だらだらとカーブミラーを探して歩いていると湖のようなでっかい池が。
大池の弁天様。ここは『空蝉処女』という作品のモデルになっているらしい。
ここを更に進んでいくとやっとふるさと歴史館!
金田一さん! 本陣な背景と共に。・・・でも、血の跡って親指人差し指中指が正しいのでは。
マァいいや、いざ中へ!
疎開宅もだけど、ここも入場無料なんだよね、管理大変だと思うんだけど大丈夫なんだろうか。
(※後で歴史館のパンフレット見たら入館料おとな100円って書いてあった。・・・払ってないけど良いのかな・・・??)
中には館長さん?なんかボランティアな雰囲気に満ち満ちたおじいさんがいらっしゃる。
名古屋から来た事を告げると、遠い所から~と返される。因みにこの日私より先に疎開宅と歴史館に来ていた人がいて、その人は東京から来ていた。この人完全に私の仲間ですね、会いたかった。
館長さん(暫定)から説明を受けながら金田一関係が展示されている部屋を鑑賞。
「まぁ、私なんかよりあなたの方がお詳しいと思いますが・・・」
いやいやいや!! 私単なるにわかおたくなんで! 知識は浅く狭くがモットーなんで!!
「角川だけですけど、殆どの作品を買いましたが7編位どうしても手に入っていません」
凄い壮観・・・!!
何が良いって、この杉本一文先生の表紙だよ!
すっげー・・・ネット画像でしか見た事ない絵だよー・・・しょはん・・・なのかなゴクリ・・・
他にはトヨエツ版金田一の映画『八つ墓村』の撮影風景の写真や疎開当時の横溝一家の写真など。
「映画撮影時の写真は映画会社の方から戴いたんです。豊川さんの着てた衣装も下さいってお願いしたんですけどそっちは駄目でした」
別室の展示は真備町の歴史コーナー。
この辺りは外様大名の伊東氏が支配していて、四代目の時に陣屋(城のない藩主が住む所の事、らしい)を岡田村に移したという事で、古文書とか色々展示されている。
東京での横溝さんの執筆部屋(当時のまま!)
横溝さんの遺言で、死後もこの状態を保っていて欲しいとあり、奥さんが毎日掃除してたんだって。
で、歴史館に横溝正史コーナーを設置するにあたって寄贈して下さいと駄目元で奥さんに電話したら快諾して下さったとの事。掃除大変だったらしいよ。
机の上には直筆原稿。の、コピー(本物あったらすぐ盗まれるからね!)
真中に展示されていたジオラマを見ていたら、館長さんが
「この辺は大洪水でいまはもうない土地なんですよ。ここが本陣殺人事件のモデルになったと考えられている加藤さんの家です。ここが離れ。別の場所にも離れがありますが、そこはもう無人で、周りも竹が生い茂っていて近付けません」
帰宅後本陣を読み返したんだけど、一柳家も事件後衰退の道を歩んでいくというオチでね、私は時の流れの無常さを感じずにはいられなかった。館長さんから加藤さんの話聞いたあとだから余計に。
暫くぼーっと展示物見て、館長さんに暇を告げると、丁度駅へ行くバスが出て行った所であった。
川辺宿駅まで散策がてら歩こうと思っているんですがどこに向かえば良いですか?と聞いたら目印になるような場所もないし、横溝さんが散歩していたところも洪水でなくなっちゃったから見るものないよ、清音駅まで戻った方が良いよと言われたのでそうする事に。
で、タクシーで来ちゃったので道を覚えている筈もなく、館長さんに地図を書いて貰いました。
良かったら写真撮ってあげましょうかと言われたので記念にお願いしました。
金田一さんと! 本当はもっと金田一っぽい格好で映りたかったけど羞恥心に負けた。
「去年は金田一の格好をした沢山の人達が・・・」
ここで会う人達は皆金田一コスプレパレードの話をしてくれました。岡田村のいちだいイベントである。
「歴史館の表で、金屏風立ててね、灯篭と日本刀と琴用意して水車まわして、本陣のトリックの再現をやったんですよ。あれは本当に上手くやっていたなぁ」
今年もやるんだって!! なにこれ秋の岡田村が私を呼んでいる。
館長さんとお別れして地図を見ながら十字路を目指す・・・ちょっと道間違えたけどなんとか第一ポイント「理容ぼこ」発見。左に曲がってずーっと歩く。酒屋が見えてくる。このあたりで「三つ指の男」が一柳家への道を尋ねた場所だなぁ・・・と、思いながら汗だくだくさせて歩く歩く。
ミステリー御手洗い・・・入り難い事この上ない。
高梁川でひとやすみ。
金田一さんが川辺宿村へ歩いた道を逆ルートで辿ってきた私。
・・・ふひひ・・・
倉敷へ戻って美観地区を散策がてら晩御飯を食べる所を探す・・・
仔細あって(乗り継ぎがカツカツで駅弁食べられなかった)おばあちゃんから戴いたマスカット以外固形物胃袋に入れてなかったので多少高くても良い!
