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昭和36年発行の、イギリスで発表された推理小説を発掘したもの。
二人(三人か)は探偵小説を専門としている作家ではないけれど、一読の価値あり。
古書だので、図書館の倉庫から発掘してもらいました。
古書のかほりがします、取扱いに注意しないと頁が破れます。

赤い館の秘密/A・A・ミルン
言わずと知れた「くまのプーさん」でお馴染みの童話作家ミルン。
彼の父親が、大のミステリファンだったらしく、親孝行の為に書かれた物。
当初は「先生!ミステリなんか書いてないで児童小説書いて下さい!」と周りから言われたそうだけど、出版されたら、みんな口を揃えて
「先生!童話はいいです、みんな先生の推理小説を待ち望んでます!」と言われたそうな。
(しかしミルンはその後推理小説は書いていない)
父親の為に書かれた、ミルンが「これこそ“フェア”な推理小説」の探偵役として登場したのが、アントニー・ギリンガム。
横溝正史が、金田一耕助を「ギリンガムを日本人にしたような」と評した、あのギリンガムである。
ミルンの考える、フェアな推理小説とは、ホームズみたいな超人的人物が探偵でないこと、ワトスンみたいな一般人より劣った頭脳の助手でないこと
(ワトスンは馬鹿じゃないけど、ホームズを超天才的人物に見せる為にあえて愚鈍な人物に書かれているのだと思うけど…だってこの人医者だし。マァ、6フィートもあるホームズのおばあさん変装を見破れないのはドウかと思うけど。ただしこれはヤク中患者を満足させる為に騙されたふりをしているという説もあるが)、
終盤に至るまで提示されなかった手掛かりを、何故か探偵が知っていること、またそれを知り得た時点で読者にそれを明かさないなど、アンフェアな証拠の書き方をしないこと、
これらの条件を満たしているものを指している。
で、ミルンの探偵は、ほぼ一般人と同じ能力しか持っていない。のだが、瞬間記憶能力は備えておる。これって超人的に入るのでは…
ワトスン役の青年も、そこそこ使えるやつである。透明度の低過ぎる湖に潜水してくれるし、ちょっとお喋りだけど良いやつだ。
本編も、大体探偵と同じペースで犯人が判るように書かれている。
というか、殺人が起こった時に館に来ていた客は全員一緒にゴルフをしていたというアリバイがあるので、(ワトスン役を勤めるギリンガムの友人を除いて)全員舞台から退場させられ、ちょう初期に容疑者は減ります。
寧ろ容疑者は一人しかいないのである、なんてこった。
それでも、ギリンガムと一緒に

1.第一発見者が(偶々居合わせた)ギリンガムに悟られないよう容疑者を密室から逃がしたのか
2.容疑者はどこへ逃げたのか
3.そもそも、容疑者が本当に犯人なのか

を突き詰めていく感じが面白かったです。ミルンすげー。
これほんと、色んな人に読んで欲しい。
ミルンはプーさんばっか書いてたのじゃないのですよって自慢したい(何故私が自慢するのだ)


百万長者の死/G・D・H & M・Iコール
経済学が専門の夫妻による犯罪小説。これは途中でアレが判った。アレだよあれ、うん。
こちらには決まった探偵は出てこない、優秀な警視が出てくる。
んだけど、恐ろしいことに登場人物達がぐるになって犯罪者を逃がしちゃうんで、完全に司法の負けである。
しっかも登場人物の殆どが地位と名誉を守って、なおかつ金をもうける為なら何でもするってやつばかり。
オチも、すっごく後味悪くて人間不信になることうけあい^^^
本編は、事件と同時進行で株のやりとりとか、金融ドウのコウのが描かれている為、経済とか数字がからきし駄目な私にとって苦痛と眠気の文字列でしかない。
勧善懲悪ではない、割と珍しいタイプの犯罪小説(と、あえて私は区分する、だって探偵でてないし)です。
まー話としては中々興味深いよ、ただ、私の好みじゃないだけで…
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寝ても覚めてもミステリが好き。最近はもっぱら「探偵小説」ブームで新しい作家さんを良く知らない。
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