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引退した実業家のリカード氏の元へやって来た若くして発明家として財を成したウェザミル。彼の恋人・シーリアが同居している薔薇荘の主人で宝石蒐集家のドウレー夫人を殺害し失踪したという。恋人の無実を信じるウェザミルは、休暇でイギリスに来ているパリ警視庁の名探偵アノーに捜査に加わって欲しいと頼む為、彼の友人であるリカードを訪ねたのだった。凶器の紐を購入したのも庭に残された靴跡も、全てがシーリアの犯行であると物語っている中、アノーは違和感を覚える…

→1910年発表。アノーがけっこう、そこそこ嫌な性格だなぁと思いながら読んだ。リカード氏はホームズでいうところのワトスン役なんだけど、良い感じに虚栄心が強くて一生懸命アノーを出し抜こうとする(けど、大体アノーに見破られている)中年のおっさん。この人の存在が、犯人の被害者への憎悪と悪意に満ちた後半のしんどさを和らげている気がする…癒しのおっさん…
面白かったから『矢の家』も読もうと思う。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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