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平成生まれのミステリ作品です。第22回鮎川哲也賞受賞作。

六月。バケツの底が抜けたような雨の中、卓球部の練習所である旧体育館に向かう一年生の早苗と柚乃(ゆの)。
体育館には授業が早く終わったという二年生で部長の佐川と、教師で顧問の増村が既に居た。練習台を準備していると、ドーン、ドーンと太鼓を叩くような音が響く。
そこへ演劇部部長の梶原が顔を出し、誰か舞台の幕を下ろしたかと聞く。佐川は放送部の部長・朝島だろうと答える。幕を上げると、そこにあったのは胸にナイフを刺され、既に事切れた朝島の姿だった。
犯行時に旧体育館は密室状態だった事から、一人の時間があった佐川が疑われる。柚乃は部長を救う為、先の中間試験にて900点満点を取った二年生の裏染天馬に助けを求めるが…

この裏染君、学校にも家族にも内緒で校内の文化部部室に住み着いている重度のアニメオタクという設定。探偵の造形から、ライトノベルみたいな感じなのかなァ(読んだ事ないけど)と不安に思っていたが、私が未知の作家を読むか読まぬかの規準にしているネタバレ書評が評価してたからトライ。
結果、すごく面白かった。
怒涛のロジックで佐川部長が最も犯人から程遠い事を刑事に解説、部長の疑いを晴らした天馬は更に真犯人を突き止めてくれと部長から依頼される。因みに部長を救う為に10万、追加料金5万で引き受けるというビジネスライクな探偵。
旧体育館の男子トイレに残された新品同様の高級ブランド紳士傘から、佐川の無実、容疑者の範囲の絞込み、そして密室トリックの解明と、一つの証拠品からここまで情報を搾り取るかって位に搾り取ってる。すごい。
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エグチマサヤ
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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