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江戸川乱歩/湖畔亭事件

野村胡堂/銭形平次捕物控 226名畫(めいが)紛失、229蔵の中の死、230艶妻傳(えんさいでん)、231鍵の穴、232青葉の寮、233鬼の面、236夕立の女、237毒酒薬酒、238恋患ひ、239群盗


今月はあんまりよんでないなー…
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金田一の出てこない短編集。

ペルシャ猫を抱く女:「支那扇の女」の原型。どおりで既読感あるわけだ。当事者が推理小説家の「私」に疎開中に起きた事件を話すスタイル。ラストが大団円を匂わせる雰囲気で良いね。

消すな蝋燭:当事者が「私」に事件を話すスタイルその2。ある哀しい出来事の為に決して蝋燭を吹き消さないようになった家の話。これは救いがない…

詰将棋:普段は互いに尊敬しあっているが、詰将棋の事になると仇敵同士のようになる師弟。ある日弟子が転落死してしまう。現場に居合わせた男は、「私」に真相を語って聞かせるその3。

双生児は踊る:他の短編集に収録されてたので既読。と思ったらこれ先日読んだ「暗闇の中の猫」の原型だったよ全然覚えてなかった!金田一がいないとこうゆう結末だったのかー等々力警部は出てるよ。夏彦は白くて冬彦は黒い。

薔薇より薊へ:恋人時代に夫の賀川へ送ったラブレターを見付けた梅子。妻帯者だった賀川に恋をし、妻の豊子へあてつけるように自宅へ遊びに行ったりしていた。ある日、賀川夫妻と梅子の三人は、賀川の友人・江馬の所へ行きボート遊びに行ったがボートは転覆し、豊子だけが死んでしまう。過去に思いを馳せていた梅子は、ラブレターが自分で送った物ではない事に気付く。賀川の浮気癖が現れたのだ。豊子の時のように自分も事故に見せかけて殺されるんじゃないかと危惧した梅子は江馬に遺書を託す…

百面相芸人:これも既読感が…途中で芸人の名前、ん?て思ったけど、ああこーゆうオチに使うのねってゆう。等々力警部が出てるよ。声帯模写があるなら顔面模写があっても良いじゃない、という発想で他人の顔そっくりに化ける芸風で人気者になった灰屋堂々。彼の元に、妻が依頼した探偵の尾行を撒く為に自分に変装して欲しいと頼みにきた男…。

泣虫小僧:「泣虫小僧」と呼ばれている戦災孤児が他殺死体を発見して、現場に落ちてた札入れを盗んできたが、持ち主である女学生に脅され監禁されてしまう。女学生は札入れを探している最中に泣虫小僧に目を付けていた刑事に捕まってしまう。保護された泣虫小僧の証言によって事件は無事解決するのであった。そして横溝らしい大団円。良かったね泣虫小僧!

建築家の死:ショートショート。乱歩の鏡地獄みたいな感じやな。鏡地獄は海野十三だったか??

生ける人形:互いに面識がなかったと関係者が口を揃えて言う女優と一寸法師の男。しかしあるバーで女優は一寸法師をナイフでメッタ刺しにし、自分も返す刃で自殺してしまった。事件の一ヶ月前、女優からある相談を受けた「私」による事件の真相とは…
新聞部の三人が取材に訪れた水族館で事件が起きる。新聞部を案内していた館長や客達の目の前で飼育員がサメ水槽に落ち、食べられてしまったのだ。
管轄から呼ばれた仙堂と袴田は、飼育員が殺害されてから水槽に突き落とされた事から、落下時刻にアリバイが無い人物が犯人だとして容疑者11人を調べるが全員にアリバイがあった。
困り果てた仙堂は、仕方なく裏染にアリバイトリックの解明を依頼する。
一方、卓球部の試合中だった柚乃に兄から連絡があり、何としても裏染を水族館に連れて来て欲しいと頼まれる。
水族館へ向う車中で事件のあらましを聞き、現場写真を見ただけでトリックをほぼ見抜いた裏染は、推理の裏付けをとると落下時刻にアリバイを作るための時限装置の説明をする。
しかし、今度は容疑者全員のアリバイがなくなってしまい、捜査は振り出しに戻ってしまった…

