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私が初めてミステリを読んだのは多分9歳か10歳位だったと思う。
その頃はそんなに推理小説にはまりはしなかったので、少年少女向けのホームズを一通り読んだだけだった。乱歩は挿絵が恐くて読めなかったし。他に少年少女向けの本格推理小説は無かったように思う。
今はドウだ。コナン・ドイルに江戸川乱歩は当たり前だが、新本格ミステリの先駆者である綾辻行人を筆頭に有栖川有栖も森博嗣も、本格ミステリではずしちゃいけない島田荘司だって少年少女向けに書き下ろしちゃってるぞ。今のこどもは恵まれている・・・!
その羨ましさを胸に、ミステリーランドから出版された「館シリーズ」第8作目であるびっくり館の殺人をようやっと購入。
前作の『暗黒館の殺人』を思い起こさせる人名が!『迷路館の殺人』が!
『人形館の殺人』を思い起こさせる雰囲気。
館シリーズとあるけれど、物語全体を覆うのは「囁きシリーズ」の空気感なのである。
子供の頃の忌まわしい記憶・・・
この世のものではないような、美しい子供・・・
受け継がれる、「悪意」あるいは「無垢」・・・
それは11年前に初めて綾辻行人作品を読んだ時の感覚、11年前の夏、夢中で読んでしまった『暗闇の囁き』と同じ感覚に囚われてしまった。
この本には綾辻行人の全てが凝縮されている!と私は思う。
11年前に初めてミステリって面白いんだなと思った事や、初めてきたのじゅんこという幻想的で美しい絵を描くイラストレータの存在を知った事を思い出しました。綾辻行人は今の私の原点なのです。
あれから11年経って、夢を諦めてみたりやっぱり夢に縋ってみたり専門行ってみたりビアズリーを知ったり色彩センスのなさにがくーとなったり色々してたけど、きっと根本は初めて綾辻行人を読んだ時と変わっていないのではないかと思います。というかそうありたい。

で!扉みてなんか祖父江慎ぽいなーと思って奥付みたらやっぱり祖父江さんだった!本文のルビは明朝だったけど!
そいで今さっき気付いたけど挿絵の2色刷りは壁のびっくり箱の蓋の色だったのか!気付くの遅!
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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