先日、話題の『その女アレックス』のネタバレ書評を何件か読んで満足した。この先原作を読む事はないだろうし、映画も観ないだろう。
ネタバレ読んで原作読んだ気になるという本読みとして最低の行為を行った訳ですが、ちょっと私の言い分を聞いて欲しい。
世の中には、膨大な量の書物があって、ミステリという一ジャンルだけでも尋常じゃない量が出回っているのである(本格から変格、社会派とか日常の謎、SFミステリにミステリファンタジー…アンチミステリもあるしね)。
一日に五冊読めるスペックがあったとしても、ドウにも追いつけないスピードで新刊が出版されているのです。
そして、この膨大な作品の中には「何故出版したしだし」という駄作も数え切れない程出回っているのですよ!私は取り敢えず今のところは「詐欺か!金かえせ!!!」とゆう本には出遭っていませんが多分。
と、なると、限りある人生の中で有意義な読書をしないと勿体無いと思うのは悪い事ではないですよね、ないのです!
そこで活躍するのがネタバレ書評なのですよ奥さん!
ネタバレとゆっても良心的なサイトさんのであれば原作の面白さを損なわないと私は考えとります。てゆうか、ネタバレ読んで内容忘れた頃に原作読めば良いのだし。
そいでこれが重要。ネタバレ読んでなお読みたいと思わせる作品。それこそが自分の波長にあった作品だと言えるのではなかろうか!
犯人知っとるけど読みたい!そう思わせてくれる作品が即ち自分好みの小説!誰かが駄作と誹ろーが、私が面白いと思えるならそれで良いじゃないの!私の感性を顔も知らん人に否定される謂れはナイ!
という事で、ネタバレ読んでも読みたくなった本、それが『ある詩人への挽歌』です。
前置き長かった。
タイトルは、ダンバーという詩人の詩らしい。死の舞踏がテーマの詩です。
かつて乱歩が絶賛し、広く名が知られていたが、原文のスコットランド語の訛りを訳するのが困難だったため、長いこと「幻の名作」と言われていたとの事。
舞台はスコットランドのキンケイグ村という、冬になると雪で閉ざされてしまうという田舎町。
村人の楽しみといえば、噂話くらい。中でも古城・エルカニー城に住むガスリー家のゴシップは皆の大好物である。
裏表紙・扉のあらすじにもあるし、キンケイグの靴職人イーワン・ベルの手記の冒頭にも、ラナルド・ガスリーが死んだと記されているというのに、ガスリーの死についての記述がされるのは152頁!とおい^^^
全編が誰かの手記という手法なので、途中で「こりゃ、叙述トリックだな」と警戒しながら読んだけど、イーワン・ベルの記述が面白くッて(マァ、話が全然進まんのでペースが落ちたところもあったが)トリックの事を忘れて読みました。
やっと終わったベルの手記のあとは、ノエル・ギルビーという青年がロンドンの恋人に宛てた手紙形式。これがまたさー、話が進まんのよ^^^でも面白いから良いんだけど。いつになったらガスリーは死ぬんだってゆう。
そしてとうとうガスリーが死に、雪の中下男のタマスが村へ知らせに向かうところで語り手は老弁護士のウェダーバーンに交代。この人の部分は職業柄なのか余計な話が無い分さくさく読める。かといってつまらないかといえばそうでもなく。キンケイグ村へ向かう途中の列車で嫌な知り合いと席が一緒になってめんどくせえなあってゆう記述とか、降りるときにその人をぎゃふんと言わせる一言を残していったり(イギリス人がぎゃふんと言うかは置いといて)、なかなか面白い人物である。
ほいでシリーズ探偵のジョン・アプルビイ警部の登場。
彼の記述に医師の遺書が挟まり、事件の真相が判明して、最後は再びベルの手記で幕を閉じる。
以下ネタバレ含みます。
叙述ミステリったら「記述者=犯人」がお約束な訳でして、アプルビイはシリーズ探偵だし、ノエルと弁護士は完全なる第三者だから残るイーワン・ベルが犯人なのかと思ったけど、彼はガスリー城から遠く離れたキンケイグ村に吹雪で閉じ込められている訳で、老人だしそんな雪の中出てったら死んじゃうよってんで犯人圏外においてしまったよ。
それから兄のイアン・ガスリーの死体が鳥に食われていたってところで「ははん、死者の誤認だね、入れ替わりトリックだね」というところは見抜けたけど、真逆身元不明氏とはね…昨今では歯型やDNAで本人確認出来るからね、真逆他人とはなぁ…執筆時期を忘れとった迂闊だった。
真相が「○○とみせかけて実は~」の繰り返しっていうのには驚かされました!(※ネタバレ読んでたのにスッカリ忘れていた証)
「学習した鼠」とか「フクロウの声」は伏線だったのかーとか。いやはや、てっきりノエルのロマンティックが炸裂したんだと思っていたよ。
ラスト、老人に体力はないという思い込みを見事に裏切り、ベルが犯人だと自白したところでショックを受けました。
それから、クリスティンとリンゼイの関係も…辛い。
しかし読後感は悪くないです。読んで良かった。
アプルビイシリーズ、また読もうと思います。
ネタバレ読んで原作読んだ気になるという本読みとして最低の行為を行った訳ですが、ちょっと私の言い分を聞いて欲しい。
世の中には、膨大な量の書物があって、ミステリという一ジャンルだけでも尋常じゃない量が出回っているのである(本格から変格、社会派とか日常の謎、SFミステリにミステリファンタジー…アンチミステリもあるしね)。
一日に五冊読めるスペックがあったとしても、ドウにも追いつけないスピードで新刊が出版されているのです。
そして、この膨大な作品の中には「何故出版したしだし」という駄作も数え切れない程出回っているのですよ!私は取り敢えず今のところは「詐欺か!金かえせ!!!」とゆう本には出遭っていませんが多分。
と、なると、限りある人生の中で有意義な読書をしないと勿体無いと思うのは悪い事ではないですよね、ないのです!
