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創作篇は、深夜の悲報までが本名の山下平八郎名義。
小奈祗は発行部数の少なかった雑誌に山下利三郎名義で発表したもの。Ⅰの発行後、その雑誌を持っている人から連絡があり、収録できたそうな。

・創作篇
横顔はたしか彼奴
年の差婚した夫が中毒死した。毒物を気化させて中毒させたと考えられたが、彼を助けようとしてガスが充満した部屋に入った女中と居候は中毒症状を起こしたが、妻には何の症状も表れなかった。
若手から「このタイトルからして古すぎる」とか言われてたやつですな。
確かに、このタイトルそんなに本文と関係ない。タイトルひねらなさすぎてネタバレなのも困るがこれもドウかと。

歳末とりとめな記
吉塚亮吉、年の瀬の夜中に三度も職務質問されて激おこの段。

運ちゃん行状記
タクシー運転手がデパート前で見たのは、外出禁止を言い渡した妻の横顔だった。怒りに任せて後を追うが、妻が万引きしたと知らされショックを受ける。そして離縁書を認め妻に突きつけたが…
「探偵趣味の喜劇」がテーマ。

見えぬ紙片
これまた年の差婚の夫が殺される話。
・被害者は護身用の拳銃を持っていたのに発砲しなかったのは何故?
・ものの数分で、殺害→金庫荒らし→手を洗う て早業過ぎんじゃね?
・道中に残された血痕は?
・投げ入れられていた紙片を見て、被害者は何故恐怖に陥ったのか?
などなど、結構謎が散らばってます。
読み進めるうち、「何だか流れが『緋色の研究』っぽいなー」と思った。
流れというか、構成?事件があって、犯行動機となる過去の出来事が第二部として描かれている感じがね。

野呂家の秘密
小学校の教諭を退職した亮吉が滞在している村で起きた事件。
ケチで人付き合いの全く無い老人が毒殺され、姿を消した若い妾を重要参考人として追うが、村人たちはこの女の姿を見た事がなかった。
ただ、寺の住職と、村の鼻つまみ者の南渓のみが女を見た事がある人物である。
老人の葬儀が済むと、南渓は「犯人の居場所に心当たりがある」と亮吉に語った。
亮吉は、老人の遺言書に書かれた妾の間男の名が、南渓の本名だと知り、慌てて南渓を探すが彼は死体となって発見されたのだった…
私けっこうこの話好きよ。

深夜の悲報
兄妹と老人が一緒に住んでいた。兄妹と老人の血は繋がっていないが、肉親以上に親身になって生活していた。
妹は、病に侵され死にそうである。お金さえあれば、薬が買えるのに…
思い詰めた顔をする兄に、老人は妙な気を起こすなと諭し、家を空ける。
兄はついにある家へ強盗に入る決心をするが…
非常に悲劇。こういう短編パタンは色んな人が書いてますね。

小奈祗の亡魂
小奈祗(こなぎ)という遊女を妻にしたが愛人を作って蔑ろにし、死に追いやった男に下された秘密法廷の判決とは…

越中どの三番勝負
定信(=越中)がドウしても勝てなかった男との口勝負の話。歴史に疎くて全然解らない。
これは「平八郎」という人物の作だけど、利三郎の随筆とかでおそらく彼の別名の作であろうと断定されたもの。

・評論・随筆篇
つらつら惟記/画房雀/譫言まじり/処女作とか/取留もなく三つ/五月創作界瞥見/間と愚痴/逐蠅閑話/世間は狭い/喫茶室/奥丹後震災地より帰りて/三千年以前の探偵趣味戯曲/どろどろ漫談/おわび/くさぐさ/本田緒生論は断る!/私と彦九郎/おえらい物語/著者自伝/呪ひと怪死/私の手を握つて/森下雨村を語る/グルクハイマー殺し合作と連作ストーリー工作を見て/このところ省眄無用/薬草園 毒には毒を/書簡/病窓放談/稚拙な努力/閑古鳥の呟き/ナポレオンの墓守サンチーニの話/古都アテネ/アンケートほか
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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