オサレなカフェで18時過ぎに飯食った。
トマトうまーいい! これ真似しよう、トマトに玉ねぎゴマパセリ、多分青紫蘇ドレッシング! かポン酢。
豚肉の香草パン粉焼きも旨かったけど、ちょっと脂っぽかったなー・・・
食後にドリンク付いて1480円! ジンジャーティーをセレクトしたら、蜂蜜ついてた! ここはポイント高いぞ・・・!
会計したらポイントカード(ちょっと細工がしてある、凝ってる)くれたけど、私、地元じゃないしなぁ・・・
閉店間近の駅デパで御土産の吉備団子を購入したら、賞味期限今日だけど明日朝だったら大丈夫! と、売店のおばさんがまんじゅうおまけしてくれました! ラッキィ♪
多分吉備団子お薦めフレーヴァはどれですかって聞いたからだと思う。会話って大事!
大池の弁天様。ここは『空蝉処女』という作品のモデルになっているらしい。
ここを更に進んでいくとやっとふるさと歴史館!
金田一さん! 本陣な背景と共に。・・・でも、血の跡って親指人差し指中指が正しいのでは。
マァいいや、いざ中へ!
疎開宅もだけど、ここも入場無料なんだよね、管理大変だと思うんだけど大丈夫なんだろうか。
(※後で歴史館のパンフレット見たら入館料おとな100円って書いてあった。・・・払ってないけど良いのかな・・・??)
中には館長さん?なんかボランティアな雰囲気に満ち満ちたおじいさんがいらっしゃる。
名古屋から来た事を告げると、遠い所から~と返される。因みにこの日私より先に疎開宅と歴史館に来ていた人がいて、その人は東京から来ていた。この人完全に私の仲間ですね、会いたかった。
館長さん(暫定)から説明を受けながら金田一関係が展示されている部屋を鑑賞。
「まぁ、私なんかよりあなたの方がお詳しいと思いますが・・・」
いやいやいや!! 私単なるにわかおたくなんで! 知識は浅く狭くがモットーなんで!!
「角川だけですけど、殆どの作品を買いましたが7編位どうしても手に入っていません」
凄い壮観・・・!!
何が良いって、この杉本一文先生の表紙だよ!
すっげー・・・ネット画像でしか見た事ない絵だよー・・・しょはん・・・なのかなゴクリ・・・
他にはトヨエツ版金田一の映画『八つ墓村』の撮影風景の写真や疎開当時の横溝一家の写真など。
「映画撮影時の写真は映画会社の方から戴いたんです。豊川さんの着てた衣装も下さいってお願いしたんですけどそっちは駄目でした」
別室の展示は真備町の歴史コーナー。
この辺りは外様大名の伊東氏が支配していて、四代目の時に陣屋(城のない藩主が住む所の事、らしい)を岡田村に移したという事で、古文書とか色々展示されている。
東京での横溝さんの執筆部屋(当時のまま!)
横溝さんの遺言で、死後もこの状態を保っていて欲しいとあり、奥さんが毎日掃除してたんだって。
で、歴史館に横溝正史コーナーを設置するにあたって寄贈して下さいと駄目元で奥さんに電話したら快諾して下さったとの事。掃除大変だったらしいよ。
机の上には直筆原稿。の、コピー(本物あったらすぐ盗まれるからね!)
