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ネタバレ書評を読んで、その日の内に借りてきました。
ミステリ作家でロッカーな山口雅也氏は「ミステリが辿ったかもしれない、もうひとつの歴史を示唆している」とコメントしたそうな。
ストリブリングの生んだイタリア系アメリカ人心理学者のヘンリー・ポジオリ教授。
自ら事件に首を突っ込むのではなく、ある事件を偶々解決してしまったが為にマスコミに「アメリカのシャーロック・ホームズ」と持ち上げられ、行く先々で事件に巻き込まれてしまいます。
それを嫌がる一方で、難解なパズルを解くという知的好奇心と虚栄心から、結局事件に関わり最終話では探偵小説として考えられない結末が待っているとか…そんなん言われたら読まずには居られないジャン!!
ポジオリの活躍する中編5作は高い評価を受け、その三年後ポジオリは奇跡の復活、更に十年のブランクを経てエラリー・クイーンの呼びかけでみたびポジオリの物語は執筆されました。
中短編合わせて36作。
以下あらすじと感想。


亡命者たち…キュラソー島に亡命したベネズエラの前独裁者とその秘書。彼らと共に朝食を摂ったホテルのオーナーが、ワインに仕込まれた毒によって死亡した。
警視は全独裁者がホテルのオーナーに女を取られた復讐の為に殺害したと考えるが、前独裁者は秘書が自分を殺そうとして誤ってオーナーが死んだと主張する。疑いをかけられた秘書は、三人が部屋を空けた隙に某国の殺し屋が前独裁者を亡き者にしようと毒を仕込んだと言い張り…
偶々居合わせたポジオリが捜査を手伝う事になり、この事件を解決した為名探偵として有名になってしまうのです。
それにしても、(反転)読み終えて判る、タイトルの意味!ラストを暗示しているようで上手いなぁって思った(反転終わり)。
因みに、この前独裁者は他2作品に登場するそうです。

カパイシアンの長官…カパイシアンの長官から呼ばれてハイチにやって来たポジオリ。長官は、ヴードゥー教の魔術師のトリックを暴いて欲しいと言う。
争い事に巻き込まれたくないポジオリが何とかして逃げようと言い訳をあれこれ考えるけど、結局巻き込まれてしまうのが可笑しい。
そもそも(反転)アジトに乗り込む為の囮(反転終わり)としてしか役にたってないのが探偵小説にあるまじき展開ですごい。ポジオリより長官の方が上手だった。

アントゥンの指紋…マルティニーク島で知り合った勲爵士と犯罪論議を交わし、次にこの島で起こった事件を解決する事でどちらの主張が正しいか決めようという事になった。
都合良く(?)国立銀行で起きた金庫破りの解決に乗り出す二人。金庫に唯一残されていた指紋は、詐欺師・アントゥンのものだったが、彼は金庫破りなどしない筈で…

クリケット…バルバドス島でクリケットの試合後、一人の選手が殺害された。容疑者はすぐに捕まったが、警察署へ連行中に逃げられてしまう…被害者の父親から「容疑者を無事に島から逃げられるよう手助けして欲しい」と頼まれたポジオリ。どうやら被害者には公金横領疑惑があり、父親で銀行家の准男爵は事件を公にしたくはないようで…
これ、事件はそんなに面白くないけど、展開が良い。真相が解明された時の喪失感と、探偵としての名声が高まってきた事による虚栄心との間で葛藤する人間臭い探偵像を描いているのですが、オチまで読むと…すごく…ポジオリって天才でも奇人でもない、ただの人なんだなぁって微笑ましくなる^^^この話のオチが一番好きかも。

ベナレスへの道…トリニダード島にあるインド人居住区で新妻が首を切断され殺された…ちょっとした好奇心から一夜を明かした寺が事件現場であった為、ポジオリは窮地に追い込まれ…
衝撃的展開!!!
過ぎて感想なにを書いていいのかワカラナイ…
ただ、読んで良かったと思う。これが、もうひとつのミステリの歴史…
てゆうか れきし って打って真っ先に 轢死 が出てくるPCドウなの。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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