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昭和34年発行の、ふっるーーーいやつを借りて読んだよ!
なんかチョコレートっぽい匂いがした…古書特有のかおりです。

Aga-search.comさんによりますと、『学長の死』は、イネスが教授に推薦してもらったけれど、自分、著書一冊もないなって気付いて6週間で書き上げたデビュー作との事。すごいね、6週間で長編書いちゃえるって。

アプルビイシリーズの第一作でもあるので、次作『ハムレット復讐せよ』に出てくる人物もいます。
故に容疑者リストから一人削除される訳で…ほんと、読む順番って大事だよなって思い知らされました。あーあ。

ところで、この作品の訳者は木々高太郎なんですが。
どうも本人に会って「日本で紹介したい!是非したい!翻訳させてよ!」という交渉の末、「オッケー♪」と了承してもらってきたみたいですね、こんな軽い感じじゃないとは思うが。
高太郎は本名を 林髞(はやし・たかし)といいまして、大脳生理学者なんですね。
あのパブロフの元で研究していた事もある人物でして、そのツテでイネスに会う機会があったのではないかと。
(イネスは英文学の学者であり、シェークスピア研究者でもあったのだ)
いやはや、この時代の探偵小説家って、学者や研究者が少なくないのですよね。
不木も医学博士だし、海野十三は電気工学の人だし、甲賀三郎と誰かも同じ研究所の出身じゃなかったっけ。あと、横溝正史も実家が薬局だった関係で薬学部出てるし。
大衆文学としてランクが下に見られていた探偵小説というジャンルに、そうゆう「先生」が参入する事で、文学としての地位を向上させようという働きがあったのです。

以下、ネタバレる感想を少々…

+ + + + + + + + + +


殺人を犯す人間は正常な人間じゃないってのは判るけど、精神面に問題が(過去に)あったから殺人者候補として第一に考えなければならないってゆうのは些か乱暴過ぎやしないか。
殺人を犯す瞬間は、確かに正常な精神状態ではないだろうけど、精神障害と犯罪を結びつけるのはいくないな、と。(一応)心理学やってた身としては思う訳でして。
だったら単に野心が過ぎて、現学長を殺して次期学長候補を容疑者に仕立て上げて自分が学長に治ろうとしたってだけでも良いような。
そもそも、犯人だけが過去に精神を患って入院した事もある設定だけど、外野も確り精神状態が可笑しいよね、あいつが自分を陥れようとしたからあいつが犯人だって判るように小細工しときました!なんてさ…天才ときちがいは紙一重って言葉を思い出した。
マァ、「正常な精神状態」って何ぞやって話になっちゃうけど…
「正常」を定義したやたつが果たして「正常」だったのかってゆう無限ループ。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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