真中に展示されていたジオラマを見ていたら、館長さんが
「この辺は大洪水でいまはもうない土地なんですよ。ここが本陣殺人事件のモデルになったと考えられている加藤さんの家です。ここが離れ。別の場所にも離れがありますが、そこはもう無人で、周りも竹が生い茂っていて近付けません」
帰宅後本陣を読み返したんだけど、一柳家も事件後衰退の道を歩んでいくというオチでね、私は時の流れの無常さを感じずにはいられなかった。館長さんから加藤さんの話聞いたあとだから余計に。
暫くぼーっと展示物見て、館長さんに暇を告げると、丁度駅へ行くバスが出て行った所であった。
川辺宿駅まで散策がてら歩こうと思っているんですがどこに向かえば良いですか?と聞いたら目印になるような場所もないし、横溝さんが散歩していたところも洪水でなくなっちゃったから見るものないよ、清音駅まで戻った方が良いよと言われたのでそうする事に。
で、タクシーで来ちゃったので道を覚えている筈もなく、館長さんに地図を書いて貰いました。
良かったら写真撮ってあげましょうかと言われたので記念にお願いしました。
金田一さんと! 本当はもっと金田一っぽい格好で映りたかったけど羞恥心に負けた。
「去年は金田一の格好をした沢山の人達が・・・」
ここで会う人達は皆金田一コスプレパレードの話をしてくれました。岡田村のいちだいイベントである。
「歴史館の表で、金屏風立ててね、灯篭と日本刀と琴用意して水車まわして、本陣のトリックの再現をやったんですよ。あれは本当に上手くやっていたなぁ」
今年もやるんだって!! なにこれ秋の岡田村が私を呼んでいる。
館長さんとお別れして地図を見ながら十字路を目指す・・・ちょっと道間違えたけどなんとか第一ポイント「理容ぼこ」発見。左に曲がってずーっと歩く。酒屋が見えてくる。このあたりで「三つ指の男」が一柳家への道を尋ねた場所だなぁ・・・と、思いながら汗だくだくさせて歩く歩く。
ミステリー御手洗い・・・入り難い事この上ない。
高梁川でひとやすみ。
金田一さんが川辺宿村へ歩いた道を逆ルートで辿ってきた私。
・・・ふひひ・・・
倉敷へ戻って美観地区を散策がてら晩御飯を食べる所を探す・・・
仔細あって(乗り継ぎがカツカツで駅弁食べられなかった)おばあちゃんから戴いたマスカット以外固形物胃袋に入れてなかったので多少高くても良い!
オサレなカフェで18時過ぎに飯食った。
トマトうまーいい! これ真似しよう、トマトに玉ねぎゴマパセリ、多分青紫蘇ドレッシング! かポン酢。
豚肉の香草パン粉焼きも旨かったけど、ちょっと脂っぽかったなー・・・
食後にドリンク付いて1480円! ジンジャーティーをセレクトしたら、蜂蜜ついてた! ここはポイント高いぞ・・・!
会計したらポイントカード(ちょっと細工がしてある、凝ってる)くれたけど、私、地元じゃないしなぁ・・・
閉店間近の駅デパで御土産の吉備団子を購入したら、賞味期限今日だけど明日朝だったら大丈夫! と、売店のおばさんがまんじゅうおまけしてくれました! ラッキィ♪
多分吉備団子お薦めフレーヴァはどれですかって聞いたからだと思う。会話って大事!
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伯備線の清―駅でおりて、ぶらぶらと川―村のほうへ歩いて来るひとりの青年があった。
――これが『本陣殺人事件』で初めて金田一耕助という探偵に関して書かれた一文である。
その『本陣殺人事件』が執筆された地、真備町岡田字桜に行って来た。
最寄駅である清音駅からは迷う自信があったのでタクシーに乗る。運転手さんの生岡山弁に静かに興奮。
「去年の10月に金田一耕助の格好をした沢山の人達がこの駅から疎開宅までパレードしててねぇ、壮観だったよ」
との事。それちょう参加したい!!(スバルタ憧れのコスプレは金田一とホームズなのである。だって明智小五郎じゃ神津恭介と区別つかないジャン!)
徒歩だと30分以上掛かる道程も1090円であっと言う間に到着。
横溝正史疎開宅
おお、表札!!
おお、金田一さん!!
中に入ると二人のおばあちゃんが。当番制で管理されているようです。
お茶とマスカット(岡山の特産品)を出して頂きました。うまーい。
んで、おばあちゃんがスイッチを押すと
金田一耕助のシルエットが浮かび、疎開当時の横溝さんの説明が流れます。
他にも色々な史料が展示されています。
横溝さんの執筆部屋。右が長男さんの勉強部屋。今は金田一のシルエットの仕掛けが設置されている。
横溝さんが着ていた着物。横溝さんが亡くなった時、一番親しくしていた加藤一さんが形見分けで貰ったものを寄贈して戴いたそうです。
お話を伺ったおばあちゃんは他所の土地から嫁いできたので当時の横溝さんの事は全然知らないそうですが、お姑さんから色々話を聞いていて、それを私たちに伝えてくれています。
横溝さんが座っていた庭の岩。
庭は、観光客用に駐車スペースを作る都合で少し狭くなったらしいが、当時と殆ど変っていないとの事。
「去年沢山の金田一の格好をした人達がここに来てねぇ、今年も来るみたいでねぇ」
横溝正史の生家(神戸)よりも、晩年の地(東京)よりも、金田一耕助というキャラクタが生まれたこの土地が、ファンにとっての聖地なのだろう。
他にも手作り感イッパイの史料たち。
当時の写真と、サイン。多分役者さんか監督さんの(読めなかった・・・)
どうやって帰るのか聞かれ、歩いて川辺宿駅に行こうと思ってます、でも地図ないのでどこへ向かえば良いのか判りません。と答えると、
「あの小屋を右にずっと行って、カーブミラーがある十字路を左にずっと行くとふるさと歴史館があるから、そこなら多分地図置いてあるからそこ行くと良い」
と教えられたのでそうする事に。
「あの小屋の左に「濃茶のばあさん」の祠があるから。それをずっと行くと有名な千光寺があるよ。ここへ来た人は皆そこ行きなさる」
「濃茶のばあさん」も「千光寺」も横溝作品に出てくる人物やお寺のモデルとなったものです。
私は暑さに負けたので今回はお寺には行きませんでした・・・次リベンジ!
