・創作篇
霧の夜の出来事
2006年に世田谷の旧宅で発見された未発表作品。
自殺する為に青酸カリを買った青年と、青年に渡すはずの青酸カリを間違えて別の人に渡してしまった薬局の女性店員の、不思議な夜の物語。これ好き。
ルパン大盗伝
ルブラン『水晶の栓』の翻案。
主要人物と、あるトリック以外はほぼオリジナルストーリー。
海底水晶宮
ルブラン『奇岩城』に基き、ルパン以外の登場人物名を日本名に置き換えた翻案。
ショルメス(=ホームズ)が登場せず、結末が原作とは異なっているらしい。
恐ろしきエイプリル・フール
『新青年』の懸賞に一等当選したデビュー作。
4月1日の悪戯が、とんでもない事態を招く。
のちに「恐ろしき四月馬鹿(エイプリルフール)」に改題。
科学教室の怪火
「恐ろしきエイプリル・フール」の探偵役・速水少年が登場。
『新青年』懸賞探偵小説に応募した「破れし便箋」を改題・改稿したもの。
卵と結婚
フランス雑誌の漫画を文章にしたもの。
卵に書かれた結婚相手募集の住所に手紙を送った男のダブル悲劇。
十二時前後
佐川春風(=森下雨村の筆名)名義で発表。
タイトル通り、十二時前後のアリバイの話。
橋場仙吉の結婚
身体的コンプレックスを持つ橋場仙吉が結婚するまでの話。
恐ろしき馬券
恐怖のきちがい連鎖。それを食い止めたのは機転の利いた人物の遺言書だった。
山名耕作名義。
悲しき暗号
暗号と恋愛。
宝玉的説話集
山上三四郎名義。
お尻を叩く話
映画に出ている外国人俳優の仕草を真似るのが好きな山名耕作。
「シャンパンの底を叩いて栓を抜く」という技をマスターした彼は事ある毎にそれを披露するが…
首を抜く話
山名耕作名義。同タイトルの作品を書き直したもの。
乱歩の「芋虫」と同じ設定だけど、こちらはユーモア。
博士昇天
思い込みが強いと何でも可能なんだなァ。
足の裏―共犯野原達男の話
1930年9月に起きた実話を基にした心理ホラー。
五つの踊子
人気絶頂の舞台女優が突然引退した。
真相は明かされないまま、女優は彼女そっくりの人形を五人の男に贈った翌日、死体となって発見された。
妻は売れッ児―甘辛夫婦喧嘩抄
「夫婦書簡文」改稿。
作家として落ち目の夫と流行作家の妻。二人の間で交わされた夫婦喧嘩の手紙を妻は無断で作品にして出版社に送るが…
黄色い手袋
盗賊の元にかかってきた間違い電話から、ある人を陥れる為の恐ろしい犯罪が明るみになる。
五万円の万年筆
奇妙な男達のやり取りを聞いたスリの男が犯罪に巻き込まれる。
ドラ吉の新商売
すごいオチだった^^^
コント・むつごと集
甘い夫婦の二ヶ月:出産の為妻が帰省している間に夫は別の女性と交際するが…
十三人目の恋人:妻の過去の男!
貞操と長靴:年の離れた姉妹の、互いを思いやる心が引き起こした悲劇。
陽気な夢遊病者
内気な青年の恋物語。
堀見先生の推理
推理好きの堀見俊六先生。先生の崇拝者・和戸 孫氏が持ってきた紙入れの持ち主を推理する。
その名の通り、ホームズとワトソンのもじりである。
榧(かや)の木の恐怖
流産して以来、子宝に恵まれない夫婦。妻がノイローゼになったのをきっかけに郊外の一軒家へ引っ越す。
以前そこへ出入りしていた薬売りの話によると、その家に住んでいた老婆が突然姿を消したのだという。
同居していた老婆の甥と遠縁の女が庭の榧の木を移植していたのを目撃していた薬売りは、二人が老婆を殺して木の下に埋めたのではないかと言うが…
・評論・随筆篇
ビーストンの面白さ/創作探偵小説集『心理試験』(新著評判)/幽霊屋敷/私の死ぬる日/ビーストンに現れる探偵/探偵小説講座(『探偵趣味』版)/処女作云々/いろいろ/探偵映画蝙蝠(バット)を観る/無題(喫茶室)/酔中語/「ユリエ殺し」の記/恋愛曲線を称ふ/銀座小景―或は、貧しきクリスマス・プレゼント/散歩の事から/シネマの玩具化/不吉な数(近頃面白く読んだもの)/陰獣縁起/トーキーと探偵物/思ひ出の断片(亡き小酒井不木氏を偲ぶ)/グリーンの作品/ファーガス・ヒューム/ビーステンドサム/パリのなぞ/くすり屋の抽斗から/探偵・猟奇・ナンセンス/探偵小説講義(『探偵小説』版)/横溝正史小伝/光る石(大下宇陀児氏の作品)/クロスワード式探偵小説/彼の精神力(水谷準氏の横顔)/現実派探偵小説(橋本五郎氏の作品)/浮気な妻故(女性を解剖する)/東京パンの思ひ出(佐左木俊郎氏の思い出)/カミ礼讃!/探偵小説壇の展望/江戸川乱歩へ/槿槿先生夢物語/探偵小説の簡便化/クレオパトラと蚤/続槿槿先生夢物語/私の探偵小説論/上諏訪三界/アンケートほか
