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綾辻行人推薦
この蠢惑的なタイトル。なおかつEQの長編で唯一の”嵐の山荘”。必読、です。

という推薦帯が欲しくて新刊で買ったシャム双子。
クイーン父子が休暇を利用して旅行に行った帰り道、道に迷った挙句山火事に遭い行き着いた先にあった”矢の根荘”。そこで起きた殺人事件。死体の手が硬く握り締めていた半分になったスペードの6のカード。美しい未亡人とその双子の美しい息子たち。少年はシャム双生児だった。
みたいな。こりゃー横溝正史的なノリだよね。陸の孤島!美しい女性!と、美少年!あとは「祟りじゃーー!!!」というお婆さんがいれば完璧!流石におりんばあさんは出てこないけど、被害者の妻はモナリザの微笑を貼り付けたフランス人でちょっと気味悪い感じなのである。
謎解き事態は被害者が残したダイイングメッセージと思しきトランプのカードの解釈についてにウェイトを占めている。同一犯人なのに異なった凶器を使用しているのがなんか気になる・・・計画殺人じゃないからかなぁ、犬神家だって突発殺人故に凶器が毎回違ったもんねー・・・最初と最後は毒だったけど。
この話は謎解き部分よりも、徐々に近付いてくる山火事の描写が凄い。生きるか死ぬかの極限状態で、謎解きは死から眼を背ける為のツールになっている。あと、エラリーが大分欺かれていて、『ギリシア棺の謎』並に振り回されている。ギリシアと違うのは探偵が何でも難しくひねくれて考えてしまった所為で(殺人については)無実の人間の死を早めてしまったというところか。
なんか謎解きよりも極限状態の人間描写と、クイーン警視の嫁への愛の深さが垣間見れたのが良かった。
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もいっちょ。社長も出品している展示会に行ってきた。
テーマは「愛」
入るとすぐにどーんとでっかい彫刻が眼に入る。のだが偶々社長も居て吃驚する(作品どころじゃなくなった瞬間)
取り合えず挨拶して一通り作品を見る。猫の絵が多い。あ、良く見たら値札付きだ。
130号の作品はエレベータで運べるけど150号になると非常階段から運ばねばいけないとかゆう話を聞きながら「あいってなんだ」と思う。
ストレートに男女間における愛を表現する人もいれば、ラヴ=私が好きなものつう事で猫だったり、家族愛だったり(これは社長の作品)、「ラヴ・メッセージ」故にラヴ・レターやハートのトランプを持ったピエロだったり、あとは蛍光ピンクを使用した抽象的なのとか・・・ひとつのことだまから得られる解答は、決してひとつではないという事が判った。自分理系脳持ってたらこの解答は受け入れられんくて苛々してたと思う。良かった完全理系オンチ派で。
どーんとでっかい彫刻の作家先生もいらして、社長と喋っていたのを聞いてたら、ブロンズ像だと思っていたでっかいのが実はプラスチック製という衝撃の事実を聞いてしまった!他の作品もブロンズぽく造ったんだって!すげ、完全に騙された!
ブロンズは高いからねー、との事。すんげブロンズ感出てるんですが・・・なんたらゆう下地剤(名前聞いたけど忘れた)とかで造るんだって。で、像に付いた錆っぽいのは日本画の顔料を使用しているらしい。こんなことここに書いていいのか、彫刻家目指す人が見ている訳でもないしいっか!
ただ、作品造っている間は、町内の人からすんごい苦情くるんだって・・・プラスチックは臭いし、製作中はばっちいカッコウしてるから世間の眼がキビシイそうです。この辺はアーティストが生活し難い環境だって。
アーティストって、ほんと大変な職業だよねー・・・
2万人が見守る中、銃弾に斃れるロデオスター。必死の捜査も虚しく魔弾を放った凶器はその姿を消してしまった・・・という凶器消失トリックもの。
凶器の隠し場所はエラリーとほぼ同時に判ったが、犯人はまさかの・・・!である。そうでしたそうでした、そのトリックが残ってました。犯罪トリックって出尽くしたって言われているけど、正確なトリックの種類を誰が網羅しているのであろうか。乱歩?多分乱歩はメタ・ミスを知らない。てかメタもトリックに入れちゃうのか。
これは被害者が映画俳優ってのが謎解きの重大な鍵となってると思う。あとはエラリーの観察眼には脱帽!ようあげなとこまで見てるなァ。
動機に関して。
今でもやっぱり世間巷に残っている「血統」という概念(あるいは世間体)。小栗虫太郎の完全犯罪でもそうであったが、体内に一滴でも「野蛮な」血が流れているという事が他者を殺した挙句、自らの首を縄に突っ込んだり脳天に穴をぶち開けたりする原因になってしまうのがなんだかなぁと思うのである。
本編とは無関係だが、J・J(と、ジューナ)に謎解き解説をしている際、エラリーが描いた馬上の人と弾の入射角のイラスト。
3番目の入射角完全に30度ではないよ、殆ど4番目のイラストと同じだよ、何で同じ絵をふたつ掲載してるんかいなと思っただよ。そして意外と絵心のあるエラリー。臨場感出す為に態々馬のうしろに土埃を描き足すとは侮れん。
あと、今回出てきたジューナ・クイーン、16歳という設定だったが、ローマ帽子の時点で19歳だったのでは・・・?じゃ、ギリシア棺みたく初期の話かやと思いきや、過去の大観衆の中で行われた殺人にローマ帽子もフランス白粉もオランダ靴も取り上げられている。
・・・ジプシーは若返るんだろうか。
丸善4F行ってきた。
展示品全部に値札が付いててああ私とんだ場違いと思いながらぷらっと見回る。
シャガールとかなんかあんまり知らない人の銅版画。おお、ミュシャがある!カードサイズ以下なのに15万してるミュシャこえー!ダリってあのダリかや、ヴィーナスの凱旋とか、鉛筆でぐりぐりしてあってそこから深層心理を探ったら多分どんよりしそうなので深く考えない事にした。
ダリの錬金術師の絵が面白い。術者っぽい青年の膝から骨でてる。おじいさんの吐瀉物が金貨になる。ダリだなぁ。
スペクトルのにじみみたいなのがあって、良く見たら色んな表情の人間で構成されてるのがあって凄いなと思った。左下には肉が削げ落ちてった髑髏があってメメントモリを感じた。メメントを感じるってのも可笑しいが。
曲線で構成されている女性の姿を、あえて直線で鋭く表している絵もあって面白いなーと思った。
やっぱり抽象的なのは判らん・・・と思いながらふと見るとなんと辰巳四郎の名前が!(※たつみしろう:講談社でお馴染みのイラストレイター)
大人の紙芝居まぼろし劇場だったかな、なんかそんな感じのタイトル。丹下左膳とか便所のマリアとか大人向けの内容の絵本みたいな本。辰巳さんは左膳ともう1作の挿絵を担当されており、ちょこっと読んだら女の着物を剥ぎ取って全裸で逃げ回っているのを刀でずばっと斬ったら血がだらだらと噴出してげらげらげら!という感じであった。銭湯のなんとかという話は少女がおばさんカミソリ返して!と言ってたら軍人たちに犯されておばさんはどこにいるのかやと探してたら湯船に死体が浮いていた。大人向けである。エログロの世界である。ちょっと欲しかったけど8万したので諦める。バイト代なくなっちゃうよ。
最後に加山久造の猫と牡丹にときめかされて帰宅。鉛筆の鉛っぽさとかやっぱ最高だと思う。原点だよね原点。
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