濃茶のばあさんの祠。
この祠の右には有名な「耕助岩」と呼ばれる、横溝さんが散歩の途中で良く座っていた長方形の岩があるのだけど、うっかりしすぎていて写真撮ってません、座ってもいません。私のばか!!
おたく的にディープないちにちだったので後編に続く・・・
――これが『本陣殺人事件』で初めて金田一耕助という探偵に関して書かれた一文である。
その『本陣殺人事件』が執筆された地、真備町岡田字桜に行って来た。
最寄駅である清音駅からは迷う自信があったのでタクシーに乗る。運転手さんの生岡山弁に静かに興奮。
「去年の10月に金田一耕助の格好をした沢山の人達がこの駅から疎開宅までパレードしててねぇ、壮観だったよ」
との事。それちょう参加したい!!(スバルタ憧れのコスプレは金田一とホームズなのである。だって明智小五郎じゃ神津恭介と区別つかないジャン!)
徒歩だと30分以上掛かる道程も1090円であっと言う間に到着。
横溝正史疎開宅
おお、表札!!
おお、金田一さん!!
中に入ると二人のおばあちゃんが。当番制で管理されているようです。
お茶とマスカット(岡山の特産品)を出して頂きました。うまーい。
んで、おばあちゃんがスイッチを押すと
金田一耕助のシルエットが浮かび、疎開当時の横溝さんの説明が流れます。
他にも色々な史料が展示されています。
横溝さんの執筆部屋。右が長男さんの勉強部屋。今は金田一のシルエットの仕掛けが設置されている。
横溝さんが着ていた着物。横溝さんが亡くなった時、一番親しくしていた加藤一さんが形見分けで貰ったものを寄贈して戴いたそうです。
お話を伺ったおばあちゃんは他所の土地から嫁いできたので当時の横溝さんの事は全然知らないそうですが、お姑さんから色々話を聞いていて、それを私たちに伝えてくれています。
横溝さんが座っていた庭の岩。
庭は、観光客用に駐車スペースを作る都合で少し狭くなったらしいが、当時と殆ど変っていないとの事。
「去年沢山の金田一の格好をした人達がここに来てねぇ、今年も来るみたいでねぇ」
横溝正史の生家(神戸)よりも、晩年の地(東京)よりも、金田一耕助というキャラクタが生まれたこの土地が、ファンにとっての聖地なのだろう。
他にも手作り感イッパイの史料たち。
当時の写真と、サイン。多分役者さんか監督さんの(読めなかった・・・)
どうやって帰るのか聞かれ、歩いて川辺宿駅に行こうと思ってます、でも地図ないのでどこへ向かえば良いのか判りません。と答えると、
「あの小屋を右にずっと行って、カーブミラーがある十字路を左にずっと行くとふるさと歴史館があるから、そこなら多分地図置いてあるからそこ行くと良い」
と教えられたのでそうする事に。
「あの小屋の左に「濃茶のばあさん」の祠があるから。それをずっと行くと有名な千光寺があるよ。ここへ来た人は皆そこ行きなさる」
「濃茶のばあさん」も「千光寺」も横溝作品に出てくる人物やお寺のモデルとなったものです。
私は暑さに負けたので今回はお寺には行きませんでした・・・次リベンジ!
濃茶のばあさんの祠。
この祠の右には有名な「耕助岩」と呼ばれる、横溝さんが散歩の途中で良く座っていた長方形の岩があるのだけど、うっかりしすぎていて写真撮ってません、座ってもいません。私のばか!!