※幽霊屋敷=ホラーな見世物小屋。今でいうお化け屋敷。
※「ユリエ殺し」=探偵作家たちによる寸劇タイトル。乱歩が警察官の格好をして舞台が始まる前から警備の仕事をしていたけれど、誰にも気付かれなかったとか。
※恋愛曲線=小酒井不木の代表作。
※パリのなぞ=当時パリで起きた動機不明の殺人事件の事について
印象深いのは「私の死ぬる日」。これは若かりし頃、いきなり見ず知らずのおばあさんに
「お前は28歳で死ぬ!九月に死ぬ!」
と予言された事を書いたもの。九月だったかドウかは定かじゃないけど。
親族か友人がこの月に死んだだろう、だからお前も同じ月に死ぬと言われたんだって。
で、まだ20代前半だった横溝さん(24だったかな)は、言われた月に友人が死んだので吃驚した。吃驚せざるを得んわな。
んで、気が向いたらどこどこに来い、私が祈祷してやるからと言って老婆は去って行った。
友人達にその話をしたら、是非祈祷してもらってこいと勧められたんだとか。
行ったかドウかまでは書かれてないんだけど、横溝さんは何度も大喀血をしながらも煙草を吸い続け79歳まで生きていたので、…行ったの…かなぁ。
小説家って占い大好きだからね、高木彬光も占いで小説書けって出たから書いたんじゃなかったっけ。
霧の夜の出来事
2006年に世田谷の旧宅で発見された未発表作品。
自殺する為に青酸カリを買った青年と、青年に渡すはずの青酸カリを間違えて別の人に渡してしまった薬局の女性店員の、不思議な夜の物語。これ好き。
ルパン大盗伝
ルブラン『水晶の栓』の翻案。
主要人物と、あるトリック以外はほぼオリジナルストーリー。
海底水晶宮
ルブラン『奇岩城』に基き、ルパン以外の登場人物名を日本名に置き換えた翻案。
ショルメス(=ホームズ)が登場せず、結末が原作とは異なっているらしい。
恐ろしきエイプリル・フール
『新青年』の懸賞に一等当選したデビュー作。
4月1日の悪戯が、とんでもない事態を招く。
のちに「恐ろしき四月馬鹿(エイプリルフール)」に改題。
科学教室の怪火
「恐ろしきエイプリル・フール」の探偵役・速水少年が登場。
『新青年』懸賞探偵小説に応募した「破れし便箋」を改題・改稿したもの。
卵と結婚
フランス雑誌の漫画を文章にしたもの。
卵に書かれた結婚相手募集の住所に手紙を送った男のダブル悲劇。
十二時前後
佐川春風(=森下雨村の筆名)名義で発表。
タイトル通り、十二時前後のアリバイの話。
橋場仙吉の結婚
身体的コンプレックスを持つ橋場仙吉が結婚するまでの話。
恐ろしき馬券
恐怖のきちがい連鎖。それを食い止めたのは機転の利いた人物の遺言書だった。
山名耕作名義。
悲しき暗号
暗号と恋愛。
宝玉的説話集
山上三四郎名義。
お尻を叩く話
映画に出ている外国人俳優の仕草を真似るのが好きな山名耕作。
「シャンパンの底を叩いて栓を抜く」という技をマスターした彼は事ある毎にそれを披露するが…
首を抜く話
山名耕作名義。同タイトルの作品を書き直したもの。
乱歩の「芋虫」と同じ設定だけど、こちらはユーモア。
博士昇天
思い込みが強いと何でも可能なんだなァ。
足の裏―共犯野原達男の話
1930年9月に起きた実話を基にした心理ホラー。
五つの踊子
人気絶頂の舞台女優が突然引退した。
真相は明かされないまま、女優は彼女そっくりの人形を五人の男に贈った翌日、死体となって発見された。
妻は売れッ児―甘辛夫婦喧嘩抄
「夫婦書簡文」改稿。
作家として落ち目の夫と流行作家の妻。二人の間で交わされた夫婦喧嘩の手紙を妻は無断で作品にして出版社に送るが…
黄色い手袋
盗賊の元にかかってきた間違い電話から、ある人を陥れる為の恐ろしい犯罪が明るみになる。
五万円の万年筆
奇妙な男達のやり取りを聞いたスリの男が犯罪に巻き込まれる。
ドラ吉の新商売
すごいオチだった^^^
コント・むつごと集
甘い夫婦の二ヶ月:出産の為妻が帰省している間に夫は別の女性と交際するが…
十三人目の恋人:妻の過去の男!
