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[創作篇]
・陳情書:ある小説家が警視総監に送った手紙。彼は妻を撲殺した罪に服させて欲しいと訴えるが、誰もが彼を狂人として聞き入れてくれない。彼の妻は死んだが、撲殺されたのではなく焼死したからだったが…
→青空文庫にて既読。小説家が狂人なのか、(ネタバレ反転)ドッペルゲンガーが本当にいた(反転終わり)のか…それにしても、戦前探偵小説ってこのネタ多い気がする。不木も書いてたな…当時の流行かな。

・海よ、罪つくりな奴!:ひと夏の恋の話。鎌倉の海で溺れかけた所を青年に助けられた令嬢。しかし彼は素人の女性を漁り渡る不良少年だとの評判を聞いたが、令嬢は信じようとはしなかった…
→罪作りなやつ!!

・骸骨 AN EXTRAVAGANZA:私の知り合いで、最愛の妻を亡くした戯曲作家は一人息子を親に預け、独りすさんだ生活を送っていた。ある日彼が野良犬を殺してしまった場面に出くわした私は、埋める手伝いをしようとしたが追い返されてしまった。そして嵐の夜、友人が突然我が家に尋ねてきて…
→雨が降る中、波打ち際を歩いているとだんだん海の方に引き寄せられてくって話すあたりが印象的だった。

・土蔵:私が偶然手に入れた一通の手紙。息子から母親へ宛てたもので、外国人の娘に恋をした結果、癩病に罹ったようなので姿を消すという内容だった。母子の往復書簡と関連した手紙によって構成された作品。
→様々な思い違いが交錯した結果、悲劇的な終わりをしている。

・打球棒(バット)殺人事件:W大とK大の試合中、選手が突然倒れて息を引き取った。客席にいた不審な女が容疑者として浮かぶが彼女は遺書を残して自殺した。彼女の兄である野球選手から聞いた真相は…
→野球ミステリ三部作そのいち。銃撃されてから十間も走れたのは何で??枚数制限の為かその説明が割愛されてるのが不満。参考文献があるみたいだけど、そのタイトルすら出てないから全然真実味がない。

・白線の中の道化:世間からは親友だと思われていたが、子どもの頃から仲が悪かった二人は同じ野球選手として活躍していた。そんな二人が同じ女性を取り合うようになりついに悲劇が起こる…
→野球ミステリ三部作そのに。しかし当時はあまり評判良くなく三作目は書かれなかったとの事。野球部の元監督が語り部として、渦中の選手から受け取った手記を公表するという体裁。前作よりこっちの方が面白いかな。
 しかし二作ともバットで殴られて肺病を発症するって流れなのが…同じ雑誌の同じ号に同じネタ使ってちゃァ読者としては面白くないだろうよ。三作目も同じパタンになりそうだもの、飽きるよ。

・床屋の二階:ある画家の元へ毎週土曜日に絵の勉強をしに通っていた男が語った話。ある時、画家の元に若い女性が絵を習いにやって来た。彼女も自分と同じように土曜日にやってきていたが、暫くして引っ越しの為やめてしまった。画家は彼女が床屋の二階に間借りして男と同棲している夢を見たと言う。面白がってその床屋を探すと、本当に彼女が男と住んでいたので話を聞くと、画家が彼女の身辺を付きまといここに住んでいる事を知られたのだと言う。預言者ぶって自分を騙した画家に仕返しする為に床屋に画家を連れ出したが…
→(ネタバレ反転)ドッペルゲンガー(反転終わり)!!!

・青い鴉:鴉を殺した祖父が非業の死を遂げて以来、鴉に祟られているという菓子屋だが、鴉を見ると殺してやりたくなると言って近くにいた鴉に石を投げつけた。鴉は海の方へ逃げていったが波に飲まれたようだった。
→菓子屋を撮ったビデオに捨てた女(しかも撮影日に撮影現場近くの海で身投げ!)の幽霊が映ってた事から菓子屋がどんどん異常をきたしていくんだけど、マァ自業自得と言うか…最後に現れる鴉の姿が印象的。

・奎子の場合―小説家U君の草稿(ノオト):U君の隣人の外国人が殺害された。昨夜奎子という人妻が被害者と一緒にいた事を証言したU君は、奎子のその後を想像する…
→現実をドラマチックに妄想してしまうのは小説家の性かと…しかし現実なんてこんなもんである。

・海蛇:療養の為独り鎌倉に行った夫からの手紙には、ある女と肉体関係を持ったが、その女の正体は海蛇らしい、捕まえてやっつけてやると書かれていた。妻は鎌倉へ行くが、夫は妻を邪険にし、海蛇を釣る為毎日出掛けていた。ある晩、胸騒ぎを覚えた妻が夫の元へ向うと…
→勝手に気がふれて勝手に自滅した話じゃないかな。嫁は何も悪くなかろ。

・線路の上:十三年前に列車にはねられ死んだ植木職人の父親。実は俺が殺したのだと語ったのは同業の男だった。彼の罪を黙っている変わりに金を要求した男だったが、それ以来父親の幻覚に悩まされるようになり…
→とうちゃん、恨みの果たし先間違ってるよ…(ネタバレ反転)運転手が犯人の息子(反転終わり)というのは察しがついたけど、因果だよねェ…とうちゃん、何がしたかったんや…

・めつかち:ある夫婦の話。私は幼い時からある幻影を見続けていた。それは良く整った綺麗な男の顔で、しかし彼の片目は潰れていた。いつしかその男が現実に現れて妻になるのだと思い込むようになった。そして、ついにその幻影とそっくりな男と出会い結婚したが、彼は両目とも健全だった…
→乱歩感あると思いながら読んでたら最後の一行!アー!!

・放浪作家の冒険:いまは落ちぶれているが、以前一年間フランスに遊学していた樹庵。そこで出会った日本人売春婦の話…
→青空文庫にて既読。


[評論・随筆篇]
談話室(一)/四月号雑感/探偵時評/作者の言葉/戦慄やあい!―― 一読者の探偵小説に対する注文/再び「芸術品の気品」について他/貝殻/談話室(二)/僕のノオト Ⅰ/我もし人魂なりせば――狂人の手記――/行け、探偵小説!――僕のノオト2――/新年の言葉/日記/ハガキ回答


にしお・ただし(1907-1949)
東京都生まれ。本名同じ。別名・三田正。
亀の子束子の製造で知られる西尾商店の一族として生まれる。
慶應義塾大学経済学部に進学。1934年『ぷろふいる』に「陳情書」を発表しデビュー。
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの「ランドルフ・カーターの陳述」を翻案した「墓場」にて、日本で始めてクトゥルフ神話を紹介した。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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