おたく的にディープないちにちだったので後編に続く・・・
百物語シリーズの最後の作品であり、はじまりの話です。
巷説百物語で百介と出会う前の、又市がどうして小股潜りになったのかが判ります。
百介と出会ってから百介が死ぬまでの話を既に読んでいるので知っている人物がそこかしこに出てきてウレシイ。
・寝肥(ねぶとり)
=自堕落が過ぎた女が、寝ている間に部屋いっぱいに膨張する怪事。
上方でしくじった又市と「削掛」の林蔵が損料屋「ゑんま屋」に出会い、手下になる話。
うおおお林蔵!後巷説では京都の人っぽかったけど、すっごい大阪人っぽい!良く喋る!
「長耳」の仲蔵は、アニメ巷説のオリジナルキャラクタを京極さんが気に入って原作にも登場させた人物。二つ名の通り耳が長い。
巷説年表(昔、続巷説かなんかに挟まれてた巷説ガイドブック)によると、この事件は182●年の出来事。
又市がひいきにしている女郎の「お葉」は4度売られて4度見請けされた美女。彼女を買った男は悉く死んでしまう。
そのお葉が自殺しようとしていた所を、女相撲取りの死体を運んでいた林蔵が助け仔細を聞くと
「妾は、人殺しなんです」
と言う。
又市は何とか逃がそうとするが、当のお葉は死んで償おうとする。
そこへ居合わせた損料屋「ゑんま屋」の手代、角助が
「その損、手前どもがお受けしやしょう」
――と。そうして損料を又市が支払う事になり、彼はゑんま屋の手先となるのだ。
・周防大蟆(すおうのおおがま)
=周防の国の山奥にすむ古蛙。蛇を食う。
敵討ちをする為江戸まで来たのだが、兄を殺された男、岩見は敵討ちをしたくないと言う。
しかも、敵討ちの相手、疋田は無実なのだと訴える。
当時敵討ちは武士なら絶対にしなければならないもので、敵討ちを命じられた者が死んでも若い親族が果たさなければならないのである(但し、目上の親族が殺された場合のみ。目下の親族の敵討ちは認められていなかった)
取り敢えず疋田に罪を着せた真犯人を探そうと言う事で聞き込みを行うと、彼らが仕える藩主の世継ぎで、しかも世継ぎは疋田に惚れていて、自分に靡かないのは他に思い人が居るからだと勘繰り恋敵(と勝手に思い込んだ岩見の兄)を斬ったのだという。
なにこの色恋殺傷沙汰。
この話で剣術の達人「鳥見」の山崎寅之助が登場。彼は武家の出でありながら剣を捨て、細民窟で暮らしている変わり者。相手の獲物を奪って仕留める恐ろしい使い手である。
・二口女
=継子を虐め殺すと、その継母の子供は口をふたつ持って生まれてくるという。
武家の後妻が、前妻の子を虐め殺してしまったようだ、とゑんま屋にやってくる。
その損をどう埋めれば良いのか。また、後妻は本当に前妻の子を殺してしまったのか。
儒学者崩れの久瀬堂庵先生だいかつやく。
時代小説(巷説シリーズしか読んでないけど)読むと、武家ってほんとうに七面倒臭い職業だなあと思います。
・かみなり
=稲妻とともに落ちてくるとされる生き物。
損料屋の仕掛けで一人の女癖の悪い侍が切腹した。
その後、ゑんま屋の女将、お甲と角助が拐かされ、半殺しにされた角助だけがゑんま屋の店先に捨てられる。
プロの殺し屋に狙われるゑんま屋一味。先の仕掛けの復讐なのか。
御燈の小右衛門登場。
・山地乳(やまちち)
=人の寝息を吸う妖怪。寝息を吸われた者は胸を叩かれると死ぬが、途中で目を覚ませば助かるらしい。
憎い相手の名を書くと三日以内に相手が必ず死ぬという黒絵馬の噂。
神仏の霊験ではなく人の手によってなされた悪事だと考えた同心・志方兵吾は犯人を誘き寄せる為に自分の名前を黒絵馬に書く。
――しかたさまあああ!!なんなのこの人、おとこまえすぎるるるるr!
山岡軍八郎を彷彿とさせるぜ・・・
ついに稲荷坂の祇右衛門の影が・・・
・旧鼠(きゅうそ)
=古鼠の妖怪。猫を食うが、子猫を育てる事もする。
うおおおおおおんん!!ももすけが、ももすけがあああ!
出てるちょろっと出てる!!
