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[創作篇]
・B(バランス)/S(シート)殺人事件→1939年発表。防空訓練の夜、新聞記者達の溜り場となっている呑み屋で出会った老人。なりゆきで老人を送る事になったが、突然苦しみ出し、毒を飲まされたと言って血を吐き死んでしまった。近くの医者を連れて戻ると、老人は消えていた。帰宅後上着のポケットに老人が入れたと思しき、会社の考課状と殺人に関する条文を発見し…法医学者・藤波博士と新聞記者・立川コンビ登場の発端話。
・五人の乗客→1939年発表。新聞記者立川が乗ったバスには三人の美女と一人のやくざ人風の男がS町から千葉までの客として乗り詰めていたが、トラックと衝突してしまう。それから三週間後、スパイが暗躍し、立川の友人が出動を待つS部隊が乗る予定だった船を爆破したという…
・東京間諜戦→1940年発表。スパイ養成学校をパスし日本に派遣される事が決まったジュリア。一カ月後、アメリカから日本への観光客を乗せた豪華船に、マリアと変名したジュリアの姿が。そこにはアメリカ出張帰りの立川もいて、マリアの怪しい行動を目撃する…スパイの悲しい話。
・三行広告の女→1941年発表。新聞社へ三行広告の申込に来ていた来ていた女性に、忘れ物を届けるため追いかけた立川だったが、何故か彼女は逃げ出してしまった。数日後、殺人事件の報告を受け、向かった先でその女性を見かけ…事件に巻き込まれるタイプの立川氏。
・東京探偵事務局→1940年発表。東京探偵局――真の名を 日本青年正義聯盟 という武士道精神を守る愛国結社――の局長・樽見樽平の活躍を描いたシリーズ。普段は娘の梨枝子(血色は悪いが美少女で三か国語を話す!)と二人で東京丸の内にある私立探偵事務所に暮らしている。小男でこどもに見えるけどМ字ハゲってゆう強烈な外見を持つそそっかしいおっさん。だが八百人はいるという部下を使って日本に潜む外国のスパイを排除しているすげーおっさんのユーモアミステリ。
 第一話 盗まれた軍艦/第二話 白骨の謎/第三話 東京第五部隊/第四話 療養院の秘密/第五話 銀座間諜專/第六話 街の警視総監
・サンキュウ氏と眼鏡→1946年発表。電車で定期とバレエの入場券を掏られたマリエ。ポケットに残されたのは「I THANK YOU」と書かれたカードだった。一方、マリエの父・西野医師の元を訪れた胃病患者の三四田三九(みすた さんきゅう)と名乗る男は西野医師が勤務する病院の向かいのビルに住む私立探偵だった。西野医師は三九にある事を依頼をする…
・サンキュウ氏と記憶箱→1948年発表。サンキュウ氏が警察局長官に引き合わせた街の発明家。彼の発明品『記憶箱』は、持っているだけで忘れ物をしなくなるという。試しに秘書官が使用してみると遺失物もなく掏摸にも遭わなかったという。その噂はたちまち警察局内に広まり試用志願者が続出した。ついに警察局長官も使用してみるが、記憶箱を持っている事自体を忘れたために盗まれてしまい…これは皮肉が効いている、日陰者の放った矢だ。それにしてもこんな警察厭だ。
・天眼鏡→1947年発表。寝たきりで予言を的中させるというオシキリ様の元へ夫がいつ復員するか尋ねに向かった婦人。帰りに再会した婦人は、オシキリ様に夫が無事に帰っては来ないと告げられたという。興味なさそうにしていたサンキュウ氏が突然彼女の手相を見て、夫は帰ってくると確信に満ちた声で言い出した…
・トランプ物語→1947年発表。子どもにトランプの王様とクイーンとジャックだけ顔が描いてあるのは何故かと聞かれたサンキュウ氏。理由は知らないがと断り、子どもたちに聞かせたトランプにまつわるある童話…
・踊り子殺人事件→1948年発表。ナイフ投げが得意な丈二は友人の中川の頼みでショウに参加することになる。一躍人気者となった丈二に言い寄る二人の女性。その内の一人が、彼が舞台で使うナイフで刺殺され、容疑者となってしまった丈二だが…サンキュウ氏シリーズ。
・胃病患者→1948年発表。再び西野医師の元へやってきたサンキュウ氏は、夜だけ入院させてくれないかと頼む。夜の決まった時間に酷い胃痛に襲われると言うのだ。西野医師は痛み止めの注射を打ちに看護師を派遣することを提案する…プラセボサンキュウ。
・三人の秘密→雑誌編集者にせがまれて物騒な話をするサンキュウ氏。
・消えた花嫁→1958年発表。若原町警察署(自治警察)の公安委員で大学講師兼海外ミステリの翻訳家でもある北野三郎が主人公の田舎の事件シリーズそのいち。遠縁の農家の息子が、嫁入りの最中に新妻が居なくなったと北野の元にやってきたが…
・五月祭前後→1958年発表。(中古)パトカー納入式。
・狸と狐→1958年発表。北野の教え子の彼女の家の家宝として伝わる掛け軸と同じものが本家争いをする分家からも出てきて、どちらもうちの物が本物だと主張しているという…

[評論・随筆篇]
作者後記(『東京探偵局』)/荻窪雑記/捕物小説について/著者後記(『現代ユーモア文学全集』)/二つの星/RING NO.88/楠田匡介氏の「いつ殺される」の会/あとがき(『消えた花嫁』)/競馬場附近/アンケート
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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