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初版昭和10年のものを平成15年に復刊したもの。
お値段8000円。
が、古書展で840円になっていた。
復刊と銘打ってあるだけあって本気の仕上がりである。
090215a.gif
そいで本文
090215b.gif
漢数字以外は全てルビ有りなのでどうにか読める。
この写植職人が一字一字埋めた感が堪んないよねこのご時世に敢えてこの手作り感を残して復刊させるとは心意気が違うぜ。
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再読。案の定全く覚えていない。

・ブラウン神父の秘密
短編4冊目にしてフランボウが探偵廃業、嫁貰って大家族でスペインの城に住んでる!
そんな簡単に城に住めるんかスペイン。山ん中だけど城だぜ、電気もガスも通ってないけど城だぜ。
この話はブラウン神父がいかなる方法で探偵をして犯人を突き止めるのかをフランボウの城の隣の城を借りて生活しているアメリカ人観光客に対して語って聞かせている。
以下ブラウン神父が関わった犯罪実録。ブラウン流探偵術の実例です。
てゆうか観光で城借りて住むって何。

・大法律家の鏡
裁判官が何者かに銃殺され反社会派かなんかの詩人が容疑者として捕まり裁判にかけられるんだけどブラウンは彼が詩人であるからこそ殺人など犯す訳が無いと言う。

・顎ひげの二つある男
大泥棒が釈放され、どうやら住んでいる村に引っ越してきたらしい。エメラルドの首飾りが盗まれ、犯人は首飾りの持ち主の息子に射殺されたが、彼が本当に盗んだのか。
「罪を償う」とは何か、チェスタトンの宗教観やら人間観というのかが描かれている。と思う。

・飛び魚の歌
前から思っていたけど、17世紀の人はインド人とかアジア人に対してものすごく夢を見ている。魔術師だと思ってる。いっこの眼でみた価値観で全てを語る傾向。
あと、金で出来た魚って、高価なものでもあんまり欲しくないなぁ。

・俳優とアリバイ
しょうあく!!!!

・ヴォードリーの失踪
人間の心理の盲点を突いてる。殺害方法にしても死体の始末の方法にしても。
あとヴォードリーしょうあく。いんけん。

・世界で一番重い罪
ブラウン神父の家系がちょっぴり垣間見れる作品。姪っ子がいたとは。
罪を隠そうとする気持ちと暴露し驚かせたい気持ちの歪な現れ。

・メルーの赤い月
またもやインドの魔術師。東洋かぶれの夫婦が所有する大きなルビー「赤い月」がインド人の黒い手によって盗まれたが、どこにもルビーは見当たらない。
最後の神父の台詞「そして、これもまた盗まれたものです」が深い。

・マーン城の喪主
チェスタトン必殺一人二役。
ご都合主義の利己主義者たちと、社会につまはじかれた罪人に救いの手を伸べる神父。

・フランボウの秘密
南半球では警察が血眼になって捜している元大泥棒の告白。
金田一耕介初登場の『本陣殺人事件』と同時期に書かれた作品。
こっちの探偵役は金田一とは正反対の、白髪で、洋装で、マドロス・パイプを愛用する眼光は鋭いが全体的に見ると柔和な印象の中年紳士、由利先生こと由利麟太郎である。
名前だけ聞くとなんとなくEQか誰かの元舞台俳優探偵を思い出す。なんとなく。
この作品は以前書いた『横溝正史読本』で坂口安吾にネタバレされたものである。
犯人知ってるんだけどというなんかむやむやした気持ちで読む。