と、大興奮したのも束の間、久瀬先生が失踪。おおん。
祇右衛門の悪事をちょくちょく損料屋が知らずに潰してしまっていた為ゑんま屋が狙われる。
撲殺された後、物見櫓に逆さ吊りにされたゑんま屋の手先・辰五郎、おしま、巳之八、そしてゑんま屋の裏稼業とは全く無関係のおちか。
ゑんま屋の仲間はどんどん殺されてゆく。腕の立つあの山崎でさえも殺されてしまう。
囲まれた又市も死を覚悟するが、そこへ現れたまかしょう(御札を売り歩く御行)。
シリーズの最終話にして、はじまりの話。
なんかこの繋がり感がすごいです。
京極作品は別シリーズにも被った登場人物が出てきて、なんというか、世界観のリンクがすごいです。
又市は『嗤う伊右衛門』『覘き小平次』にも出てくるし、何といっても後巷説に登場した人物の子孫が京極堂シリーズにも出てくるところが凄いです。しかも巷説の影響としか思えない性格形成しちゃってるところとか、すごい計算されているんだろうなぁと思う。
巷説百物語で百介と出会う前の、又市がどうして小股潜りになったのかが判ります。
百介と出会ってから百介が死ぬまでの話を既に読んでいるので知っている人物がそこかしこに出てきてウレシイ。
・寝肥(ねぶとり)
=自堕落が過ぎた女が、寝ている間に部屋いっぱいに膨張する怪事。
上方でしくじった又市と「削掛」の林蔵が損料屋「ゑんま屋」に出会い、手下になる話。
うおおお林蔵!後巷説では京都の人っぽかったけど、すっごい大阪人っぽい!良く喋る!
「長耳」の仲蔵は、アニメ巷説のオリジナルキャラクタを京極さんが気に入って原作にも登場させた人物。二つ名の通り耳が長い。
巷説年表(昔、続巷説かなんかに挟まれてた巷説ガイドブック)によると、この事件は182●年の出来事。
又市がひいきにしている女郎の「お葉」は4度売られて4度見請けされた美女。彼女を買った男は悉く死んでしまう。
そのお葉が自殺しようとしていた所を、女相撲取りの死体を運んでいた林蔵が助け仔細を聞くと
「妾は、人殺しなんです」
と言う。
又市は何とか逃がそうとするが、当のお葉は死んで償おうとする。
そこへ居合わせた損料屋「ゑんま屋」の手代、角助が
「その損、手前どもがお受けしやしょう」
――と。そうして損料を又市が支払う事になり、彼はゑんま屋の手先となるのだ。
・周防大蟆(すおうのおおがま)
=周防の国の山奥にすむ古蛙。蛇を食う。
敵討ちをする為江戸まで来たのだが、兄を殺された男、岩見は敵討ちをしたくないと言う。
しかも、敵討ちの相手、疋田は無実なのだと訴える。
当時敵討ちは武士なら絶対にしなければならないもので、敵討ちを命じられた者が死んでも若い親族が果たさなければならないのである(但し、目上の親族が殺された場合のみ。目下の親族の敵討ちは認められていなかった)
取り敢えず疋田に罪を着せた真犯人を探そうと言う事で聞き込みを行うと、彼らが仕える藩主の世継ぎで、しかも世継ぎは疋田に惚れていて、自分に靡かないのは他に思い人が居るからだと勘繰り恋敵(と勝手に思い込んだ岩見の兄)を斬ったのだという。
なにこの色恋殺傷沙汰。
この話で剣術の達人「鳥見」の山崎寅之助が登場。彼は武家の出でありながら剣を捨て、細民窟で暮らしている変わり者。相手の獲物を奪って仕留める恐ろしい使い手である。
・二口女
=継子を虐め殺すと、その継母の子供は口をふたつ持って生まれてくるという。
武家の後妻が、前妻の子を虐め殺してしまったようだ、とゑんま屋にやってくる。
その損をどう埋めれば良いのか。また、後妻は本当に前妻の子を殺してしまったのか。
儒学者崩れの久瀬堂庵先生だいかつやく。
時代小説(巷説シリーズしか読んでないけど)読むと、武家ってほんとうに七面倒臭い職業だなあと思います。
・かみなり
=稲妻とともに落ちてくるとされる生き物。
損料屋の仕掛けで一人の女癖の悪い侍が切腹した。
その後、ゑんま屋の女将、お甲と角助が拐かされ、半殺しにされた角助だけがゑんま屋の店先に捨てられる。
プロの殺し屋に狙われるゑんま屋一味。先の仕掛けの復讐なのか。
御燈の小右衛門登場。
・山地乳(やまちち)
=人の寝息を吸う妖怪。寝息を吸われた者は胸を叩かれると死ぬが、途中で目を覚ませば助かるらしい。
憎い相手の名を書くと三日以内に相手が必ず死ぬという黒絵馬の噂。
神仏の霊験ではなく人の手によってなされた悪事だと考えた同心・志方兵吾は犯人を誘き寄せる為に自分の名前を黒絵馬に書く。
――しかたさまあああ!!なんなのこの人、おとこまえすぎるるるるr!