そこで活躍するのがネタバレ書評なのですよ奥さん!
ネタバレとゆっても良心的なサイトさんのであれば原作の面白さを損なわないと私は考えとります。てゆうか、ネタバレ読んで内容忘れた頃に原作読めば良いのだし。
そいでこれが重要。ネタバレ読んでなお読みたいと思わせる作品。それこそが自分の波長にあった作品だと言えるのではなかろうか!
犯人知っとるけど読みたい!そう思わせてくれる作品が即ち自分好みの小説!誰かが駄作と誹ろーが、私が面白いと思えるならそれで良いじゃないの!私の感性を顔も知らん人に否定される謂れはナイ!
という事で、ネタバレ読んでも読みたくなった本、それが『ある詩人への挽歌』です。
前置き長かった。
タイトルは、ダンバーという詩人の詩らしい。死の舞踏がテーマの詩です。
かつて乱歩が絶賛し、広く名が知られていたが、原文のスコットランド語の訛りを訳するのが困難だったため、長いこと「幻の名作」と言われていたとの事。
舞台はスコットランドのキンケイグ村という、冬になると雪で閉ざされてしまうという田舎町。
村人の楽しみといえば、噂話くらい。中でも古城・エルカニー城に住むガスリー家のゴシップは皆の大好物である。
裏表紙・扉のあらすじにもあるし、キンケイグの靴職人イーワン・ベルの手記の冒頭にも、ラナルド・ガスリーが死んだと記されているというのに、ガスリーの死についての記述がされるのは152頁!とおい^^^
全編が誰かの手記という手法なので、途中で「こりゃ、叙述トリックだな」と警戒しながら読んだけど、イーワン・ベルの記述が面白くッて(マァ、話が全然進まんのでペースが落ちたところもあったが)トリックの事を忘れて読みました。
やっと終わったベルの手記のあとは、ノエル・ギルビーという青年がロンドンの恋人に宛てた手紙形式。これがまたさー、話が進まんのよ^^^でも面白いから良いんだけど。いつになったらガスリーは死ぬんだってゆう。
そしてとうとうガスリーが死に、雪の中下男のタマスが村へ知らせに向かうところで語り手は老弁護士のウェダーバーンに交代。この人の部分は職業柄なのか余計な話が無い分さくさく読める。かといってつまらないかといえばそうでもなく。キンケイグ村へ向かう途中の列車で嫌な知り合いと席が一緒になってめんどくせえなあってゆう記述とか、降りるときにその人をぎゃふんと言わせる一言を残していったり(イギリス人がぎゃふんと言うかは置いといて)、なかなか面白い人物である。
ほいでシリーズ探偵のジョン・アプルビイ警部の登場。
彼の記述に医師の遺書が挟まり、事件の真相が判明して、最後は再びベルの手記で幕を閉じる。
以下ネタバレ含みます。
叙述ミステリったら「記述者=犯人」がお約束な訳でして、アプルビイはシリーズ探偵だし、ノエルと弁護士は完全なる第三者だから残るイーワン・ベルが犯人なのかと思ったけど、彼はガスリー城から遠く離れたキンケイグ村に吹雪で閉じ込められている訳で、老人だしそんな雪の中出てったら死んじゃうよってんで犯人圏外においてしまったよ。
それから兄のイアン・ガスリーの死体が鳥に食われていたってところで「ははん、死者の誤認だね、入れ替わりトリックだね」というところは見抜けたけど、真逆身元不明氏とはね…昨今では歯型やDNAで本人確認出来るからね、真逆他人とはなぁ…執筆時期を忘れとった迂闊だった。
真相が「○○とみせかけて実は~」の繰り返しっていうのには驚かされました!(※ネタバレ読んでたのにスッカリ忘れていた証)
「学習した鼠」とか「フクロウの声」は伏線だったのかーとか。いやはや、てっきりノエルのロマンティックが炸裂したんだと思っていたよ。
ラスト、老人に体力はないという思い込みを見事に裏切り、ベルが犯人だと自白したところでショックを受けました。
それから、クリスティンとリンゼイの関係も…辛い。
しかし読後感は悪くないです。読んで良かった。
アプルビイシリーズ、また読もうと思います。
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