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現代の日本人探偵御手洗と19~20世紀に活躍した英国探偵ホームズが21世紀の霧深き英国で推理対決しちゃうというパロディ本。パロディというか島田荘司本人からパスティーシュのオファがあったというなんか凄い本。パスティーシュってなに。
著作権云々でなにかと煩いご時世ですが島田荘司は割と同人誌とかに理解を持っておられる方なのでこうゆう企画が通っちゃうんだなぁ、過去に石岡本の監修もしてたしな。
この本にもしっかりエッセイが収録されているので即購入した。なにしろ「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」往復書簡ですから。おたくは買っちゃうよ。
で、柄刀さんのすごいとこは御手洗のキャラクタを完全に表現しちゃっているところ。凄い・・・途中で島田荘司読んでる気分にうっかりなってしまった。すごい。
ただ、石岡はそんなに馬鹿じゃ・・・いや、こんなもんか・・・

・青の広間の御手洗
後天的脳障害などについての講義と共に。
いやーこの犯罪者の脳に先天的な欠陥があるのではという考察は福島先生が仮に殺人脳(2003年)と名付けたやつだよね!と、過去に読み漁った文献を思い出してついでに卒論で犯罪関係の本読みまくって一時どんよりしてた事を思い出した・・・
それにしてもなんか石岡をおちょくる御手洗を見ると山高帽のイカロスを思い出すな・・・いちゃついてるようにしかみえん・・・
+++メモ+++
カプグラ・シンドローム:親しい人間を偽者と主張/コタール・シンドローム:自分が死んでいると思い込む。視覚認識⇔情動間に切断か(視覚情報が扁桃体に届くことで、見ている対象に相応しい感情の実感が得られる

・シリウスの雫
まずタイトルが格好良い。月と青酸位格好良い。さかさま階段のある遺跡にもたれるようにして遺棄されたさかさまになった遺体・・・このシチュエーションも格好良い、斬首された首がテーブルに置かれてるのとはまた違う奇抜さがいい。
そいで遺跡の謎も古代人の思いもひとつの可能性に辿り着かせるところも良い。
不自然に遺棄された理由もいい・・・ちょっと泣いた。この中で一番好きな話です。

・緋色の紛糾
日本にステイしているホームズサイドの話。密室殺人の謎。なるほどねーーー。
ワトスンが最後までホームズの推理を信じ込み麗しき女性を男と勘違いし続けるってゆうギャグがいいんだ・・・なんかしゃべくり探偵みたい(お笑い系だから)

・ボヘミアンの秋分
再びホームズ。孤高の探偵に麗しき女傑はつきもの。明智にも文代さんとゆう女性探偵がいたしな、金田一は女傑じゃなくて叶わぬ恋をした可憐な女性がいたし。

・巨人幻想
霧の中現れた巨人、大学構内で見かけた黒いケープの老人、水面に映る痣のある顔、巨人の歩いた足跡、そして火の玉、地上数十メートル地点で起きた爆発、密室で発見された刺殺体(生きてたけど)・・・
まさに幻想ってかんじにどんどん謎が出てくる。出し惜しみしないなー柄刀さん。
最後に御手洗vsホームズ。推理と推理、論理と論理の応酬だぜ!
そして石岡とワトスンの奇人探偵に肝を冷やされる同士の友情・・・はとくに芽生えなかったようだ(往復書簡によると


関係ないけど9日23時過ぎ、スバ家の前でひったくりがありました。「ひったくり!」てすんごい叫び声聞こえてびびった。さっき現場検証してったみたい。
被害はなかったそうですが(聞こえてきた声によると)気をつけんきゃなぁ・・・おそがい世の中だ。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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