貞操と長靴:年の離れた姉妹の、互いを思いやる心が引き起こした悲劇。
陽気な夢遊病者
内気な青年の恋物語。
堀見先生の推理
推理好きの堀見俊六先生。先生の崇拝者・和戸 孫氏が持ってきた紙入れの持ち主を推理する。
その名の通り、ホームズとワトソンのもじりである。
榧(かや)の木の恐怖
流産して以来、子宝に恵まれない夫婦。妻がノイローゼになったのをきっかけに郊外の一軒家へ引っ越す。
以前そこへ出入りしていた薬売りの話によると、その家に住んでいた老婆が突然姿を消したのだという。
同居していた老婆の甥と遠縁の女が庭の榧の木を移植していたのを目撃していた薬売りは、二人が老婆を殺して木の下に埋めたのではないかと言うが…
・評論・随筆篇
ビーストンの面白さ/創作探偵小説集『心理試験』(新著評判)/幽霊屋敷/私の死ぬる日/ビーストンに現れる探偵/探偵小説講座(『探偵趣味』版)/処女作云々/いろいろ/探偵映画蝙蝠(バット)を観る/無題(喫茶室)/酔中語/「ユリエ殺し」の記/恋愛曲線を称ふ/銀座小景―或は、貧しきクリスマス・プレゼント/散歩の事から/シネマの玩具化/不吉な数(近頃面白く読んだもの)/陰獣縁起/トーキーと探偵物/思ひ出の断片(亡き小酒井不木氏を偲ぶ)/グリーンの作品/ファーガス・ヒューム/ビーステンドサム/パリのなぞ/くすり屋の抽斗から/探偵・猟奇・ナンセンス/探偵小説講義(『探偵小説』版)/横溝正史小伝/光る石(大下宇陀児氏の作品)/クロスワード式探偵小説/彼の精神力(水谷準氏の横顔)/現実派探偵小説(橋本五郎氏の作品)/浮気な妻故(女性を解剖する)/東京パンの思ひ出(佐左木俊郎氏の思い出)/カミ礼讃!/探偵小説壇の展望/江戸川乱歩へ/槿槿先生夢物語/探偵小説の簡便化/クレオパトラと蚤/続槿槿先生夢物語/私の探偵小説論/上諏訪三界/アンケートほか
※幽霊屋敷=ホラーな見世物小屋。今でいうお化け屋敷。
※「ユリエ殺し」=探偵作家たちによる寸劇タイトル。乱歩が警察官の格好をして舞台が始まる前から警備の仕事をしていたけれど、誰にも気付かれなかったとか。
※恋愛曲線=小酒井不木の代表作。
※パリのなぞ=当時パリで起きた動機不明の殺人事件の事について
印象深いのは「私の死ぬる日」。これは若かりし頃、いきなり見ず知らずのおばあさんに
「お前は28歳で死ぬ!九月に死ぬ!」
と予言された事を書いたもの。九月だったかドウかは定かじゃないけど。
親族か友人がこの月に死んだだろう、だからお前も同じ月に死ぬと言われたんだって。
で、まだ20代前半だった横溝さん(24だったかな)は、言われた月に友人が死んだので吃驚した。吃驚せざるを得んわな。
んで、気が向いたらどこどこに来い、私が祈祷してやるからと言って老婆は去って行った。
友人達にその話をしたら、是非祈祷してもらってこいと勧められたんだとか。
行ったかドウかまでは書かれてないんだけど、横溝さんは何度も大喀血をしながらも煙草を吸い続け79歳まで生きていたので、…行ったの…かなぁ。
小説家って占い大好きだからね、高木彬光も占いで小説書けって出たから書いたんじゃなかったっけ。
PR