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[創作篇]
・蛭川博士:不良少年の了吉は、不良仲間の弁士に指輪を巻き上げられた女の死体を発見する。直前まで一緒にいた背の低い男が犯人らしいが、了吉は不良仲間のジョアンを陥れる為「背の高い毛唐らしい男」が逃げるのを見たと証言する。一方ジョアンは別の理由から姿を隠す必要があり、違法カジノで知り合った盲目の老人とその娘が住む家に厄介になる事になる。
→ウィキによると、宇陀児は横溝正史に「乱歩の『陰獣』の焼き直しだよ」って答えたそうだけど、確かに乱歩のスリラー的雰囲気があるような(って、私、「D坂~」等初期明智短編と『孤島の鬼』、少年探偵シリーズ数冊しか読んでないけど…)
あらすじには上手く盛り込めなかったけど、怪人物・蛭川博士の不気味さとか凶暴な唖者の下男、顔の無い死体、呪いの指輪とか、大衆受けしそうな要素がてんこ盛りです。この辺の要素が乱歩感出してるのかなァ…

以下3作品は犯人当て懸賞付き小説。
「読者に犯人が判らなきゃ犯人当てじゃない」として、犯人は誰にでも判るように書いたという。なんかずるい方法で犯人炙り出したりしてるけど、マァ、宇陀児はエンターテイナーだったんだなぁって…ウン、、、

・風船殺人:ゴム風船を異常に愛好する未亡人が、風船遊戯に耽る部屋で死体となって発見された。部屋は密室で、その日の朝届いた新しい風船に何らかの仕掛けがしてあったのではないかという疑惑が生じる。送り主が未亡人を訪ねてきていたので尋問しようとするが、彼は土蔵で冷たくなっていた…
→警察ずるい!!推理してねぇええ…!嘘証拠で犯人釣るとか、あかんやろ…

・蛇寺殺人:杉浦老探偵の元に女から奇妙な電話がかかってきた。女は首を絞められたような声を出して電話を切ってしまったのだ。翌日、探偵は助手を連れて女が言った住所へ出掛けるが、そこは一年前に住職の弟が殺害されるという事件のあった寺だった。
→事件よりなにより、杉浦探偵の強烈な造形に全て持っていかれるかんじ…強過ぎるよそのヴィジュアル…

・昆虫男爵:尾形男爵は趣味が高じて「昆虫男爵」と呼ばれる程昆虫に関して造詣が深かったが「人間と同じ姿をした胎生昆虫」の妄想に取り付かれ発狂してしまう。友人の精神科医と弟の援助によって症状は大分改善されたかに思われた。正常な精神状態に戻ったか確かめる為、虫の鳴き声の真似が上手い女芸人を雇って実験をするが、尾形男爵は失踪し、女芸人は腹を裂かれ惨殺されていた。首を吊った男爵が発見されたが、そこには休養の為遊びに来ていた杉浦老探偵の姿があった…
→大阪圭吉「三狂人」ぽい話だけど、圭吉の方が面白いかな…犯人の「要らん事して墓穴掘った」感半端無い。

[随筆篇]
「蛭川博士」について/商売打明け話
後者は懸賞付き小説を書いた経緯とか…「風船~」の犯人正解率が高すぎるのは、編集部が〈犯人は○○である〉と書いて送ってね!と書いた所為だって、ウッカリ犯人に苗字与えなかったのが原因だと書いてあって面白かった。

おおした・うだる(1896-1966)
長野県生まれ。本名・木下龍夫、別名・XYZ。
九州帝国大学卒業後、農商務省臨時窒素研究所勤務。同僚に甲賀三郎がおり、彼の活躍に触発されて書いた「金口の巻煙草」でデビュー。
1929年『蛭川博士』を発表、江戸川乱歩や甲賀三郎と肩を並べる探偵小説の代表的作家となる。
1966年心筋梗塞で死去。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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