山岡軍八郎を彷彿とさせるぜ・・・
ついに稲荷坂の祇右衛門の影が・・・
・旧鼠(きゅうそ)
=古鼠の妖怪。猫を食うが、子猫を育てる事もする。
うおおおおおおんん!!ももすけが、ももすけがあああ!
出てるちょろっと出てる!!
と、大興奮したのも束の間、久瀬先生が失踪。おおん。
祇右衛門の悪事をちょくちょく損料屋が知らずに潰してしまっていた為ゑんま屋が狙われる。
撲殺された後、物見櫓に逆さ吊りにされたゑんま屋の手先・辰五郎、おしま、巳之八、そしてゑんま屋の裏稼業とは全く無関係のおちか。
ゑんま屋の仲間はどんどん殺されてゆく。腕の立つあの山崎でさえも殺されてしまう。
囲まれた又市も死を覚悟するが、そこへ現れたまかしょう(御札を売り歩く御行)。
シリーズの最終話にして、はじまりの話。
なんかこの繋がり感がすごいです。
京極作品は別シリーズにも被った登場人物が出てきて、なんというか、世界観のリンクがすごいです。
又市は『嗤う伊右衛門』『覘き小平次』にも出てくるし、何といっても後巷説に登場した人物の子孫が京極堂シリーズにも出てくるところが凄いです。しかも巷説の影響としか思えない性格形成しちゃってるところとか、すごい計算されているんだろうなぁと思う。
世界的な動物写真家の岩合さんの写真展に行ってきました。
わたくし、普段は猫の絵をちょくちょく描いてはいますが、断然犬派です。
と、人生の殆どを犬派で通してきたのですが、ここ数年でドウやらあんまり犬に好かれていない・・・?と思い始め、去年の暮あたりには犬に好かれていない事をようやっと受け入れました。
今、わたくし犬派改め猫派に属したいと思うております。以後よろしゅう。
さておき。
岩合さんの写真である。
歩く、ジャンプ!、散歩する、店番する、等々猫の仕種でカテゴライズされた展示。
猫がとっても生き生きしてます、自然体です、キャプションもおちゃめな感じです。
つんとすました猫もいれば、半眼の猫もいる、猫にしか見えない(視えない)モノを見詰める猫や、犬と仲良く並ぶ猫も、鶏と一緒にいる猫も、漁師と一緒にいる猫も海外の猫もいっぱいいっぱいいます。
岩合さんが30年前に飼っていたという「海(かい)ちゃん」の写真もありました。
カメラの前でポーズをとる子猫の海ちゃん、牛にびびったり、雪の中を走ったり、そして母親になった海ちゃんと彼女のこどもたち。
そしてエピローグとして海ちゃんの最期を看取ってやれなかったという岩合さんの後悔の言葉と海ちゃんへの感謝の言葉が綴られたボードに泣きそうになる。
その前段階でそのうち無くなってしまう村でのおばあさんと猫の写真とか、数少なくなってゆく職人さんと猫の写真とかで既に感極まって涙腺ぐずぐずになってるところにそんな・・・!ぶわッ
猫好きは見るべき。写真集買ってもた。
松坂屋本館7階特別展示場にて8/2まで。入場料は500円。
そいから、9/11から名演小劇場という所で「ネコを探して」というフランス映画が公開されるそうです、誰か一緒に行かんかえ。
わたくし、普段は猫の絵をちょくちょく描いてはいますが、断然犬派です。
と、人生の殆どを犬派で通してきたのですが、ここ数年でドウやらあんまり犬に好かれていない・・・?と思い始め、去年の暮あたりには犬に好かれていない事をようやっと受け入れました。
今、わたくし犬派改め猫派に属したいと思うております。以後よろしゅう。
さておき。
岩合さんの写真である。
歩く、ジャンプ!、散歩する、店番する、等々猫の仕種でカテゴライズされた展示。
猫がとっても生き生きしてます、自然体です、キャプションもおちゃめな感じです。
つんとすました猫もいれば、半眼の猫もいる、猫にしか見えない(視えない)モノを見詰める猫や、犬と仲良く並ぶ猫も、鶏と一緒にいる猫も、漁師と一緒にいる猫も海外の猫もいっぱいいっぱいいます。
岩合さんが30年前に飼っていたという「海(かい)ちゃん」の写真もありました。
カメラの前でポーズをとる子猫の海ちゃん、牛にびびったり、雪の中を走ったり、そして母親になった海ちゃんと彼女のこどもたち。
そしてエピローグとして海ちゃんの最期を看取ってやれなかったという岩合さんの後悔の言葉と海ちゃんへの感謝の言葉が綴られたボードに泣きそうになる。
その前段階でそのうち無くなってしまう村でのおばあさんと猫の写真とか、数少なくなってゆく職人さんと猫の写真とかで既に感極まって涙腺ぐずぐずになってるところにそんな・・・!ぶわッ
猫好きは見るべき。写真集買ってもた。
松坂屋本館7階特別展示場にて8/2まで。入場料は500円。
そいから、9/11から名演小劇場という所で「ネコを探して」というフランス映画が公開されるそうです、誰か一緒に行かんかえ。
事務所のひとたちと愛知県美術館へ行ってきました。
アボリジニ展の招待券があったので。
で、行ったら崋山展の一角で展示されているとの事。なんだおまけかよ。
崋山の判子ちょうかわいい!と何度も見てたら係の人が
「すみませんお時間あと30分しかないので時間配分考えて回って下さい」
と忠告されちまったぜ!
