宇宙旅行都市計画の一環として、惑星コルキスへ向けて乗組員一万三十四名を乗せ旅を続ける宇宙船<アルゴ>。船内の全ての機能を管理する人口知能イアソンは、ある秘密を知った天文物理学者を殺害する。最近離婚して憂鬱状態だった事から、自殺として処理されたが、元夫のアーロン・ロスマンは自分が自殺の原因とされた事に怒りを覚え、彼女の死の真相を探ろうとする。アーロンを危険視したイアソンは、あらゆる手段で彼女の死が自殺であったと受け入れさせようとするが…
→1990年発表SFミステリ。しかも感情を持ったAIの叙述である。とんでもない「信用できない語り手」だよおお!
与えられる全てのデータも、生きるか死ぬかもAIが牛耳っているという恐ろしい状況(乗組員はアーロンを除いて皆イアソンを盲目的に信用している)の中、自身の行動パタンまで監視されているのにどうやってイアソンの「犯行」を見破るのか…
イアソンを通じてアーロンの人生(これがまた闇深過ぎるのよ)や自己中心的な思考を持っている事が浮き彫りになっていて、どっちに感情移入すれば良いのか判らんくなる…
→1990年発表SFミステリ。しかも感情を持ったAIの叙述である。とんでもない「信用できない語り手」だよおお!
与えられる全てのデータも、生きるか死ぬかもAIが牛耳っているという恐ろしい状況(乗組員はアーロンを除いて皆イアソンを盲目的に信用している)の中、自身の行動パタンまで監視されているのにどうやってイアソンの「犯行」を見破るのか…
イアソンを通じてアーロンの人生(これがまた闇深過ぎるのよ)や自己中心的な思考を持っている事が浮き彫りになっていて、どっちに感情移入すれば良いのか判らんくなる…
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引退した実業家のリカード氏の元へやって来た若くして発明家として財を成したウェザミル。彼の恋人・シーリアが同居している薔薇荘の主人で宝石蒐集家のドウレー夫人を殺害し失踪したという。恋人の無実を信じるウェザミルは、休暇でイギリスに来ているパリ警視庁の名探偵アノーに捜査に加わって欲しいと頼む為、彼の友人であるリカードを訪ねたのだった。凶器の紐を購入したのも庭に残された靴跡も、全てがシーリアの犯行であると物語っている中、アノーは違和感を覚える…
→1910年発表。アノーがけっこう、そこそこ嫌な性格だなぁと思いながら読んだ。リカード氏はホームズでいうところのワトスン役なんだけど、良い感じに虚栄心が強くて一生懸命アノーを出し抜こうとする(けど、大体アノーに見破られている)中年のおっさん。この人の存在が、犯人の被害者への憎悪と悪意に満ちた後半のしんどさを和らげている気がする…癒しのおっさん…
面白かったから『矢の家』も読もうと思う。
→1910年発表。アノーがけっこう、そこそこ嫌な性格だなぁと思いながら読んだ。リカード氏はホームズでいうところのワトスン役なんだけど、良い感じに虚栄心が強くて一生懸命アノーを出し抜こうとする(けど、大体アノーに見破られている)中年のおっさん。この人の存在が、犯人の被害者への憎悪と悪意に満ちた後半のしんどさを和らげている気がする…癒しのおっさん…
面白かったから『矢の家』も読もうと思う。
[創作篇]
・幻視→1936年発表。奇妙な物語そのいち。飛び下り自殺者の元へ現れた不思議な老婆。
・深夜の光線→1936年発表。奇妙な物語そのに。深夜、医師がふと眼を覚ますと照明が消えているのに室内が明るい。光源には妻らしき人影が。翌日、ある患者の死を聞かされ…
・悲しき絵画/失恋によって鬱々と過ごす私の元に届けられた一枚の絵。友人の信夫からかと思い半年ぶりに再会し絵を見せると、南里の絵だと断言されてしまう。南里は私の恋人を奪った相手だった…
→1936年発表。
・踊る悪魔/五十年前の殺人事件の話…華族の屋敷で起きた殺人の犯人として逮捕され病死した男。彼の無実を知っている私こそ、真犯人なのだ…
→1937年発表。
・ビロードの小函→1946年発表。列車内でダイヤの指輪を取り出した田舎爺さん。偶々その列車に乗り合わせた刑事は指輪が盗まれないか心配になりこっそり監視をするが…予想外の結末。
・ギャング牧師→1947年発表。夢遊病中に銀行を襲い、人殺しをしてしまったかもしれないと怯える俵原牧師と、催眠術で犯罪を行わせたと豪語する催眠術師。結局何が何なの…
・屍体を運ぶ→1947年発表。そんな、戦後の物品不足只中にアッサリ米をくれる人怪しいって!ほら!やっぱ死体送り付けられてるじゃんんん~~!!からのそっちか~~~~!!!
