
あれ・・・??
『横溝正史読本』読み直す。坂口安吾、やっぱり「犯人である志賀は――」とやっている。
・・・さかぐち!!!!!
しかもアリバイトリックにふれていた。犯人バラされてたので思わず見逃していた。
志賀さんはいっさい無実であった。すまん、ずっと犯人と思い込んで読んでいただよ。
衝撃的だったのは由利先生が多分一回り以上年がはなれている娘と結婚していた事である。まさかの展開。
そして続くよ「カルメン殺人事件」

・カルメン殺人事件
蝶々殺人事件の終わりに千恵子がカルメンを演るといっていたのでまた志賀さんとか出てくると思ったら別の劇団の話だった。
こっちはカルメンの上演中にホセが本当にカルメンを殺してしまう、のではなく結婚式に長い間愛人関係を続けていたカルメン役の女優からでかい贈り物が届いて、中を開けるとウェディングドレスを着た女優の死体が出てくる。箱から死体出すの好きだな横溝。
アラフォー女の執念の果ての惨劇であった。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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