・蝶々殺人事件
あーーーー!!15頁目で犯人の名前が!うあー、うあー。
マァいいや、動機とかトリックとかはばらされてなかったから。
コントラバス・ケースから出てくる歌劇団団長の死体と薔薇の花びら。被害者が生前、大阪行きの列車に乗る前に楽譜による暗号を受け取っていたという事実から半年前に東京で起きた未解決殺人事件との関連が現れる。犯行現場は東京か大阪か。
というアリバイトリック。
まさか死なんだろうと思っていた使えない男まで殺害されてしまうし、犯人が半端ない衝撃を受けていた画家の服毒自殺の記事だとか色々出てくる。
そんで由利先生が関係者を一室に集めてパイプにひもをひっかけてくるくる捩る。
トリックを見破られ逃げ出そうとする犯人と格闘する新聞記者で由利先生の助手の三津木。
格闘の末犯人の顔が露見する!
・・・あれ。
犯人違う人なんだけど。
あれ・・・??
『横溝正史読本』読み直す。坂口安吾、やっぱり「犯人である志賀は――」とやっている。
・・・さかぐち!!!!!
しかもアリバイトリックにふれていた。犯人バラされてたので思わず見逃していた。
志賀さんはいっさい無実であった。すまん、ずっと犯人と思い込んで読んでいただよ。
衝撃的だったのは由利先生が多分一回り以上年がはなれている娘と結婚していた事である。まさかの展開。
そして続くよ「カルメン殺人事件」

・カルメン殺人事件
蝶々殺人事件の終わりに千恵子がカルメンを演るといっていたのでまた志賀さんとか出てくると思ったら別の劇団の話だった。
こっちはカルメンの上演中にホセが本当にカルメンを殺してしまう、のではなく結婚式に長い間愛人関係を続けていたカルメン役の女優からでかい贈り物が届いて、中を開けるとウェディングドレスを着た女優の死体が出てくる。箱から死体出すの好きだな横溝。
アラフォー女の執念の果ての惨劇であった。
再読。見えない男以外全く覚えてない!
本編とは関係ないけど、巻末にある既刊紹介頁にあった江戸川乱歩編『世界短編傑作選』全5巻にノックスの「密室の行者」が入っていたのでぜひとも欲しい。
あと読む気なかったけど亜愛一郎シリーズ全3巻も読みたくなった。
巻末おそろしや・・・
ミステリ作家と一級建築士の密室に関する対談。
ミステリとしての密室の定義と建築家から見た密室の定義が判る面白い一冊。
本格的にミステリにはまってもう10年が経過しますが未だに読んでいない古典や知らなかったミステリ用語があって勉強になります。
例えば「内出血密室」。
加害者に危害を加えられた後、部屋に逃げ込み施錠したところで被害者が力尽きて完成するパターンの密室の事。そうゆうミステリ読んでたけどこんな専門用語があったとはー!
密室検定があったら多分3級あたりで出題されてる、私落第だ!ショック!
やはりちゃんと密室講義位押さえとかないと駄目だなぁ。
密室講義といえばカーの『三つの棺』を教本に書かれた部分があって、フェル博士(探偵役のとても太った人)に「なぜ密室講義なんてするのか」と作中人物が問うたところ、「だって我々はミステリの作中人物だろ」と開き直っちゃうという。もうこの頃からメタ・ミステリは存在したのかという衝撃。(※メタ・ミステリ:作中人物が自分が創作上の存在である事を知り、紙の外には読者という存在が居る事を知っているタイプのミステリ。犯人は読者のあなただ!とか凶器は何ページのト書きにあった長音の記号だったとか何でもアリ系のもの)
私はそんなに密室がとても好きだ!というタイプではないが、やっぱこうゆうの読んじゃうと密室もの読みたくなるなぁ・・・
という事で手に入れたい作品

・チェスタトン短編「見えない男」
・天城一『密室作法』『天城一の密室犯罪学教程』
・安井俊夫『犯行現場の作り方』
・ロナルド・ノックス短編「密室の行者」

カーの『三つの棺』は難しいようなのでパスした。
そして見えない男は犯人知っているのでなんでだっけーと思ったら持ってた。『ブラウン神父の童心』に収録されていた。持ってないのは「犬のお告げ」収録の短編集だった。
私には本に対するもの凄い偏食があって、まず人の死なない本は読む気ない・猟奇的なのだと尚良し・文学とか哲学とか恋愛小説なんて何が面白いの?・カタカナ多いのは眠くなる、とかなんかそうゆう好みの偏りがある。
そんな世界の片隅のその角っこで読書してるような私のストライクゾーンに入り込んでくる本がそれこそ一生かかっても読みきれない程あると改めて思ったのである。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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