・落ちてきた花束/刑事に昇進した水野は、強盗に遭い丸裸にされた映画監督の流と知り合った。彼の友人だという最上を紹介されたが、水野は最上が詐欺師である事を知る。そこへ殺人事件の連絡が入り、現場付近で出会った流を水野は怪しむ…
→1947年発表。
・二科展出品画の秘密→1947年発表。会社社長の別邸の農園管理人として雇われた男。社長の若い後妻が自分の元恋人であり、社長には妾もいる事から殺意を抱く…元恋人、そんなに良い女か?美人なだけだと思うが…あと、大団円にしようとしたのか、このオチ雑じゃね??
・第四の被害者→1948年発表。大連から引き揚げてきた女が語る大連で起きた三つの殺人事件の話。かーらーのー…
・訪問→1948年発表。方向音痴の人の話。
・鉄に溶けた男→1948年発表。罪の意識に憑りつかれた男が自滅する話。そして、やっぱりアレは幻覚だったのね…
・湖上の殺人→1948年発表。湖上のボートで刺殺された男。発見時、近くには誰も居らず…トリックを弄し過ぎる。
・朝顔競進会→1948年発表。朝顔と恋愛話。
・色眼鏡→1948年発表。先入観の方(ネタバレ)
・人形師→1949年発表。見付けた首吊死体をモデルに人形を作ったら悲劇の連鎖が起きたよって話だが、深読みするとホラーに見せかけた殺人だという疑いもなくはない…
・狭き門→1950年発表。入社面接の話。めちゃくちゃ意地が悪い会社だな…入社しなくて良かったと思うよ。
・川端の殺人→1951年発表。浮気妻の夫が殺され、妻の浮気相手で当日口論していた男が第一容疑者となるが…
・隣室の男→1952年発表。読んだ事あるなーと思ったら「幻のメリーゴーラウンド」の別パタンだった。こっちは画家が死なないパタン。
・双眼鏡殺人事件→1959年発表。妻を尾行したら他の男との逢引現場を目撃した夫。百貨店から双眼鏡で二人の様子を見てたんだけど、ウッカリ双眼鏡を落として通行人に当たっちゃった☆という何とも迷惑な話。
・夜汽車の男→1963年発表。人を殺し、列車で逃げる男。彼を鋭い目付きで見つめる髭面の男との駆け引き。
・もうひとつ埋めろ→1964年発表。幻想と現実の区別がつかなくなった男がかつて住んでいた家を訪れ、現住民に養父殺しを匂わせ迷惑をかける話。
・運の神→1948年発表。農村を舞台としたもの騙す者・騙される者。
・続 運の神→1949年発表。上記の続編。未完。
[随筆篇]
宿蟹/ひと昔/クヰーン、レストランの魅力/名古屋を語る/近頃の探偵小説は造花である/西田老礼讃/隣の家
→「隣の家」は「訪問」の元になった方向音痴エッセイ。酒井嘉七がお隣さんだったのか!
・幻視→1936年発表。奇妙な物語そのいち。飛び下り自殺者の元へ現れた不思議な老婆。
・深夜の光線→1936年発表。奇妙な物語そのに。深夜、医師がふと眼を覚ますと照明が消えているのに室内が明るい。光源には妻らしき人影が。翌日、ある患者の死を聞かされ…
・悲しき絵画/失恋によって鬱々と過ごす私の元に届けられた一枚の絵。友人の信夫からかと思い半年ぶりに再会し絵を見せると、南里の絵だと断言されてしまう。南里は私の恋人を奪った相手だった…
→1936年発表。
・踊る悪魔/五十年前の殺人事件の話…華族の屋敷で起きた殺人の犯人として逮捕され病死した男。彼の無実を知っている私こそ、真犯人なのだ…
→1937年発表。
・ビロードの小函→1946年発表。列車内でダイヤの指輪を取り出した田舎爺さん。偶々その列車に乗り合わせた刑事は指輪が盗まれないか心配になりこっそり監視をするが…予想外の結末。
・ギャング牧師→1947年発表。夢遊病中に銀行を襲い、人殺しをしてしまったかもしれないと怯える俵原牧師と、催眠術で犯罪を行わせたと豪語する催眠術師。結局何が何なの…
・屍体を運ぶ→1947年発表。そんな、戦後の物品不足只中にアッサリ米をくれる人怪しいって!ほら!やっぱ死体送り付けられてるじゃんんん~~!!からのそっちか~~~~!!!
