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もいっちょ。
横溝作品であんまり評価が高くない作品。なんと獄門島と同時期に連載していた作品。すっげ。

・びっくり箱殺人事件
軽妙な文章。さくさく読み進める事が出来る。
ただ、登場人物が芝居人ばかりであるからか、ともすればちゃちい文章に見えがちになる。
だけど本格推理なのが凄い、殺人が起きてるのに全然シリアスじゃないから暴力的な表現が嫌いという人も読めるのではなかろうか。
等々力警部さんが出ているけどこの人は金田一シリーズでお馴染みの等々力さんと同一人物のようなそうでないようなお茶目な警部である。だいぶ抜けてるし。勤務中に酒飲んじゃ駄目じゃろが。
ボエンとかタハハとか馴染みのない擬音語がまた面白い。モギャーでボエンなんだよ、凄いよね。
で、この作品乱歩とか高木彬光とかが出演して芝居したそうな。すっげ!この時代って今考えると凄すぎる、半端じゃない凄さだよ、推理小説家が役者しちゃうんだよ・・・?すげくね?見たかった。映像どっかに埋もれておらんかや。

・蜃気楼島の情熱
これはどっかで読んだ事あるぞ・・・?トランプ台の首か十三番目の貸しボートに収録されてたんじゃないかなぁ。殺される人は覚えていたけど犯人すっかり忘れてる。
志賀さんは不幸な人だ。ぶわっ!
こっちは金田一読んでるって感じ。金田一出てるからね。
蜃気楼島というのは、志賀さんが建てた日本風とも中国風とも区別できない竜宮城のような建物が建つ小島である。実際にあった島がモチーフになってるんじゃなかろうかと解説では書かれていたけど、以前読んだ乱歩のパノラマ島奇談を思い出す。ユートピアなんだよ、花火と一緒に死体が打ち上げられてその破片が美女がくんずほぐれず入り浸ってる温泉に降り注ぐのである。それをただボンヤリと眺める主人公。
本作品はそうゆう話ではないけれど。
あー・・・乱歩集手放すんじゃなかったかな・・・
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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