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・とむらい機関車
元鉄道員が語る、七日おきに起こった轢殺事故の話。そしてその意外な結末。

・デパートの絞刑吏
圭吉デビュー作。探偵・青山喬介が登場。
絞殺され、デパートの屋上から落とされた店員が手にしていたのは、先日売り場から盗まれた真珠の首飾りだった。

・カンカン虫殺人事件
「かんかんむし」とは、造船所で働く労働者のこと。
胸を刺され、後頭部を穴が開く程にぶちのめされたうえに、後ろ手に縛られ海中に遺棄された死体が発見された。
被害者と共に行方が判らなくなった男のイニシャルが彫られたジャックナイフが発見されたが、その男が犯人なのだろうか…

・白鮫号の殺人事件
引退した船乗りの他殺死体が発見され、馬に乗って現場に駆けつけた喬介とわたし。
未亡人から話を聞くと、被害者は前日「明日の午後迄だ」と言って何かに怯えていたと言う…
この作品は後に「死の快走船」と改題され、喬介が登場しないものに書き換えられています。

・気狂い機関車
2400形式・73号の機関助手が鶴嘴で殺され車外に遺棄された。
喬介と私が線路脇に垂れた血痕を辿ると、第二の死体に出くわす。それは2400形式・73号の機関手であった。
機関手と機関助手が殺害されたという事は、無人の機関車が走っているという事になるが…

・石塀幽霊
石垣に囲まれた秋森家の差配人の妻が殺害された。
犯行時、偶然居合わせた近所のアパートに住む学生と老郵便配達夫が逃げる白い浴衣を着た二人の犯人を追いかけた。
角を曲がると、向こうから一人の洋服の男がやって来たが誰にも会わなかったというので、犯人は秋森家に逃げ込んだと考えられた。
容疑者は秋森家の息子、宏と実。双子である。
だが、その後の調べで郵便屋と学生の居た場所からは犯人を見る事が不可能である事が判り、二人の証言の信憑性が疑われる事に。
自分の見た事は事実であるのに、暗に嘘吐き呼ばわりされた学生は、時々講義にやってくる青山喬介に相談する事にした…

・あやつり裁判
盗難事件は無罪、放火事件は有罪。この二つの事件はどちらも有罪か無罪か、際どい事件だった。
有罪か無罪か、その決め手となったのはある女の目撃証言だった。
今回の殺人事件も有罪か無罪か際どい事件で、みたび例の女が証人として出廷して…

・雪解
金鉱を探して北海道を放浪する男、木戸黄太郎。
三年たっても金を見つける事が出来ずにいたが、同宿の金持ちの父娘と知り合ってからは焦燥と嫉妬に駆られるようになった。
彼らは東大出の理学士が発見した砂礫鉱床が横たわる場所を買占め、雪解けを待って発掘作業を進めるのだという。
そして、黄太郎の脳に恐ろしく残忍な考えが…
これは初めて読みました。

・坑鬼
圭吉最高傑作とも言われている作品。
新婚のお品と峯吉が受け持った採炭場で起きた爆発事故。お品が採炭坑の入り口に出たところで、他の採炭場に火が回らぬよう鉄の扉が閉められた。
自分の後ろを走っていた峯吉の姿はなく、お品は恐ろしい現実にぶち当たる…
峯吉の両親とお品の兄も現場に駆けつけたが、峯吉を残したまま、鉄扉の塗り込み作業が行われていくのであった。
その塗り込み作業を手伝った技師が殺されてしまう。
犯人は峯吉を見殺しにした事を恨んだ遺族だと考えられ、アリバイのない峯吉の母親を捕らえようとしたところで、塗り込み作業を実行した工手の他殺死体が発見される。
この殺人は、動機を持つ遺族四人は事務所に呼び出され第一の殺人時のアリバイを調べている最中の出来事であった。
直後、水呑場に忘れられたランプが見つかる。真っ暗闇の炭鉱では、ランプは命と同じ位大事な物である。持ち主を調べると、死んだ峯吉の物である事が判った。
閉じ込められ焼かれた峯吉は、鬼となって自分を見殺しにした者へ復讐しているのだろうか…

この短編集、被害者の殆どが頭部にえげつない損傷を受けている^^^
デパートの絞絞刑吏は屋上から落ちてるんで中身飛び散り系だし、他のも飛び散り穴開き向こう側が見えちゃう程のもあるから、そうゆう描写が駄目な人は読めない短編集かも。
気狂い機関車はつるはしでざっくりやられてるしなー。
私はとむらい機関車が好きかな、叙述系って結構好きかも。
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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