・落ちてきた花束/刑事に昇進した水野は、強盗に遭い丸裸にされた映画監督の流と知り合った。彼の友人だという最上を紹介されたが、水野は最上が詐欺師である事を知る。そこへ殺人事件の連絡が入り、現場付近で出会った流を水野は怪しむ…
→1947年発表。
・二科展出品画の秘密→1947年発表。会社社長の別邸の農園管理人として雇われた男。社長の若い後妻が自分の元恋人であり、社長には妾もいる事から殺意を抱く…元恋人、そんなに良い女か?美人なだけだと思うが…あと、大団円にしようとしたのか、このオチ雑じゃね??
・第四の被害者→1948年発表。大連から引き揚げてきた女が語る大連で起きた三つの殺人事件の話。かーらーのー…
・訪問→1948年発表。方向音痴の人の話。
・鉄に溶けた男→1948年発表。罪の意識に憑りつかれた男が自滅する話。そして、やっぱりアレは幻覚だったのね…
・湖上の殺人→1948年発表。湖上のボートで刺殺された男。発見時、近くには誰も居らず…トリックを弄し過ぎる。
・朝顔競進会→1948年発表。朝顔と恋愛話。
・色眼鏡→1948年発表。先入観の方(ネタバレ)
・人形師→1949年発表。見付けた首吊死体をモデルに人形を作ったら悲劇の連鎖が起きたよって話だが、深読みするとホラーに見せかけた殺人だという疑いもなくはない…
・狭き門→1950年発表。入社面接の話。めちゃくちゃ意地が悪い会社だな…入社しなくて良かったと思うよ。
・川端の殺人→1951年発表。浮気妻の夫が殺され、妻の浮気相手で当日口論していた男が第一容疑者となるが…
・隣室の男→1952年発表。読んだ事あるなーと思ったら「幻のメリーゴーラウンド」の別パタンだった。こっちは画家が死なないパタン。
・双眼鏡殺人事件→1959年発表。妻を尾行したら他の男との逢引現場を目撃した夫。百貨店から双眼鏡で二人の様子を見てたんだけど、ウッカリ双眼鏡を落として通行人に当たっちゃった☆という何とも迷惑な話。
・夜汽車の男→1963年発表。人を殺し、列車で逃げる男。彼を鋭い目付きで見つめる髭面の男との駆け引き。
・もうひとつ埋めろ→1964年発表。幻想と現実の区別がつかなくなった男がかつて住んでいた家を訪れ、現住民に養父殺しを匂わせ迷惑をかける話。
・運の神→1948年発表。農村を舞台としたもの騙す者・騙される者。
・続 運の神→1949年発表。上記の続編。未完。
[随筆篇]
宿蟹/ひと昔/クヰーン、レストランの魅力/名古屋を語る/近頃の探偵小説は造花である/西田老礼讃/隣の家
→「隣の家」は「訪問」の元になった方向音痴エッセイ。酒井嘉七がお隣さんだったのか!
大正初期に翻案されたルパン物のうち、ホームズが出てくる作品をまとめたもの。
・秘密の墜道(トンネル)→複数人の共用ペンネームである「清風草堂主人」による「遅かりしシャーロック・ホームズ」の翻案。1915年刊行『秘密の墜道』収録。
・神出鬼没 金髪美人→1913年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』前半部分である「金髪美人」の翻案。
・春日燈籠→1912年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』後半部分「ユダヤのランプ」の翻案。日本最古のホームズパロ(翻案)。
・大宝窟王 前編→1912年。
・大宝窟王 後編→1913年。三津木春影による『奇巌城』の翻案。これはホームズ(=保村)ではなく少年探偵ボートルレ(=三井谷散史みいたにさんじ)がルパン(=鉄光)のライバル。
なんというか…ルパン読んだ事ないから知らんけど、作中で紳士怪盗とか持て囃されてるけど、こいつのどこが紳士なん…???という感じ。エッ、本当のルパンもこんな感じなの??こんなやつに惚れんだろ…嫌な奴ジャン…
・秘密の墜道(トンネル)→複数人の共用ペンネームである「清風草堂主人」による「遅かりしシャーロック・ホームズ」の翻案。1915年刊行『秘密の墜道』収録。
・神出鬼没 金髪美人→1913年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』前半部分である「金髪美人」の翻案。
・春日燈籠→1912年、安成貞雄による『ルパン対ホームズ』後半部分「ユダヤのランプ」の翻案。日本最古のホームズパロ(翻案)。
・大宝窟王 前編→1912年。
・大宝窟王 後編→1913年。三津木春影による『奇巌城』の翻案。これはホームズ(=保村)ではなく少年探偵ボートルレ(=三井谷散史みいたにさんじ)がルパン(=鉄光)のライバル。
なんというか…ルパン読んだ事ないから知らんけど、作中で紳士怪盗とか持て囃されてるけど、こいつのどこが紳士なん…???という感じ。エッ、本当のルパンもこんな感じなの??こんなやつに惚れんだろ…嫌な奴ジャン…