展示ブース8室中まだ2室目であった。
せかされたのでじっくり見れなかったけど、渡辺崋山という人は、本描きする前にがっちり下絵描いてたようで、それらも展示してありました。自分のお父ちゃんが亡くなったので肖像画描いた時のデスマスクのデッサンもありました。
あとはメモ帳を持ち歩いていて、時間があるとスケッチしてたらしく、そのメモ帳は全部重ねると自分の身長位あったとか。すっげー。
崋山の他にも色んな人の(せかされたのでばばっとしか見れなかったの!)日本画や油彩画などが展示されていました。
そして常設展。何度か見た事あるやつはスルーして気になるやつだけ見て回る。
アーッ ウォーホルがいる!
あ、これどっかで見た!多分去年横浜美術館で・・・違ったかな・・・
そうこうしているうちにやっとアボリジニ@第7展示室。
・・・なんか文化の違いなのかな、恐い感じの絵ばかりだ。
恐怖 ではなく、 こわい 。
なんてゆうのかな・・・宗教と密接に関係している感じがする。神秘的ってゆうのか知らん、エッチングで描かれていて、細部まで模様が入っている、こどもが描いたみたいな絵なの。
ああ、きっとこどもっぽい無邪気さが こわい という感じをもたらしているのじゃないかなァ。
無垢と狂気は紙一重だって綾辻小説読んでから思うようになった。
40分位しか見て回れなかったけど面白かったなー。
はんこちょうかわいかった・・・(まだ言う)
アボリジニ展の招待券があったので。
で、行ったら崋山展の一角で展示されているとの事。なんだおまけかよ。
崋山の判子ちょうかわいい!と何度も見てたら係の人が
「すみませんお時間あと30分しかないので時間配分考えて回って下さい」
と忠告されちまったぜ!
展示ブース8室中まだ2室目であった。
せかされたのでじっくり見れなかったけど、渡辺崋山という人は、本描きする前にがっちり下絵描いてたようで、それらも展示してありました。自分のお父ちゃんが亡くなったので肖像画描いた時のデスマスクのデッサンもありました。
あとはメモ帳を持ち歩いていて、時間があるとスケッチしてたらしく、そのメモ帳は全部重ねると自分の身長位あったとか。すっげー。
崋山の他にも色んな人の(せかされたのでばばっとしか見れなかったの!)日本画や油彩画などが展示されていました。
そして常設展。何度か見た事あるやつはスルーして気になるやつだけ見て回る。
アーッ ウォーホルがいる!
あ、これどっかで見た!多分去年横浜美術館で・・・違ったかな・・・
そうこうしているうちにやっとアボリジニ@第7展示室。
・・・なんか文化の違いなのかな、恐い感じの絵ばかりだ。
恐怖 ではなく、 こわい 。
なんてゆうのかな・・・宗教と密接に関係している感じがする。神秘的ってゆうのか知らん、エッチングで描かれていて、細部まで模様が入っている、こどもが描いたみたいな絵なの。
ああ、きっとこどもっぽい無邪気さが こわい という感じをもたらしているのじゃないかなァ。
無垢と狂気は紙一重だって綾辻小説読んでから思うようになった。
40分位しか見て回れなかったけど面白かったなー。
はんこちょうかわいかった・・・(まだ言う)