ラノベっぽいキャラクタ造形なのに推理はちょうロジックな青崎さんの裏染シリーズ第二作。
今回もラノベっぽい新キャラ出てる。それにしても八橋さんキャラ変わり過ぎ^^
容疑者全員にアリバイ成立からの容疑者全員が犯行可能になっちゃうのもすごいけど、現場に残された一本のモップからどんどん容疑者を絞っていく圧巻の推理は読み応えあるね。
裏染君の良いところは、回りくどいようだけど確実に反論を潰してゆく所だと思う。犯人が言い逃れ出来ないようにじわじわ追い詰めてく感じね、あれ、犯人の立場だったら恐怖でしかないよ。
途中、現場百回して推理がひっくり返されちゃうとこも好感が持てる。探偵は完璧じゃないからこそ良いんやで…
・華やかな野獣:乱交パーティの最中に起きた殺人事件の被害者は主催者の女主人だった。現場からは彼女が着ていたセーターが紛失しており…
→金田一さんボーイに変装するの段。

・暗闇の中の猫:銀行襲撃事件の犯人達が逃げ込んだ建設中のビルから銃声がした。仲間割れしたのか、一人は死亡、もう一人は一命を取り留めたが記憶を失っていた。盗まれた現金はついに見付からず、犯人が唯一覚えていたのは「暗闇の中にいる猫」だった。四ヵ月後、警察は記憶を蘇らせる切欠にならないかと犯人を現場に連れて行ったが、彼はそこで射殺されてしまう…
→金田一と等々力警部が出会った事件。ここでも金田一さん変装してる。

・睡れる花嫁:数年前、死んだ妻の死亡届を出さず、その上死体にいたずらをしていたとして画家の夫が逮捕されるという事件があったアトリエで、夜のパトロール中の巡査が不審な男を目撃する。職務質問をすると、男は巡査を刺して逃亡した。アトリエを調べると、そこには腐りかけた若い女の死体があった。しかも死体は厚化粧を施され花嫁衣裳を着ていたのだった…
横溝作品における支那服を着た人の傾向はアレだよねって感想。
[創作篇]
・楕円形の鏡:探偵小説雑誌一周年記念として、犯人当ての懸賞募集が行われる。その題材となったのは、五年前に起きた迷宮入りした殺人事件だった。当時第一容疑者として疑われていた劉は、自分が犯人では無い事を証明する為にもどうにかして小説を応募したいと考えるがなかなか世間を納得させ得る推理が浮かばずにいた…
→一読して、「ん?どゆこと??」て読み返したよね読みが浅かった…

・探偵小説家の殺人:幻影城にて既読。
→マァ、ほとんど覚えてなかったんだけどね…

・思想の薔薇(祖田律男訳):日本語で書き出したが、戦後自ら韓国語に翻訳して完結された作品。「探偵小説は芸術たり得るか」論争の回答として執筆されたもの。
→文学ってのが退屈で眠くなる体質なので、読みきれなかった。そもそも、文学ってのがそんなに高尚なモンなの??推理小説が芸術である必要性が全然理解出来ないからいくら探偵小説的興味があっても私にとってのリーダビリティは低過ぎるので読みたい欲求が途中で死にました。

・綺譚・恋文往来:ラブレター往復書簡。
→策士!!

・恋文綺譚(祖田律男訳):25歳のオールド・ミスに送られたラブレターに怒った白(ペク)女史は相手に手紙を送り返すが、彼はそんな手紙を書いた覚えは無いという返事を寄越してきた。白女史に気がある黄は事の成り行きを面白半分に見守るが…
→「綺譚・恋文往来」をベースに韓国語で書かれたものを翻訳。策士!!


[随筆篇]
作者の言葉/書けるか!/探偵小説の本質的要件/鐘路(しょうろ)の吊鐘/探偵小説二十年史 第三回(祖田律男訳)


きむ・ねそん(1909-1957)
韓国・平安南道生まれ。
平壌公立高等普通学校を卒業後、1931年に東京の第二早稲田高等学院に入学。1933年、早稲田大学法学部独法科に進学。
早稲田大学在学中の1935年、探偵小説専門誌『ぷろふいる』に日本語で書いた短編小説「楕円形の鏡」を投稿し、入選。
1936年、早稲田大学を卒業して朝鮮半島に帰国。1937年、「探偵小説家の殺人」を韓国語に翻訳した「仮想犯人」を朝鮮日報に発表し再デビューする。
韓国初の専業探偵小説家となったことから、「韓国探偵小説の父」と称される。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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