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少女を絞殺し、喉にハサミを突き刺す連続殺人犯――通称ハサミ男。
わたしは、次の犠牲者に選んだ少女の死体を発見する。彼女は絞殺され、喉にハサミを突き刺されており、ハサミ男の仕業である事は一目瞭然だった。しかしわたし――本物のハサミ男である私は彼女を殺してはいない…

1999年発表。
自殺未遂を起こす度に現れる〈医師〉に唆されハサミ男の模倣犯を探すわたしと、ハサミ男を捜査する刑事たちのパートで構成されている。

以下ネタバレ感想。



+ + + + + + + + + +


「未知の作家はネタバレ書評読んでもなお読みたい」と思った本を読む主義に則って読んだので、ハサミ男が女性だという事を念頭に置きながら読んだ(それ以外は忘れてたから支障はない)。
模倣犯は警察内部にいると思った(昔、真犯人がエリート警官だったという二時間サスペンスを見た影響)ので、堀之内が父親と間違われた男だろうなと思っていたけど、「僕を易者かなにかだと勘違いしている」発言で確信に変わった。ハサミ男をでっちあげるのは容易いと告白してるのと同じだからね。そしたら上井田警部は最初の捜査会議で疑いを持ち始めたとの事で、説明を読むと確かに矛盾する部分があるなぁと。松元刑事の部活の事も確かにそうですねと納得。めっちゃ早い段階で確定しちゃうやつだった。
あとはハサミ男パートと捜査パートを交互に挿入している事で、性別誤認トリックがうまく機能しているなと。磯部と〈医師〉の会話で伏線を回収してあるから、何故日高を疑っていた捜査班がハサミ男の所へ聞き込みにきたのか自然な流れになってると思う。外へ連れ出したのも写真を撮る為ではなく寝起きの女性の部屋へ入るのが躊躇われたってちゃんとした理由もあり納得。

そんでもって大変不穏な終わり方でにやりとさせられた。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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